建設現場での建設機械の変更
どこの建設現場でもよくあると思うのですが、入れた機械で思ったよりも仕事がはかどらない場合があります。
その時に「機械を入れ替えよう!」って安易に思うんですが、実はこれ、そう簡単な話ではないんです。
うちでもよくあります。
アンカー削孔で定着部があまりにも硬く、定着部最後の1mで1時間近く削孔に時間が掛かる場合、もっとパワーが強力な上の機種を持っていきたくなります。
しかし、上の機種になると重量が増します。
大体ロータリーパーカッションの重量は、0.5tクラス、1.5tクラス、2.5tクラスのような感じになります。
うちの場合、20m以下の山であれば大体の場合、1.5tクラスを持っていくことが多いのですが、やはり2.5tクラスよりもパワーが劣ります。特にハンマーが。
なので、どうしても削孔に時間が掛かるわけです。
削孔に時間が掛かっても機械を変更できない理由
そう簡単に削孔の機械を変えられない理由としては、以下の理由が挙げられます。
- 足場の場合安定計算をやり直す必要性
- 足場の組換え(補強)
- 10mを超える場合は労働基準監督署への届出(組立期間30日前までに届出)
- 施工計画書の差し替え
- 施工手順書の差し替え
- 機械設置位置拡大の場合は施工範囲変更
最初に入れた建設機械で大体なんとかなる
吹付機の場合も同様で、小型吹付機から通常吹付機に変更する場合などがあります。
明らかに吹付量が違いますが、狭小の場合もあります。そんな時の機械選定は非常に難しいです。
その理由には、
- 施工に掛かる機械設置位置の拡大・縮小に伴う説明等
- 施工計画書の差し替え
- 施工手順書の差し替え
などがあります。
上記のように書き出しましたが、実際はここまで出していないことのほうが多いのが事実です。施工管理者がこのような書類を集めている間に、施工が終わってしまう可能性も十分あります。
機械を変更したとしてもさほど変わらないのであれば、そのまま施工したほうが良い場合がほとんどです。
職人が少しでも楽なほうを選ぶのは大事なことですが、その裏で途方も無い書類を作っている現場監督がいるんですよね(笑)
ただ、少しでも進む方を提案し打ち合わせして試してみるのも、現場では大事なことです。
全てがダメだということではなく、現状で工夫することも大事です。(現状で工夫する職人はデキる職人!)
ただし、コレがゼネコンの現場となると話は変わります。
ゼネコン現場の場合は、特に先に打ち合わせして実行しないと、作業手順書と違うことを指摘され面倒になります(笑)
完璧にやらなければ認めてもらえません。
やはり、事故があってからは遅いので、当たり前の話ではありますが。
しかし、経験的には最初に入れた機械で大体なんとかなることのほうが非常に多いです(職人が現場になれて対応できるようになるため)。
※この記事は「新エンタの法面管理塾」の記事を一部編集して掲載したものです。