この記事の内容は、私の勤め先のことであって、発注者支援業務全般に共通することではないことを予めご了承ください。
私(35歳)の給与明細
私が勤めている会社では、ステークホルダーとの契約は件数ではなく、1人あたりで計算されます。その契約金額は、1人あたり年間約1000万前後です。
単純計算で、1000万÷12か月=83.333…(約83万円)となります。そこから経費を仮に30%とすると、83万×30%=24.9万円となります。
1人が何件の工事を受け持っても単価は変わりません。ごく稀に、変更契約等で単価が変わる場合もあるようですが、ほとんど変わることはありません。
上記で記載した月額24.9万円から、さらに各種税金を引くと、手取りで15万円前後になります。世間一般で言われる各種手当は、私の会社ではありません。
手取り約15万円。これが建設コンサルタントで勤務する私(35歳)の給与です。
稼ぐ手段は、残業のみ
給与が低いこともあり、私の会社では残業で稼ごうとする人が多いです。
私の会社では、定時が17時で、18時以降にならないと残業とみなされません。また、早朝出勤をした場合の前残業は、残業と言わないというルールがあります。
私の場合は車通勤で、朝の渋滞を考えて始業の2時間前には出勤し仕事をしていますが、すべてサービス残業扱いなので、きっと会社からはいい社畜だと思われているでしょう。
会社が定める36協定などは、入社してから一切見たことがないので、適当に作成されて、労基署に提出しているのではないかと考えています。
勤怠管理も、私自身は正直に記載して提出していますが残業代はいつも反映されていないので、書き換えられているのだろうと思います。
”徹底的な人事考課制度”
社員のやる気を起こさせるために、人事が”徹底的な人事考課制度”と題して、公平な「業績評価」と「能力行動評価」という2つの制度を取り入れました。
「業績評価」とは、簡単に説明すると売上、利益、品質、サービス、迅速性など、カテゴリ別にパーセンテージが分かれていて、例えば、売上の重要度が30%、利益の重要度が20%、品質は最も大切だから重要度が40%、迅速性の重要度が10%という風に設定されています。
一方「能力行動評価」は、対人影響力や組織志向性など固定の項目があり、各パーセンテージが一律で設定されています。基本は上がり下がりがなく、段々上がって行くような仕組みになっています。
評価タイミングは年2回、A・B・C・D・Eの5段階評価で、ほとんどの人がC評価です。C評価の人の中には、遅刻を繰り返すような人も多いです。
では、私の評価はどうなのか?
常に「E評価」です。
無遅刻で業務にあたっているにも関わらず、評価も低く、それでも業務量は年々増加しています。
なぜ遅刻常習者よりも低評価なのか
通常業務に加え、管理技術者の補佐的な仕事(事務仕事)をしているにも関わらず、なぜE評価なのか?
答えは簡単です。
1つは、評価する人間が私と相性が合わないから。もう1つは、会社に対して要望や意見など、他の社員が言いにくいことをズバズバ言うから。
人事考課制度の「業績評価」と「能力行動評価」の詳細は、明らかにされていません。ですので、結果的に評価する人の好き嫌いで評価されてしまいます。
詳細が明らかになっていないのに、なぜそう断言できるのか。それは、評価した人に直接問い詰めたからです。評価した人間からはこう言われました。
「会社は組織なのだから、右といえば右を向ける人間を評価するのが当然だ。仕事ができる、できないではない。君がいくら業績を上げようと、技術士やコンクリート診断士など難関資格を取ろうとも、君が左を突き進む限り、業績評価と能力行動評価は上がらない。というか、一度、左を向いた時点で君の評価は上がることはない。仕事は他にもたくさんあるから…」
ここでの「仕事は他にもたくさんあるから」というのは、部署異動や職種転換のことではなく、辞めてもらっても結構ですという意味です。
私の昇給・昇格がないことが分かった瞬間でした。
それでも会社を辞めない理由
こんなに散々な会社なのに、なぜ辞めずに居続けるのか。
それは、私が仕事でスランプに陥った時、違う部署の人ですが、技術的な相談ができて、細かく丁寧に説明してくれて支えてくれた、お手本になるような人たちがたくさんいるからです。
あとは、発注者支援でないと取得できない資格があることと、今の仕事がもっとできるようになりたい(まだまだ仕事を覚えている途中なので)という強い想いがあるからだと思います。
支えてくれる人がいなくなったら、私も去り際かなと思っています。
会社に意見して変わったこと
給与も評価も低い私ですが、会社に意見して、変わったことが2つあります。
1つ目は、地震が起きた際などにけが人を救護する知識をつけるため、普通救命講習が開催されるようになったこと。これは、いざというときに地域の防災に役立つと思ったからです。今では、全社員が普通救命講習を受講しています。
そして2つ目は、各部署との連携です。会社では以前から部署間での派閥があり、その壁を取っ払い迅速な対応ができるようになれば、業務の効率化が進み、残業時間の削減と無駄なやり取りを削減できると思い、何度か会社に意見していました。
周りから煙たがられても、改善したほうがいいと思うことを言い続けてきたことで、最近では少しずつ会社の環境や雰囲気が変わりはじめてきたように思います。
態度も体格もデカい批判ばかりしていた社員さえも、最近は肩身の狭い思いをしているようです。
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あなたならどうしますか?
ここに書いたことは、おかしな会社事情のほんの一部にしか過ぎません。
読者の皆さんがもし同じ状況に立たされた時、どんな行動をしますか?
「私ならこうするのに」「私だったらこうしたい」「そんなこと綺麗ごとにすぎない」「そんなことはあり得ない」「そっこー会社を辞める」など、どんなコメントでも結構ですので、どしどしコメントをお待ちしています。