現場代理人が「職人にナメられない」ための3つの予防方法

現場代理人がなめられる3つの理由

現場代理人はなめられてはいけません。社長の代理として現場に常駐するのですから、現場代理人がなめられるということは、会社がなめられることと同じです。

現場代理人がなめられる主な理由としては、以下の3つがあります。

  • 現場を知らない
  • 責任を取ろうとしない
  • 言いたいことを言わない

なめられやすい3パターンの現場代理人について、私の体験談を交えつつ紹介します。くれぐれも、こんな現場代理人にならないようにご注意ください。


現場を知らない現場代理人とは?

現場を知らない現場代理人からの指示は、的外れになる可能性が高いため、一度「現場を知らない現場代理人」だと思われると、この人の言うことを聞くのは危ないという感覚になります。そうなると、職人も指示を聞いてくれなくなり、現場はまとまらなくなります。

私も昔、現場担当をしていた化学プラントの定期修理工事で、失敗したことがあります。

ある日、私は職人と一緒に配管を解体していました。屋外の架構上に配管だらけの現場で、職人さんに「ここ、ボルト外してええかー?」と聞かれた私は「オッケーっす!」と即答し、ボルトを外してもらいました。その直後、「ドスンッ!」という大きな音。ボルトが外れて支えを失った配管が、数十センチ落下したのです。

幸い、ケガもなく物損もなかったので、ほっとして、「たまにはこんなこともあるさ」と思った後日、職人から「あの時から、お前の言うこと聞いたら危ないと思った。もう一緒に仕事したくないわ」と言われてしまいました。

それ以降、私は猛省し、しっかり現場を見て、現場を知ることを意識しようとしました。

現場を知らない現場代理人の指示など、誰も聞いてはくれません。

責任を取ろうとしない現場代理人とは?

新人や若手の技術者だと責任を取るのは難しい面もあると思います。失敗しても「会社のフォローがない」と嘆きたくなることもあるでしょう。

しかし、自分で責任を取ろうとせず、「会社が悪い」「上司が悪い」とぼやいてしまうと、「あいつは自分の考えを持っていない。あいつに聞いても無駄だ」と周囲に思われてしまうのです。これは現場代理人に限ったことではありません。

私が新人の時、上司の指示に従って化学プラント内の現場に行きました。現場責任者に「今日来ることは聞いていない。帰れ!」と言われたので、「上司に言われたんですけど……」と言った瞬間です。

胸ぐらを掴まれて、「お前は何考えて生きとんじゃ!!」と一喝。

当時は「なんて、理不尽な……」と思いました。しかし後になって、自分の人生に責任を持ちたい、と思うようになった時、初めてこの言葉を理解できたのです。

だれかに言われたから、という理由だけで物事を決める人は、人生にも現場にも責任を持っているとは言えません。

社長の責任を代行している現場代理人がそのような態度では、とても責任者と呼べないのも仕方ないですね。

言いたいことを言わない現場代理人とは?

おとなしい性格の現場代理人は、現場でなめられやすいです。「あいつには多少無理をいっても怒らないから、好き放題言ってやろう」と考える人がいます。性格を変えることは急には難しいですが、言われっぱなしにならないような意識をもたなければなりません。

例えば、職人が配管加工をしていて、「あれ?なんか違うような気がする。けど、ベテランがやってるから大丈夫だろう」と信用して何も言わず、結局、後から間違っていたことが分かったとします。そんな場合、「間違ったことしとったら言えよ!」と、間違いなく言われるでしょう。

言葉の責任といいますが、「言わない責任」も問われるのが施工管理の仕事です。請負体制の関係上、現場代理人から直接職人に指示することは、厳密にいえば不適切となるかもしれません。ですが、「ちょっとおかしくないかな?職長に確認してみてもらえる?」程度の言い方であれば問題ないでしょう。

言うべきことを遠慮せずに言うことは現場代理人の仕事です。


 現場代理人がなめられないための3つの予防法

それでは、今日からできる、現場代理人がなめられないための予防法を3つ紹介します。

現場代理人がなめられないためには、次の3つが有効です。

  • 現場のことを知ろうとする
  • 声掛け、コミュニケーションを行う
  • 小さな改善を自分の手で行う

上記を意識的に実施すれば、素敵な現場代理人になれるはずです!

