転勤は現場監督の宿命
現場監督の仕事をしていると、転勤の連続で「地方巡行」が当然という建設技術者も多いと思います。
東京や名古屋、大阪などの大都市限定で働いている施工管理技士の方から、北は北海道、南は沖縄の建設現場まで経験したという強者もいるかもしれません。最近は、東南アジアやアフリカなどの海外に転勤する施工管理技士も増えています。
……日本国内でも地方によって「建設現場のギャップ」を感じたことはないですか?
次の転勤先の現場はどこ?
建設業の仕事は、現地での一品生産なので、建物の完成間近になると段々、次の現場が気になって来ます。
会社が仕事を受注できるか否かでも、人員配置は大きく変動するため、予定されていた転勤先が変更になることも日常茶飯事。
急に「来週から○○へ行ってくれないか?」という依頼を何度受けてきたことか。若い頃は施工管理技士になったのを後悔したこともありました。
建設現場版「秘密のケンミンショー」
転勤先が初めての土地だと、その地方における現場の常識に慣れるまで時間が掛かります。自分の常識が通用せず、まさしく「秘密のケンミンショー」状態になることもしばしばです。
例えば、
型枠工事の場合では、鋼管は丸鋼管か、角鋼管か?
フォームタイは、ハンマーで叩いて固定するタイプか、ラジェットで締め固めるタイプか?
支保工では、パイプサポートの場合の大引は、木製のバタ角か、鋼管を使うのか?
さらに、雪の積もるような地方の現場では、夜の間に雪が積もっても翌日の作業に差し支えないように養生をしたり、除雪機で除雪しなかったら現場までたどり着けなかったり。
しかも、ただでさえ忙しい建設業界ですが、仕事以外のギャップにも慣れなければいけません。
沖縄では「沖縄時間」と言われる位に時間通りに人が集まらないこともあります。居酒屋の集合時間は、家に帰って夕飯とお風呂を済ませた後が普通で、午後10時から朝まで飲んでいたら、朝礼に間に合いません。
転勤を楽しんでこそ、施工管理技士として一人前
習慣が全く違う現場に行くと戸惑うことも多く、それを「合わない」と感じることもあると思います。
しかし、「次はどんな現場が待っているのかな?」という前向きの考え方になってこそ、私は施工管理技士として一人前になったように思っています。
会社のお金で様々な地域に行って、その土地の料理や温泉を楽しめるなんて最高!私はそんな旅行気分で転勤しています。
発想自体が柔軟になってくると、仕事にも余裕が出てきます。
私の知人は新婚後すぐに転勤を命じられましたが、月1回の帰省がすごく幸せだったと語っていますし、思い出となれば、転勤はなかなか良いものです。