「死兆星」が通じない若手現場監督にショック!
総事業費1兆円オーバーのプロジェクトの現場に赴任したときの話です。
このプロジェクトの工事は、複数の建設会社がそれぞれ別々に受注していますが、同じプロジェクトということもあって、私が所属する現場の所長が、他の会社の所長と話す機会も多々ありました。
私が所属する現場の所長と副所長は、私より少し年上で40代後半、他の会社の所長も大体同じくらいの年齢でした。
ある日、社内での食事会で、所長がこう切り出しました。
所長「○○社の所長は本当に疲れてるな。あれは死兆星が見えててもおかしくない」
副所長「ですね、絶対見えてますね。レイですかね?トキですかね?」
所長「本格的に工事が始まったら、私ではなく君たちにも死兆星が見えること間違いない(笑)」
副所長、係長、主任、職員、など10人くらいで食事していたのですが、私はこの「北斗の拳」の話題にどハマりして、すごく楽しい食事会でした。今でも思い出すと楽しくなります。
死兆星とは、
北斗七星の横に寄り添うように光る蒼い恒星。またの名を輔星。その星が見える者にはその年の内に死が訪れると伝えられている。北斗の拳や蒼天の拳などに登場し、実際にこの星を目にしたキャラクターの多くは死を迎えているが、中には死ななかった者、年内ではなかった者なども存在する。
「北斗の拳用語紹介」より
ちなみに、死兆星は実在する星で、アルコルの異称を死兆星と呼ぶそうです。
「北斗の拳」を読めば、現場になじめる!
後日、この死兆星ネタが話題になった食事会を振り返り、私は同席した若い職員にこう話しかけました。
自分「この前の食事会楽しかったね~」
職員「みなさん、すごく楽しそうでしたね。でも、死兆星ってなんですか?」
自分「え?まじ??知らないの???」
その若い職員は、入社3年目。読んでいる漫画を聞いてみたら、「遊戯王」「クレヨンしんちゃん」「ワンピース」。今は「進撃の巨人」「ワンパンマン」「ハイキュー!!」らしい。逆に、私が知らないマンガばかり。
私はそれ以降、死兆星が見える現場代理人の話、いや、「北斗の拳」の死兆星の話を、多くの若い人に知って欲しい!という、強い衝動に駆られるようになりました。
これまた食事会の時、ちょうど現場に赴任してきたばかりの新入社員に、死兆星を知っているか質問しました。今年度の大学卒業生は、1994年(平成6年)生まれなので、私が大学を卒業して就職した年です。親子ほどではないですが、まさか「北斗の拳」は知らないだろう、と。
ところが、なんと「知ってますよ」との答え。
さらに、 この新入社員は、レイとラオウの戦いのシーンと、トキが一時的にレイの命を延命したこと、そしてユダと戦って勝ち、小屋に入っていった後に亡くなり、マミヤの見えていた死兆星が見えなくなったことまでを、スラスラと私に語ってみせたのです。
私は嬉しいのと同時に、敗北感さえ感じました。
私「なぜそんなに詳しいの?」
新入社員「親が全巻セット持っていて、小さい時に読んだんです」
これをきっかけに、私とこの新入社員は完全に打ち解けました。
所長や副所長と親密になれるオススメ漫画
建設現場では、幅広い世代の方が働いており、コミュニケーションを構築するツールとして、マンガは最適です。
私自身、マンガの話題をきっかけに、上の方とも下の方とも、より気軽にコミュニケーションを取れるようになりました。例えば、現場で少し疑問に思ったことでも、以前は質問するのに遠慮しがちでしたが、すぐに質問して仕事のスピードを上げることが可能になりました。建設現場では、マンガの力は偉大です。
今の所長や副所長の世代と仲良くなるには、あくまでも私の好みではありますが、「北斗の拳」は超オススメです。
他にも読んでおくべきマンガとして、「SLAM DUNK(スラムダンク)」と「魁!!男塾」が挙げられます。いくら施工管理の仕事ができても、この3つのマンガを読んでいないと、個人的にちょっと残念に思ってしまいます。
SLAM DUNK(スラムダンク)
週刊少年ジャンプで1990年42号から1996年27号にかけて連載されていたバスケットの漫画です。もしかしたら、20代で知らない人も多いのか??ものすごく流行った漫画です。もし知らない方がいましたら、全巻読むことを強くお勧めします。数々の名シーン、名台詞を読み返すことで、日々の生活に自信とやる気を私の場合、与えてもらっています。
魁!!男塾
こちらも週刊少年ジャンプで1985年22号から1991年35号まで連載されていたものです。説明が一言では難しいのですが、いわゆる戦いモノの漫画です。中国拳法を題材にした漫画なのですが、私の中では時々今でも読みたくなる漫画の筆頭です。中国拳法他の説明を民明書房という出版社の本で説明するのですが、大学生の時は、本当のことを説明していると思っていました。
ちなみに私は大学のテストでダイヤモンドの硬度に関する問題が出たとき、この民明書房刊『分子核構造その理論』の核砕孔(かくさいこう)を丸暗記していたので、その内容を書いたことがあります。試験が終わった後に友人に話したら、大笑いされました。
週刊少年ジャンプと建設現場の話題
週刊少年ジャンプの宣伝みたいになってしまいましたが、現場での親密度がより深まれば、仕事も楽しくできると思います。
現場で上司とのコミニュケーションに困っている方の、ちょっとでも役に立つことを願っています。
他にも「これは読んでおいたほうが良い」という漫画がありましたら、コメント欄にお願いします。