保育園工事を受注した建設企業の破綻劇
東京都葛飾区の保育所が工事を請負っていた建設企業の経営破綻により、開園できなくなった事態が波紋を呼んでいる。しかも驚くべきことは、工事が一向に進まず、破綻時点での進捗率は葛飾区によると約20%という点だ。
全国的にも一戸建て住宅を請負う地元工務店の倒産は少なくないが、公共的な工事を受注した建設企業の破綻は、最近では珍しい。そこで、経営悪化の建設企業をどう見抜くべきかを取材したところ、アベノミクスで沸く建設業界には大きな死角があることがわかった。
「10年後、小規模の建設会社や工務店を中心とした大淘汰の時代が到来する可能性がある」と予測するのが、帝国データバンク東京支社情報部副課長の阿部成伸氏だ。
今回の事案や今後の建設業界について、倒産取材と分析のプロである阿部氏が解説する。