1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策40

【1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策】安全管理その4「安全対策(足場)」

【1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策】の第40回目は、安全管理その4「安全対策(足場)」の勉強ポイントについてまとめます。

安全管理では足場の設置、型枠の設置、土工事など、各種作業時の安全対策(労働災害の防止)に関する問題が出題されます。

足場の安全対策

安全対策では、足場に関する問題は最も多く出題される箇所で、最低でも1問、関連問題も含め2問程度出題されます。主に、足場の設置における安全基準、作業主任者(事業者)の職務、届け出などが出題されます。

※下線部は、数値や語句を変えて誤りの文章となる場合としてよく出題される箇所です。下線部のキーワード、数値を正確に覚えておきましょう。

  • 高さ10m以上で、かつ、組立てから解体までの期間が60日以上となる場合は、その計画を作業開始の30日前までに労働基準監督署長に届け出なければならない。
  • 高さ5m以上の足場の組立て解体作業を行う場合は、作業主任者を選任しなければならない。(5m未満の場合は、作業主任者は不要だが、作業指揮者を指名しなければならない。)

足場の安全基準

枠組足場 単管足場
地上第1の布の高さ 2.0m以下
建枠・建地の間隔 建枠の間隔:1.85m以下 桁方向:1.85m

梁間方向:1.5m以下

最大積載荷重 枠幅90cm:400kg以下 1スパンあたり

400kg以下

壁つなぎ、控え 垂直方向:9m以下

水平方向:8m以下

垂直方向:5m以下

水平方向:5.5m以下

建枠・建地脚部の滑動・沈下防止措置 ベース金具・敷板・敷角
作業床 幅:40cm以上 床材間のすき間:3cm以下

※吊り足場の場合、隙間はないようにする

墜落防止 交差筋かいおよび高さ15cm以上40cm以下の下さんもしくは高さ15cm以上の幅木または手すり枠の設置 手すり等(高さ85cm以上)及び中さん等(高さ35~50cmの位置)またはこれと同等以上の機能を有する設備
落下防止 幅木(10cm以上)、メッシュシートもしくは防網

※ローリングタワー(移動式足場)は人を乗せたまま移動させてはならない。(「人を乗せたまま移動する場合は安全に配慮した」との記述があると誤りとなる)


墜落・飛来災害の防止

  • 高さ又は深さが1.5m以上の箇所で作業を行う場合は昇降設備を設けなければならない。

※作業床・端部の墜落防止設備・安全帯の使用などが必要な高所作業となるのは2.0m以上。これと混同しないように注意!

  • 足場・支保工の組立て解体など資機材の落下が予想される作業箇所は必ず関係労働者以外の立入り禁止措置を行わなければならない。

※「短時間の場合、立入禁止措置を省略できる」の記載は誤り。作業時間は関係ない。

保護具使用のポイント

ここでは保護具の使用方法・注意事項・禁止事項も出題されます。保護具単体で出題される場合と、各種作業の労働災害防止に関する問題で出題される場合があります。保護具を使用する際のポイントは、以下の通りです。

  • 安全帯のフックの取り付け位置…腰の高さよりも高い位置に取り付ける。
  • 安全帯のロープ…なるべく短くした方がよい。(万一落下して安全帯で体を支える状況になった場合の衝撃を小さくするため。)
  • 防毒マスク…酸素濃度が18%未満の場所で使用してはならない。(酸欠状態で防毒マスクを使用するとさらに酸素の吸入を阻害する。このような場合は、給気式呼吸用保護具を使用する。)
  • 手袋、革手…回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのある作業時は使用してはならない。
  • 防網(安全ネット・セーフティーネット)…落下物により人体と同等以上の重さの衝撃を受けたものは使用してはならない。
  • 安全靴…つま先に大きな衝撃を受けたものは、外観上異常が認められない場合でも変形やひび割れが生じている恐れがあるので使用してはならない。

足場の安全対策の練習問題

【例題】次の記述は正しいでしょうか。

◇ 高さが2m以上の作業場所において、足場に作業床を設けるときは、その作業床は、つり足場の場合を除き、幅は30cm 以上、床材間のすき間は5cm 以下としなければならない。

解答×…高所作業における作業床の幅は40cm以上・床材間のすき間は3cm以下としなければならない。(吊り足場の場合、すき間はなくさなければならない。)

◇ 単管足場においては、地上第一の布は、2m以下の位置に設けるものとする。

解答〇…地上第一の布というのは一段目の水平材(足場板等)であり、1段目は2m以下の位置に設けるものと定められている。

◇作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、高さ5cm以上の幅木、メッシュシート又は防網を設置する。

解答×…落下防止のための幅木は高さ10cm以上のものを用いる。

この記事のコメントを見る

この記事をSNSでシェア

こちらも合わせてどうぞ!
「足場も組めないし、高所作業車も入れない!」難攻不落の解体現場をいかに攻略すべきか?
VRで死を体験。大東建託が恐怖で安全意識を向上させる新技術
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
年収1000万に近いスーパー職長も誕生。「鳶職(とび)を架設工(たか)に変える」鈴木組のキャリア設計とは?
ちょっと待った!フルハーネス型安全帯の義務化と2丁掛けの盲点
ニッカポッカ絶滅の危機!「安全vs伝統vsオシャレ」どれを優先すべきか?
大阪工業大学を卒業後、某ゼネコンに就職。現在、一般社団法人全国教育協会(関西建設学院)にて土木・建築施工管理技士の資格取得セミナーの講師を担当している。体育会系で勉強が好きではなかったため、「勉強が苦手な人にわかりやすい解説」をモットーに、業界No.1講師を目指して修行中!
ひげごろーTwitterアカウントはこちら → https://twitter.com/LICEN0202
モバイルバージョンを終了