がっかり。仕事ができない現場代理人の特徴
着工後の建物づくりにおいて、設計者の立場である私のパートナーとなってくれるのが、現場代理人の皆さんです。
そんな現場代理人の皆さんは、まさに十人十色。超個性的と言っても過言ではありません。そして、「仕事ができる現場代理人」と、「仕事ができない現場代理人」もキッパリ分かれます。
もちろん年数を重ねた現場代理人さんのほうが、要領もつかめているので仕事ができる方は多いのですが、どうも仕事のできる、できないは勤続年数とは関係がないことが最近わかってきました。
私自身、失敗ばかりで人のことを指摘できる立場ではないですが、それは棚に上げさせていただき、がっかりしてしまう仕事ができない現場代理人の傾向をお伝えします。
時間がない現場代理人
ミスを繰り返す現場代理人の多くに共通することなのですが、いつも時間に追われている印象です。ミスを犯しても、反省する時間もない。だから繰り返してしまい、周囲にも仕事ができないレッテルを貼られてしまうのですね。
何でもかんでも引き受けてしまう「お人よし」なのかもしれませんが、自分の能力を一度落ち着いて分析して、時間を整理することをおすすめしたいです。
萎縮してしまう現場代理人
荒っぽい人が多い現場では、暴言が飛び交うこともしばしば。失敗の目立つ現場代理人は、容赦なくその餌食になってしまいます。それに対して萎縮してしまう現場代理人を見ることもありますが、これは絶対に避けたい状況と言えます。
職人のパシリのように使われ、指示は聞いてもらえず、信用もしてもらえないことにもつながり、こうなってしまうと、もう正常な施工管理はできませんね。
若い方や、自分に自信がない方がよくこのような状況に陥るのを見るのですが、向上心があるなら自信を持つために勉強を重ねることが一番だと思います。
そして、その勉強を活かして資格を取れば説明にも説得力が増しますし、仕事もやりやすくなるのではないでしょうか。向上心が持てない現場代理人には、転職することをおすすめしたいです。
強がる現場代理人
現場では、職人に質問された事に答えられないと「使えないやつ」と認定をされてしまうことがあります。
「わかりません」なんて言えば怒られますし、「調べてみます」でも怪しいところです。
そんな辛い状況を上手く切り返せないことが続くと、自分を守るために強がるようになることがあります。わからないことを質問されても、強がってその場で白黒をつける返答をして、その場は凌いだものの、結局間違えていて後々問題になることも。
さらに、不明点を質問するのは格好悪いと思うのか、自分で調べようとするので問題解決に時間がかかってしまうのも特徴のひとつです。
不明点は素直に教えを仰ぐことや、職人にわからないことを質問されたら「あれ!?そんなのあった!?」と明るく誤魔化しながらその場でわかりそうな人に電話をかけて、即解決してしまうことをおすすめしたいです。
メモがナゾな現場代理人
現場代理人というのは、とにかくやることが多くて次から次へとやらなければならない事案が飛び込んできます。
あまりのやることの多さに焦った挙句、ナゾのメモを残してしまい、結局何をしたらいいのかわからなくなったり、見当違いのことをしてしまったり、後回しにして忘れてしまう、という悪循環をよく見かけます。
忙しい時に頼りになるのはメモ等の記録を残すことですから、落ち着いて何をしたら良いのかが確実にわかる記録を取れるようにしておくと安心ですね。
家に帰らない現場代理人
現場代理人のお仕事は、残業ありきのものだと思います。時には泊り込みで勤務することが必要とされることもありますし、建設業はサービス業と言われる世界ですから、仕方がないことだと思うのですが、なぜか何日も家に帰らず、ほぼ会社で暮らしているような生活スタイルの現場代理人を見かけることがあります。
このようなスタイルの方を見ていると、「家に帰らない=いつでも仕事ができる」という安心感からか、やることを後回しにしたり、やらなくても良いことまで引き受けてわざと仕事を終わらせようとしない印象にも映ります。
もしかしたら家庭に複雑な事情があるのかもしれません。それでも、できれば家で最低限の身支度は整えて、家族ともコミュニケーションを取ってもらいたいと思います。
机や車が散らかっている現場代理人
机やその周辺がやたらと散らかっている人や、愛車に資材や道具が乱雑に詰め込まれ、ゴミ屋敷車のようになっている人を見かけると、思わず警戒してしまいます。
施工管理では実に多くの書類を扱いますが、周辺が散らかっている人は、書類の管理がしにくい環境にあるからです。
大事な書類を失くしてしまったり、古い図面を捨てていなくて間違った指示を出したり、誰かに書類を盗られたのでは!?と疑ってみたり。
周辺が散らかっている現場代理人は、トラブルメーカーになり得る人材と言えます。
コミュニケーションを取ろうとしない現場代理人
良い現場代理人になるための重要なスキルのひとつに、コミュニケーション能力があると思います。
毎日の仕事で施主や、近隣住民、設計者、役所の人、職人、現場作業員、上司、部下、同僚など多くの人と接し、円滑に人間関係を築き、工期通りに仕事を遂行することが必要とされる現場代理人は、コミュニケーションスキルがなくては始まりません。
そんな中でも、頑なに必要最低限のコミュニケーションだけで仕事をしようとする現場代理人も存在します。そんな人がよく犯すミスは連絡・相談・報告の不足。言い訳は決まって「聞かれなかったから、言う必要ないと思った」みたいなこと。
いいオジさん世代の現場代理人でもいますから、どうしたものかと周囲は頭を抱えてしまいますね。
行方不明になる現場代理人
現場代理人のお仕事は、残業ばかりで休日出勤も多いので、勤務時間中に上手に息抜きをする必要があると思います。
しかし、息抜きをしすぎて音信不通や行方不明になるケースも見受けられます。
ホームセンターをうろついていたり、車で昼寝をしていることが多いのですが、連絡がつかないと皆心配しますし、本当に困るので勤務時間中は最低限連絡が取れるようにしておくことをおすすめします。
建築に夢を持てない現場代理人
いくら仕事ができない現場代理人でも、休憩時間に建築雑誌を読んでいたり、完成した物件を嬉しそうに眺めている姿を見ると「建築好きなんだな」と少し見直したり、応援する気持ちになります。
しかし、いつも愚痴ばかりで向上心もなく、仕方なく仕事をこなす態度の上に仕事ができない現場代理人はもう別の業界に転職した方がいいと思います。
建築は施主の夢をつくる仕事でもありますから、工事の中心になる現場代理人がそんな事では困りますよね。施主はもちろんですが、その建物に関わるたくさんの人にとって迷惑極まりない存在と言えます。
そんな現場代理人が減って、その人なりに幸せを感じられる新しい仕事が見つけられるといいですね。
でも現場代理人ってカッコイイ!
現場代理人は、10年勤めてやっと一人前かな?という世界だと言われています。
特に若いうちは給料も安く、休みもなく、残業だらけ。そんな中で10年続けるというのは、とてつもない苦労なのではないでしょうか。
そんな苦労と仕事ができないということが重なると、普通の人はとても過酷な毎日だと感じるかもしれません。
それでも建築が好きだという気持ちがあれば、過酷な中でも小さな幸せを見つけながら、ひねくれずに仕事を続けることができると思います。
・・・少々、私怨が絡んでしまい見苦しい部分があったかもしれませんが、仕事ができない現場代理人の皆さんの良い意味での活躍にお役立ていただければ幸いです。
現場代理人って自分が思っている以上にカッコイイですよ!