土建屋から出世した話
私は15歳から土方のバイトを始め、今では国土交通省の国道事務所に勤務しています。こんなことを書くと、なんだ自慢話が始まるのか・・・と思われるかもしれません。
しかし、私がお伝えしたいのは、同じ建設業でも多種多様な仕事があって、給与もピンからキリで、そして誰にでも次のステージに上がるチャンスがある、ということです。これからのキャリアについて悩んでいる施工管理技士の皆さんのヒントになればと思います。
祝日も出勤、現場写真は「自撮り」の壮絶過去
今、建設業界で働いている方々の中には、日中は現場に出て、夕方からは書類整理で夜遅くまで残業……という方も少なくないと思います。私も現場に出ていた時は、そのような忙しい日々を送っていました。土曜日と祝日は仕事が当たり前でしたし、日曜日は家族サービスといった感じで、自分の時間なんて、ほぼありませんでした。
私が勤務していた建設会社は、中小のいわゆる「土建屋」で、施工管理も現場作業もどちらもこなさなければならない環境でした。人手が足りない時は、一人でユニックに資機材を積み込んで行って、状況写真を「自撮り」するなんてことも多々ありました。

レベルの三脚にデジカメを載せて「自撮り」する施工管理技士
それが今では、土日祝日は全てお休みですし、収入に関しても、現場に出ていた頃の倍近くになりました。
私に何か特別な技能や経験があるかというと、そんなことは一切なく、一般的か、むしろそれ以下かもしれないのです。一応、土木施工管理技士の資格は持っていますが、公共工事に関して言えば、県や市町発注の物件しかやったことがありませんでした。
土木施工管理技士の給与が2倍になった原因
そんな私に転機が訪れたのは、子どもがそろそろ小学校に入学するという時でした。「子どもの小学校は公立ではなく、体験学習が中心の私立がいいよね!」なんて勝手に思っていたので、思い切ってそんな学校がある県外へ引っ越しをしたのです。
そんな縁もゆかりもない土地で、何をしていこうかと職を探していた時に出会ったのが、発注者支援・事務補助という仕事でした。
最初は、役所の職員の手伝いくらいに思っていました。面談を受けると、建設コンサルタントの業務ということなので、技術的な知識が必要そうな感じだったのですが、運よく採用され、国交省の事務所に勤務することになりました。
建設業の給与はピンキリ、経歴に縛られない転職を
あれから3年。
最初は、右も左もわかりませんでしたが、真剣に取り組むと、何とかなるものです。この3年の間に、調査路線の新規事業化、工事の起工・開通の式典、整備効果や積算・発注資料作成補助など、受注者側だけでいたら絶対にできないような経験を沢山させてもらいました。
で、そんな経験を踏まえ思うのは「ある程度、現場を経験したら、一歩上に方向転換するのも悪くないのでは?」と言うこと。
私も引っ越しという一大イベントが無ければ、この仕事には巡りあうことがなかったかもしれません。それほど、視野が狭かったのです。自分の経験に束縛されていたのです。技術も知識も経験も持っている技術屋さんが、同じ業種の違う会社を転々とする……と言う話は良く聞きます。
力を発揮できるところは、工事現場・施工管理以外にもあるのです。まして今は、東北や熊本の震災の関係で、発注者側の技術者も不足していると聞きます。折角の技術を存分に活かせるチャンスは、意外とそのへんに転がっているのかも知れません。
しかし、転職するキッカケを掴めず、そのチャンスを逃している方が多いと思います。そもそもチャンスに気付いていない方が多いような気もします。最近では、転職相談を無料でしてくれる親切なサイトもあるので、そうしたところに相談してから思い切って、「引っ越し」「転職」をなさってはいかがでしょう。
建設業界には成り上がるチャンスがありますよ!
支援業務(現場技術、管理補助、資料作成)も業務改善で
この先良いか悪いか分かりませんね。