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安藤ハザマの土木技術者3名が語る「シールド工事の醍醐味」とは?

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大石 恭正
公開日:2019.02.27 / 最終更新日:2019.06.26
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安藤ハザマ 高尾川シールド作業所技術者の面々。左から荒東伸一所長(現場代理人・監理技術者)、永末杏子さん、佐藤明彦前所長

目次
  1. 安藤ハザマが手掛ける高難度の地下河川築造シールド工事
  2. 安藤ハザマに入社。本当は大林組に就職したかった?
  3. 安藤ハザマに入社23年目、トンネル貫通の瞬間が醍醐味
  4. 100m掘るのに半年「この工事終わるんやろか?」
  5. 安藤ハザマの転勤事情
  6. 安藤ハザマは良いモノをつくって当たり前
  7. 体力的にはムリしない、能力的には精一杯やる
  8. 安藤ハザマの同期、新人研修
  9. 「マニュアル化できない」シールド工事の難しさ
  10. シールド工事には砂遊びに似た感動がある

安藤ハザマが手掛ける高難度の地下河川築造シールド工事

福岡県筑紫野市を流れる高尾川では、豪雨による床上浸水対策として、地下河川築造シールド工事が進められている。この工事は、高尾川の上下流の高低差を利用し、地下約9m、内径5mの地下河川を築造するもの。川幅に沿って施工するため、急曲線部は27箇所に上る難しい現場だ。

受注したのは、安藤ハザマ・大豊建設・環境施設のJV。高い施工管理能力が必要なシールド工事に求められるスキル、やりがいとは何だろうか?トンネル工事の難しさと醍醐味、安藤ハザマで働く魅力とは何だろうか?

高難度のシールド工事に挑む安藤ハザマの土木技術者3名(47年目の超ベテラン、23年目のベテラン、4年目の若手)に話を聞いてきた。

安藤ハザマに入社。本当は大林組に就職したかった?

――土木の世界に入ったきっかけは?

荒東 大学で土木を学んだのですが、ちょうど大学の進路を考える頃に、瀬戸大橋の架橋工事が行われていました。それで「土木の世界で仕事をしたい」と考えました。実際のところ、安藤ハザマでは、橋の工事は少ないのですが(笑)。

――「橋をやりたい」がきっかけ?

荒東 最初はそうでした(笑)。橋をやるにあたって、公務員かコンサルタントかゼネコンかの3択があったのですが、「最終的にものをつくるところで仕事がしたい」と考え、ゼネコンを選びました。

社歴23年の荒東所長

佐藤 わたしは工業高校の土木科に進学したのがきっかけです。当時は、工業高校から大手ゼネコンに入社できた時代でした。最初は大林組に就職したいと考えていましたが、同級生の希望者が多かったので、仕方なく、間組(当時)に入社しました(笑)。

社歴47年の佐藤さん

永末 わたしは大学では土木科にいたのですが、タイに留学する機会がありました。タイは道路の構造上交通渋滞がひどく、インフラが未整備のところもたくさん残っていました。日本の生活で目にしていたインフラは、当たり前のものではなくて、イチからつくってきたんだということを初めて実感しました。大学を卒業したら、「土木の仕事しよう」と決心しました。

社歴4年の永末さん

土木の仕事は計画・設計・施工に大別できますが、なにかを計画・設計するにしても、実際にものをつくる現場がわからないと、良いものはつくれないと思って、ゼネコンを選びました。実際に、この現場に赴任する前に設計部に所属していて、この現場の検討業務も行っていました。

安藤ハザマに入社23年目、トンネル貫通の瞬間が醍醐味

――入社してからどのような仕事をしてきましたか?

荒東 今年で入社23年目になります。実家は近畿です。入社後の3年間は、四国の山間部の道路トンネル工事の現場に携わりました。発破掘削でトンネルを掘削していったわけですが、到達場所が谷間で、周りには家も何もない場所だったので、発破で貫通させました。普通は、最後は機械掘りなんですけど。貫通して、外の光が坑内に射しこんだ瞬間は感激しました。「穴掘り」の醍醐味を味わいました。

その後、大阪支店に戻ってからは、ほぼすべてシールド工事の現場です。関西電力さんの送電用のトンネル工事や国交省の共同溝工事、京都市や名古屋市の雨水幹線工事のほか、神戸市の大容量送水管工事などを担当しました。

大阪支店が長く、途中3年ほど名古屋支店にいて、昨年1月から、今の現場の高尾川地下河川築造工事のため、九州支店に来ました。九州は初めてです。

高尾川地下河川築造工事で発進したシールドマシン

――最初に現場監督したのは?

荒東 名古屋市の雨水幹線工事の現場ですね。入社8年目、33歳の頃です。初めて監理技術者と現場代理人を任されました。延長は1km程度、仕上がり口径約4mの工事でした。

――佐藤さんは?

佐藤 入社したのは1972年です。最初の配属先は九州支店で、現場は北九州市八幡西区にある山陽新幹線のトンネル工事の現場でした。実家から車で10分ほどの現場だったので、「良いところに来たなあ」と思っていたのですが、3か月間で東京土木支店に転勤になりました。最初の現場はただ見ていただけでしたね(笑)。

東京には6年ほどいて、鉄道工事、下水道工事などに携わりました。その後、再び九州支店に戻り、鉄道、造成、マリコン、シールド工事などをやりました。1990年以降、シールド工事の現場を中心にやってきました。初めて現場監督をしたのは、30年前、35歳のとき。熊本県大津町の小さな下水道の推進工事の現場でした。

私は現在65歳で、定年退職後、再雇用で現場所長を任されることもありましたが、今は専門職として、現場のサポートをする立場で、現場に出ています。

高尾川地下河川築造工事の防音ハウス

――永末さんはいかがですか?

永末 入社して4年目です。最初の配属先は関東土木支店でした。最初の現場は、川崎市の長沢浄水場再構築事業の一環で行われた浄水場更新工事でした。私が入ったときは工事は終わりかけで、外構などの最後の仕上げの部分に携わりました。

3年目からは、本社の方でシールド部門の設計に異動し、設計照査や解析などを行なっていました。今年4月から高尾川地下河川築造工事の現場にいます。

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