施工管理の仕事を減らすのは簡単?
「施工管理の仕事はきつくて大変だ」
建築に関わる仕事に興味がある人であれば、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
やりがいや魅力がたくさんある施工管理の仕事ですが、確かに仕事量も多く、大変なのも事実。ですが、実は、施工管理の仕事を減らすことは簡単だったりします。
施工管理の仕事は、工事がスムーズに進むように管理すること。工程管理、人員管理、お金の管理、安全管理、品質管理など、全ての管理を担います。それらをさまざまなコミュニケーションツールを用いて進めるのです。
具体的には、建物の完成を目指すという大きな枠の中にあるさまざまな仕事を、各関係者と上手く付き合い、どのように切り分け、誰にお願いするのかを決めることが主な仕事です。
つまり、それら全ての業務をどのように振り分けるのかは、全て施工管理が決めているのはお分かりいただけるでしょうか。
例えば、下地工事や石膏ボード貼りの量が多い場合は3社にお願いする、土工ととびはセットでやっている会社にお願いする、土工の手元と重機は別々の会社になど、自分の采配でいかようにもできます。
また、内部業務もそうです。施工図を書く作業を外注すると決めても良いですし、事務作業は現場事務を雇って任せるという選択をしても良いのです。仕事の振り分けは本当に自由と言えます。
つまり、「施工管理はこの仕事をやらなければいけない」というものの多くは、思い込みとも言えるのです。
「自分がやらない仕事」を決める
施工管理の立場として現場を運営するためには、仕事を切り分け、やるかやらないかを的確に決めることが必要です。
このような全てを管理する立場だからこそ、「自分がやらない仕事」を決めましょう。これには、2種類の考え方があります。
まず1つ目は、「無駄な業務」です。働き方改革を進める上で、最初に無駄な業務は切り捨てましょう。昔からやっているがあまり意味のない常識や風習がこれに該当します。また、誰かがミスを犯すごとに増えたチェックリストもこれに当たるでしょう。
そして2つ目は、「必要だが、自分(施工管理)ではやらない仕事」です。仕事を切り分けた上で、どの仕事を自分でやり、どの仕事を他の人に任せるのかをはっきりさせましょう。その上で、必要だが自分(施工管理)でやらないと決めたものを、どのように振り分けるのかが今後の現場の成功につながります。
こうやって広い視野をもち、どこにどの仕事を振り分けるのが最適なのかを考えていくのです。
“何でも自分でやる”が正しいとは限らない
注意しなければいけないのは、誰かに仕事をお願いしたからと言って、100ある仕事が0になるわけではありません。施工管理として仕事を遂行するためには、誰に振り分けようとも、責任は施工管理にあります。
振り分けた業務が要望どおりに行われているかをチェックする責任があるのです。つまり、100ある仕事が0になるわけではないが、50くらいには減るといったところでしょうか。
また、仕事を周りに振ることで、お金がかかることもあります。また教える行為が必要になり、最初少し時間を割くことになったりするかもしれません。
それでも、施工管理として「何でも自分でやる」というのは、正しいとは限りません。大切なのは、結果的に良くなることを長期的に想定し、戦略的にやりきることです。
施工管理の「働き方改革」は難しいとあきらめるのではなく、広い視野と仕事の責任をとる覚悟をもって、自らの手で仕事を減らしていきましょう。そうすることで、自分自身を見直していくきっかけになるのではないでしょうか。
「働き方改革」が必要な今、まずは自分の手元から仕事を減らすことが出発点なのです。
※この記事は、『 【インスタで学べる】1日たった3分で学べる建設コラム 』の記事を再編集したものです。