優秀な施工管理技士

大手建設会社の現場所長が欲しがる「優秀な施工管理技士」の条件とは?

大手建設会社の現場所長が求める”優秀な施工管理技士”とは?

私が勤務している大手建設会社でも、施工管理技士の人手不足は、土木施工管理技士も建築施工管理技士もかなり深刻です。

そのため、社内では「1人1人の生産性を向上させるためにはどうすべきか?」という議論が、やたらと繰り広げられています。

建築施工管理技士の端くれである私も、「現場の生産性の向上」やら「1人当たりの出来高の向上」やら、上司とそんな雑談をしかつめらしく頻繁に交わしています。

その雑談の中からご紹介したいと思ったのが、私の上司である「大手建設会社の現場所長」が考える「人手不足だからこそ欲しい施工管理技士ってどんな人材?」という内容です。

こういう施工管理技士になれば、給与アップ、出世に成功できる、ということですので、まだまだ頭の容量に余裕のある方は、ちょっと覚えておくのも良いかもしれません。


現場所長が欲しがる施工管理技士は「計算ができる人材」

現場所長として配属された上司は、どのような人材が欲しいのか?

現場を運営するうえで、当たり前すぎる悩みですが、私の上司によると「計算出来る人材が一番欲しい」そうです。

しかし「計算出来る人材」とは、「材料の拾い出しが早い」とか「仮設の構造計算が出来る」というような意味ではありません。現場で「計算出来る人材」というのは、「あいつが居れば大丈夫」と安心できる存在のことを指すようなのです。

現場の人員配置を行う場合には、経費に掛けることの出来る予算があり、当然、出来るだけ予算内に納めるために「人選」していきます。

例えば、5人必要な現場であれば、次席は誰、誰、その下は誰と誰。というように上の立場から順番に人材の配置を決めていきたいところです。が、いくら大手建設会社といえども、そうそう所長の満足するレベルの人材ばかり集めることは現実的には不可能です。新人の面倒も見なければなりません。

所長を除いた4人の中で、1人だけ「希望」が叶えば、あとの人材は誰でも何とかなる、と思わせるような人材が「計算出来る人材」です。

つまり、所長として現場の段取りを計算できるようにしてくれる人材、「あの人が来てくれるなら、現場の段取りを計算できる」と思われる人材こそ、現場では求められているということです。

「給与アップ」と「出世」に成功する施工管理技士になるために

現場所長は、現場を任せても大丈夫と感じる人材を本当に切望しています。仕事を任せて、ちゃんと結果が返ってくる人材がいれば、安心して他の業務にも集中できるからです。

そして、そのような施工管理技士が実際に出世しています。現場を運営する立場の所長から「あの人が欲しい」と思われることが出世、給与アップに直結します。正社員はもちろんですが、派遣社員の場合でも、所長が気に入った派遣社員を正社員として招き入れるケースもあります。

では、どうすれば「計算出来る人材」になることが出来るのか?

最速で「計算出来る人材」になるためには、日々の仕事を責任感を持ってやり切ることが非常に大切なのではないでしょうか。最悪なのは「途中で投げ出すこと」です。

途中で上司の力を借りようと、作業員さんの力を借りようと一向にかまわないので、次の現場でも一緒に働きたいと思われることが重要です。そのためには、人間として気に入られるコミュニケーション力も必須。施工管理スキルは高くなくても、人間的に好かれている技術者は、私も「次の現場でも一緒に働きたい」と思ってしまいます。

だから、分からないことは迷わず上司に質問するべきだし、様々な力添えを得ながらでも、最終的にやり切るという経験が重要です。

しかし現場で仕事をしていて、自分が「計算出来る人材かどうか」について意識しながら業務をこなしている人は少ないと思います。ということは、誰でも「計算出来る人材になるチャンス」があるということです。

出世する気があれば、施工管理技士にも出世の道は開かれています。

以上、心得論みたいで物足りないかもしれませんが、ご参考いただければ幸いです。案外、こういう心持ちでいるかどうかで、仕事ぶりは変わってくるものです。

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大学工学部を卒業後、大手ゼネコンに入社。駅前再開発工事や大型商業施設、教育施設、マンションなどの現場監督を担当している30代の1級建築施工管理技士。新人時代の失敗で数千万円の損失を出した経験から、日々の激務に追われながらも、新人教育に熱意を燃やしている。現場でのケンカの回数は30回ほど。
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