「公共工事に頼りすぎると危険」老舗施工会社が取り組むWebプロモーション

桶川工業株式会社の西村匠社長(左)と、ブラニュー株式会社のWebコンサルタント 佐々木萌さん

「公共工事に頼りすぎると危険」老舗施工会社が取り組むWebプロモーションとは?

地域密着の老舗施工会社が着手したWebプロモーション

昭和19年の創業以来、70年以上に渡って東京都板橋区で水道工事を行なっている桶川工業株式会社。地域密着で、水漏れ修理やトイレリフォーム、風呂リフォーム、キッチンリフォーム、空調工事などを手掛けている。

伝統ある企業だけに、営業も今までのお付き合いを主にした手法に頼ってきた。しかし、代表取締役に就任した西村匠氏は、「新しいお客様に出会わなければ先はない」と考え、Webプロモーションに着手した。

その際、ホームページ制作をイチから担当したのがブラニュー株式会社。施工会社のホームページ制作に特化した会社だ。

桶川工業がWebプロモーションに着手した経緯や、地域密着型の施工会社の課題、Web以外の事業戦略などについて、ブラニューのWebコンサルタント・佐々木萌が西村匠社長に聞いた。

公共工事に頼りすぎると、取り返しがつかない

桶川工業株式会社 西村匠 代表取締役

佐々木萌(ブラニュー)

今、桶川工業はどういう工事をしていますか?

西村匠社長(桶川工業)

柱は3つあって、1つは公共事業や新築のマンションの配管といった大規模な工事です。

2つめは営繕と呼んでいますが、いわゆる一般家庭の水漏れや配管の詰まりなどの小口の修繕。3つ目は営繕から派生した内装工事などのリフォームです。

佐々木萌(ブラニュー)

公共工事は多いですか?

西村匠社長(桶川工業)

売上比率では6対4ぐらいで公共事業が多いです。ただ、公共事業は1工事の金額は大きいですが、入札制で100%落札できるとは限りませんし、景気や政策によって変動します。

公共工事に頼り過ぎると減った時に取り返しがつきません。だから公共事業とは別に、継続してお客様から仕事をいただける小口修繕が今後のカギになると考えています。

佐々木萌(ブラニュー)

どのような流れで仕事を獲得していますか?

西村匠社長(桶川工業)

やはり昔からのお客様から連絡をいただくことが多いですよね。

それこそ私の祖父の代からのお付き合いというような。それはとてもありがたいことですが、逆に考えると今のうちに新しいお客様と出会わなければ先がありません。

創業は昭和19年とあって長年お付き合いのあるお客様が多い

佐々木萌(ブラニュー)

競合はどういう会社にですか?

西村匠社長(桶川工業)

今は家電量販店などでも「トイレ一式いくら」といった形で参入してきていて、値段勝負では絶対に勝てません。逆にこちらの強みは小回りの効くサービスですよね。

それから、ずっと地元に会社を構えて、お客様の工事のデータを残していますので、先々何かあった時にアフターフォローができます。大手にはない強みです。

佐々木萌(ブラニュー)

商圏は絞っているのですか?

西村匠社長(桶川工業)

そうです。移動時間がもったいないので。遠方だから値段を上げるわけにもいきませんし、効率を良くするために、なるべく絞って密度を濃くと考えています。ただ、勇気はいります。

今でも本当にこの方針でいいのかと悩む時がありますね。もっと遠方まで情報を撒いて仕事を取りに行ってもいいのではないかと。

しかし、やはり時間がもったいないので、商圏を広げるなら板橋区で独占状態になった場合に、同じやり方で別の地域に店を作るという形にしようと考えています。


要望を却下された、プロのホームページ制作

佐々木萌(ブラニュー)

Webプロモーションに着手する前から、ホームページはあったのですか?

西村匠社長(桶川工業)

前の社長が7、8年前に作ったものがあって、ずっと変わっていなかったんです。写真もなく社名と連絡先だけが載っているようなものでした。

社長になる以前、私は不動産会社に勤めていました。そこでホームページに力を入れて業績を伸ばすところを間近で見ていたので、この会社でも力を入れたいと思っていました。

今はみなさん会社を決める前にスマホでいろいろ調べますよね。その時にホームページの見栄えが良くないと選んでもらえません。そういう意味でもホームページの充実が欠かせない時代だと思っています。

倉庫の中。「工藤道場」と称した新人教育のための練習スペースも

佐々木萌(ブラニュー)

ブラニューにホームページ制作を依頼した経緯は?