現場のことを知ろうとする現場代理人

現場のことをよく知ること、知ろうとすることで、頼りにされるようになり指示もしっかり聞いてもらいやすくなります。

もちろん、仕事をはじめたばかりの頃は難しいでしょう。しかし、現場のことを知ろうという熱意を持っていれば、「あいつは頑張っているから協力してやろう」と思われるようになります。

私が転職したばかりの頃、いきなり新規設備建設工事の現場所長に任命され、全く経験のない工種も理解しなければなりませんでした。配管工事しか担当したことがなかったにも関わらず、基礎工事から建築工事の現場管理もすることになったのです。

当然、多方面に迷惑をかけたことと思います。ですが、なんとか工事を完成させたい、力になりたいと思い、あれこれききながらやりました。

そうしていると、「今日はこの辺を掘削するから。次はこっちに流れていく。で、砕石敷き終わったらその日に捨てコン入れるから。高さ見といて」など、まさに手とり足とり。指導する立場でありながら指導されるという、なんとも情けないことですが勉強させていただきました。

そのおかげで、次の工事の時には少しは的確な指示を出せるようになり、工事が終わった時、「やりやすかった。ありがとうございます」と言ってもらえたのです。

現場を知ろう、と意識していなければ、このような自分自身の成長もなかったことでしょう。

声掛け、コミュニケーションを行う現場代理人

また、ちょっとしたタイミングで声をかけることも大切です。人は「気にしてもらえている」と思うと、やる気になるものです。

「調子はどうですか?」「何か足りないものとか困っていることはないですか?」そんな声掛けからやっていきましょう。普段から声掛けしていると、何かあったら相談してみよう、と思われるようになります。

ある時、通路上の溝を養生するために足場板を固定している鳶がいました。

「あっ、気付いて処置してくれてありがとうございます」と声掛けすると、「俺ぁそうやって、誰かに気付いてもらって評価されるために仕事してるところがあるんだ。何も言われなかったら、そのうちふててたよ」と。

それ以降、現場で顔を見た時に、「ここの足場をこんなふうにしようと思うんだけど大丈夫かな」といったような情報をくれたり、相談してくれたり、よくしてくれるようになりました。

小さな改善を自分の手で行う現場代理人

割れ窓理論というのがあります。割れた窓が放置されていると、「誰も見ていない」という意識が広がって、ルール違反などが多くなっていくという理論です。

現場においても、汚かったり散らかっていたりすると、現場で働く人の心も荒んできます。心が荒むことで、協力しようという気持ちが失われてしまうのです。

小さなこと、タバコの吸い殻を片付けるとか、トイレを綺麗に保つとか、現場の掃除をできる範囲で自分の手でやりましょう。現場代理人が自らやっている姿をみると、「お、意外と頑張ってるじゃん」と思ってくれます。

「いーよなぁ監督は。見てるだけで現場が進むんだもん」という人がいますが、そんな人でも、現場代理人がごみを拾ったり、歪んだバリケードを直したりしている姿を見ると、自然と片付けや掃除をするようになるものです。

言葉ではなく、態度で示す、ということも現場代理人は大切です。

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下請け監督から転職を経て、プラント建設工事の現場所長に。石油化学プラントのメンテナンス経験あり。現在は主に食品設備や化成品設備の建設工事に携わる。溶接施工管理技術者1級、2級管工事施工管理技士。 模範とする言葉は、「人生の醍醐味を味わうには、己の能力の限界に挑戦すること」(ロバート・ブラウニング)
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