輪切りかみ合わせ工法とは、清水建設によって開発された輪切り鋼板(高さ800mm)によるRC橋脚補強工法のことで、原理的には、工場製作による凹凸のある機械式継手により鋼板同士(厚さ6mm;30~40kg/パーツ)を接合し、RC橋脚部との隙間に速硬軽量無収縮グラウトを分割打設/高速化することで、支保工不要で品質確保/向上に寄与するものである。尚、一般に分割打設においては下層の硬化までは次層が打設できないとされるが、速硬軽量無収縮グラウト(太平洋マテリアルとの共同開発)の開発によって、硬化時間の大幅短縮と従来型と同程度の圧縮強度の確保が可能とされた。ちなみに、輪切りかみ合わせ工法は主に重機搬入/支保工が困難な狭隘地や工期が厳しい場合などに適用されるが、冬季などのニーズに応じて硬化促進剤/遅延剤の配合調整がなされ、軽量無収縮グラウト/速硬軽量無収縮グラウトのラインナップ(常温用/低温用)が用意されており、今後は建築分野への適用も期待される。