西村匠社長(桶川工業)

ホームページに力を入れると言っても具体的にどうすればいいのかわからなかったところに、ブラニューの営業の方から電話があって、とても感じが良かったので、一度お会いしましょうという話になって、2回目ぐらいで正式にお願いすることに決めました。

佐々木萌(ブラニュー)

どこが良かったのでしょうか?

西村匠社長(桶川工業)

まず話をしていて、とても熱心さが伝わってきたことですね。この人なら自分の熱意にも応えていただけると思いました。

それから、レスポンスが早かったんですよね。質問したらすぐ返事が来る、イメージを伝えたらすぐ提案があるというように、ポンポンと気持ちの良いキャッチボールができましたね。

桶川工業株式会社のホームページ

佐々木萌(ブラニュー)

ホームページを制作する際の要望は?

西村匠社長(桶川工業)

まずはパッと見て爽やかなイメージを出したかったんです、いわゆる建設業なので、きつい・汚い・危険というイメージに見られがちです。

しかし、会社としてそうならない動きをしているので、ホームページでも3Kではないイメージにしたいと伝えました。そうしたら、こうしましょう、ああしましょうといろいろ提案していただいて。私も気持ち良くなって、サーファーなのでビッグウェーブの写真がいいとかいろいろ言いました。

佐々木萌(ブラニュー)

ビッグウェーブの写真は使っていないですね…。

西村匠社長(桶川工業)

そうなんです。その要望は却下されました。

『社長、ホームページ作る理由は会社を知ってもらうことと販促ですよね、波は関係ないですよね』と説き伏せられて。結局、右下に出てくるサーファーのイラストだけになりました。

西村社長の要望であるサーフィンは「TOPへ戻る」ボタンとして残された

佐々木萌(ブラニュー)

完成したサイトを見たときはいかがでしたか?

西村匠社長(桶川工業)

まるっきり変わったので、オッと驚きましたね。それから「ビッグウェーブはないほうがよかった」と思いました。「サーフショップじゃないんだから」という感じですね。

そのことで、ブラニューさんに対する信頼も増しましたね。クライアントだからと何でも言うことを聞くのではなく、好きなことを遠慮なく言っていても、きちんとプロの判断をしてもらえるとわかったので。周囲の反応も「爽やかだね」という声が多く、狙い通りで喜びました。

工場の空調工事とトイレ工事を受注

佐々木萌(ブラニュー)

ホームページ制作だけでなく、コンテンツマーケティングもブラニューに依頼した理由は?

西村匠社長(桶川工業)

作ったはいいけど更新せずに見てもらえないという例も知っているので、活用が大事だと思ってコンテンツマーケティングも依頼しました。自分も社員もプロではないですし。

月に1度の打ち合わせやメールなどで、佐々木さんが記事の内容や、載せるべき写真を提案してくれて助かっています。

「どんどんアップしていきますよ」と言ってくださるので、今は丸投げと言ったら失礼ですけど、依頼があった情報を送ると、いつの間にかいろいろできあがってくるという感覚です。

佐々木萌(ブラニュー)

現在は会社ブログとフェイスブックの更新がメインですね。

西村匠社長(桶川工業)

その契約なのに、施工写真の更新やインスタ(Instagram)の立ち上げなど、自分たちでは絶対やらないことを進めてもらっています。

こちらから何かお願いするという形ではなく、佐々木さんから積極的に「こういう記事はどうですか?」「こうしたらお客様にわかりやすいです」とどんどん提案してもらえるのがうれしいですね。

本当にコンサルティングですよね。データを分析して、どういう人がよく見ているのかを教えてくれますし。それから、どうしても自分の会社のことは客観的には観察できないので、佐々木さんに外から見て指摘してもらって気付くことがたくさんあります。

いや本当に、すごいところを突いてくるんですよね。自分じゃ全然思いつかなかったことばかりです。

桶川工業のブログは、自社の宣伝に留まらず、本当に読者の役に立つ情報という視点で制作されています。

佐々木萌(ブラニュー)

ホームページを公開して何か反響はありましたか?

西村匠社長(桶川工業)

よく行く近くの居酒屋などで「見たよ」とよく言われます。「マメに更新してるね」とか「あのトイレの写真面白かったよ」とか。

その流れで、この前、居酒屋で名刺交換した方が、工場移転の際の空調工事とトイレ工事を依頼してくださったんですよね。これもWeb効果とも言えますね。

佐々木萌(ブラニュー)

仕事に繋がって嬉しいです!

