施工管理技士の年収ベースが高騰中
施工管理者の転職が流行っているようです。
とくに、施工管理経験者というよりは、1級・2級の資格を持っている方の人気がかなり高まっているようですね。
まぁ、そりゃそうだろうと思います。資格がなければ大手は特に受注できませんからね。
我々下請けの場合は、最低ラインで10年以上の実務経験で仕事は取れますが、元請けはそういうわけにはいきません。3500万円以上の請負工事であれば、監理技術者の専任が必須です。
この人手不足の中で、職人の不足が言われていますが、実はもっと少ないのが現場監督なんです。
現場監督は、1現場を計画から検査まで行います。職人は1工種だけの仕事ですから、ある意味楽なんです(こんな感じで書くと、現場監督を理解していない職人には怒られそうですが(笑))。
現場監督は1年やそこらではなれないので、やはり実績は非常に重要です。
その現場監督の年収ベースが高騰中のようです。
40代〜50代の現場監督で実績が10年以上あれば年収で700〜800万はあるそうです。全部大手ですけどね(笑)。
大手は高給。でも、激務
私も現場監督ですから、現場監督の激務を知っている限り、そのくらいは妥当だと思います。
しかし、大手は激務だから高いんです。当然です。
とてつもない社内書類。社内書類のための書類を作る必要があります。
それに、ベテラン事務員に小言を言われながらの社内書類。ほんと嫌になりますよね(笑)。社内書類が揃わないからと事務員にブツクサ言われ、ストレス溜まるわけです。
事務って社内書類の補助は入っていないのか?って思うくらいですよね(笑)。事務員が分からない部分もあるでしょうけどね。昔そんな思いをしました。
そういうことが我慢できる方なら、大手に行ったほうが絶対いいです。給料が高いのであきらめがつきます。
しかも、大手にいるとモノ凄い量の人と関わる事ができます。イロイロな人と出会うって事は人としての成長はとてつもないんですよね。
人は人で磨かれるって言うくらいですから! 磨かれ過ぎて、デカい現場の所長のように偏屈が出来上がる場合もありますけど(笑)。
また、大手に行くと、専門工種や付帯工事なども一式まとめて理解できて、管理できるようになれます。ある程度の工種を知る事が出来ますし、安全管理なんてトップクラスで覚える事が出来ます。
私もスーパーゼネコンなどのダム現場などでよく鍛えられました(毎日指摘されて嫌になったけど(笑))。日本のトップレベルの施工管理を覚える事が出来ます。ただ、まぁ激務です。
大手にいたらスキルと引換に何を失うか?
逆にそんな仕事はもう嫌だ。激務よりもじっくり家族中心で仕事したい、って方は地元をお勧めします。
会社はその人個人を救ってはくれません。自分のことは自分で守る。これは生きていく上で基本的なことです。
大手にいたらスキルと引換に何を失うか? 人それぞれでしょうが、よく考えてみてください。
地元の良さはゆるさですね。社内書類は少ないと思います。施工管理は以前と変わらず行えば良いですし、しかもそれほど大きな現場はありません。
ただ、3000万前後が主になるか、もう少し金額が下がるので、仕事としてのヤリガイは下がる可能性があります。しかし、ヤリガイは自分で見つけるものですからね。
そして、1番良いところは家族中心で仕事出来るところですね。
大手でデカい現場に入ってしまうとなかなか融通も効きませんが、地元企業だと子どもの送り迎えや家庭訪問、授業参観などもある程度段取り出来るはずです。地元企業の良いところですよね。
そのかわり、給料が若干減ります。10年以上の実務経験のある現場監督で500〜650万円くらいだと思います。
どんな生活を選ぶのか? それは皆さん次第ですが、意外と地元業者にそういった元ゼネコン社員はたくさんいます。大体が体を壊したとか、子どもがいるから嫁さんがキレだした(笑)といった話をよく聞きます。
ただし、大手のように施工に関しては全て下請がやってくれるようなお膳立ての現場なんて1個もありません。施工計画から始まって施工の段取り、施工管理、検査まで一貫して行うのが地元業者です。しかも、それをいくつかまとめて面倒を見る必要もありますから、それはそれで大変かも知れません。
しかし、明らかに大手よりは楽です。場合によっては、グリーンファイル(安全関係資料)だけ出せば始まる下請仕事も多いのです。
どちらも一長一短ですが、仕事的には大変だけど楽しめるほうを選んだほうがイイと思います。
仕事は人生の長い時間を占めますから。少しでも楽に、少しでも楽しく行きましょう!
※この記事は『新エンタの法面管理塾』の記事を再編集したものです。