仕事がつらい、辞めたい…。悩める若手施工管理者よ、失敗を恥じるな!

全国のどこかの現場では今日も新人が色々な失敗をして、上司から怒られていることだろう。

失敗をすると、会社から使えないやつだとレッテルを貼られたり、職人からの信頼がなくなるなど、色々なネガティブな情報が出回っている。

「仕事がつらい」「仕事を辞めたい」そう考えてしまうかもしれない。しかし、数々の失敗をしてきた私が言えることは、間違いなく失敗は財産になるということだ。

“失敗を喜ぶこと”ができるかどうかは、施工管理としてのキャリアにおいて、自分を成長させる大きな鍵になる。

今日は、私がやってしまった大失態と、そこから学んだことを書いていこうと思う。

初めて任された現場所長

私が初めて現場所長を任されたのは、30歳の時だった。

工事は河川工事で、護岸工事。すべてが初めての経験で、実行予算を組んで、実際に工事がスタートした。

当時、実行予算を組んだもののチェックされることもなく、上層部に「これでやれるんだな?」と一言だけ言われて、根拠もなく私は「やります」と答えたのを覚えている。

結論から言うと、大赤字だった。

私が計上していた労務単価が大幅に工事の際に違ってきたうえに、仮設部分で思っていたよりも出費がかさんだ挙句、私の段取りミスで材料がストップし、予定していた工期よりも大幅に遅れてしまったのだ。

結果、経費がかさみ、結局利益が残るどころか持ち出しになり、大赤字になってしまった。

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謝罪の際に言われた言葉

この時、私はかなり落ち込んだ。自分がここまでダメ人間だったこと、赤字を出してしまったことに落胆した。

なんとか工事が終了し、本社に出向いて、上層部に頭を下げた。

「この度は本当に申し訳ありませんでした」



何を言われても受け入れる覚悟で頭を下げた。しかし、上層部から返ってきた言葉は意外なものだった。

「赤字になることは分かっていたし、他の現場でカバーしているから問題ない。ただ、今回の自分の実行予算をもう一度見直して、何が問題だったかをしっかりと理解しろ」

自分のミスを振り返る

私は言われた通り、自分の実行予算や工事の進め方などを振り返ってみた。すると、課題が次々と見えてきた。

私の組んだ実行予算の労務費が全く工事の工程に反映されていない。施工単価表では1日100m2施工になっている工種も、工程表を逆算してみると日数があっていないところが数多く出てきた。

さらには、工程を組む段階で職人との打ち合わせを入念にしていなかったため、工事の施工順序が自分の考えと違っていたことが原因で、材料の搬入時期がずれ込んだことなど、次々と問題点が浮かんできた。

工事前までは全く頭で理解できていなかったことが、失敗をしたことで、自分が何をすれば良かったのかより具体的に分かるようになっていることに気づいた。

若手技術者よ、失敗を恥じるな

建設業だけでなく、どんな仕事にも責任は伴う。失敗をすれば、その責任が自分に降りかかってくる。

時には、私のように大勢の前で赤っ恥をかくこともあるだろう。しかし、失敗の大きさが大きければ大きいほど、自分の成長に繋がっていることを理解してほしい。

怒られたくないとか、自分のプライドを傷つけたくない気持ちもよく分かる。だが、その考えは捨てるべきだ。

失敗をした時はもちろん反省は必要だが、失敗をしたことを喜ぶことができるくらいのメンタルを身につけることができれば、成長のスピードは格段に上がるだろう。

重要なのは失敗をした後だ。自分がどういう理由で失敗をしたのか?をしっかりと理解すれば、次の工事では予防・対策ができる。

その知識を持っている数が多ければ多いほど、緊急事態が起きた時でも慌てずに対処することができる。私も過去に現場で大赤字を経験したことで、いい意味で怖いものがなくなった。

誰も失敗しようとして失敗するわけではない。できれば失敗をしない人生を歩みたいものだが、失敗しないということは、何にもチャレンジできていない証拠だと思う。

この業界だけでなく、他の業界でも業種でもそうだと思うが、チャレンジする中で新しいスキルが身に付いていくのではないだろうか。

もし仮に、新人の方で一度も仕事で失敗をしたことがないという方がいるのならば、逆に危機感を持ったほうが良い。失敗は恥ずかしいことではない。

また、建設業で働く諸先輩方で大失態の経験がある方は、ぜひコメント欄で教えていただけると、若手のみならず私の励みにもなるので、どしどしコメントお待ちしています(笑)。

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