西村匠社長(桶川工業)

効果ももちろんですが、ブラニューさんには自分たちが気付かないことをどんどん提案してもらい、こちらからは専門的な内容を教えてと、お互いの良いところをミックスしてお客さんのためにいろいろやっていけたらいいなという方が強いですね。

当社の試行錯誤を一緒にやっているパートナーであるという感覚です。


一度敷居をまたぐと安心してくれる地域密着型戦略

佐々木萌(ブラニュー)

Web以外のプロモーションは何か行なっていますか?

西村匠社長(桶川工業)

3年前から「桶川工業メンバーズクラブ」という会員制度を始めました。板橋区限定ですが、年間3,000円で年に2回のエアコンフィルター清掃と、家中の蛇口を全部チェックして、少しでも漏れていたらパッキン交換したり、水漏れしそうなものをお伝えしたりしています。

これを始めたのは、お客様の立場になって考えた時に、人を自宅にあげるのって抵抗があるだろうなと思ったからなんです。私たちに仕事を頼むことは多分5年に1回ぐらいの頻度だと思います。その時に、メンバーズという形で何度かご自宅にお邪魔していれば、安心して任せていただけるはずだろうと。

佐々木萌(ブラニュー)

確かに一度家に入れた人とそうではないない人では大きく違いますね。

西村匠社長(桶川工業)

そうなんです。一度敷居をまたぐと皆さん安心していろいろ家の悩みを話してくださいます。

この辺りは古い一戸建ても多く、建て替えると建蔽率の問題で狭くなってしまいます。そこでリフォームが多いのですが、メンバーズで点検に行くと、水回りだけでなく壁紙や床を替えたいというお話をいただくこともあります。

佐々木萌(ブラニュー)

なるほど。他にチラシ配布などは?

西村匠社長(桶川工業)

チラシは見ないと思うので配っていませんね。その代わりに私が休みの日に運動がてらティッシュを配っています。

半径500メートルぐらいのお客様は必ず当社に電話が来るようにと考えているので、郵便局の「タウンプラス」というDMも行ないました。指定区域の全世帯に郵便局のハンコが押してあるハガキを配る販促商品です。シニアの方などはハガキを冷蔵庫に貼って取って置いてくださったりするので、効果はありますね。

郵便局の「タウンプラス」

佐々木萌(ブラニュー)

今後の課題は何でしょうか?

西村匠社長(桶川工業)

まず一番は地域の方々に、もっと当社を知ってもらいたいということ。そのために、なるべくお客さんの役に立つ情報を発信していきたいという思いがあります。

それから、見ていて楽しい記事も増やしたいですね。社屋に朝顔が咲いたとか、一般の方が見たことがないだろうトイレ交換の現場だとか、身近ながら見たことのないものを記事にしていけたらと考えています。

板橋区に住んでる方が「板橋区+水回り修理」などで検索して当社のページを見た時に、「この会社だったらいいかな」と思ってもらえるページやコンテンツを作り続けていくつもりです。

佐々木萌(ブラニュー)

Web以外ではいかがですか?

西村匠社長(桶川工業)

先日、ユーザーの方からもご要望があったのですが、何かキャンペーンを打ちたいと考えてます。以前、「パッキン交換30名様無料キャンペーン」を開催した時は結構効果がありました。次は何にしようかと考えています。

それから、サービスの横展開ですよね。どんどん高齢化が進んで、用事で家を出るのを面倒に感じる人が増えていると思うのです。たとえばスーパーで人気の宅配サービスのように、相続や不動産売買など、家のことは何でもやる、地域の何でも屋になって、いろいろ役に立てればと考えています。

佐々木萌(ブラニュー)

夢は広がりますね。

西村匠社長(桶川工業)

そうなんです。ただ、では具体的に何をしたらいいのかというアイデアがなかなか出てこないんですよ。まぁ、たぶんそのうち佐々木さんが提案してくれるんだろうなって思い込んでいるんですけど(笑)。

佐々木萌(ブラニュー)

はい(笑)。責任重大ですね、頑張ります!

西村匠社長(桶川工業)

今後とも頼りにしています。

ホームページで「脱・下請け」

建設中小企業に特化したブラニューのホームページ制作は初期費用0円です。ホームページによって「引き合い営業」を実現している施工会社の実例は、下記からご覧いただけます。

ホームページ制作実例はこちら ⇒ https://sekonokamisama.eat.auto/

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