建設現場に不可欠な建設機械メーカー「コマツ vs キャタピラー」
建設現場に不可欠な機械メーカーと言えば、キャタピラーとコマツの2社を挙げる建設技術者・技能者が多いのではないでしょうか?
説明不要でしょうが、キャタピラーはアメリカに本拠地を置く、世界を代表する重機メーカー。油圧ショベルや、ブルドーザなど建設重機に力を入れており、世界シェアナンバーワンを誇る、言わずと知れた大企業です。
一方、コマツはキャタに打って変わって、東京に本拠地を置くメイド・イン・ジャパンの大手重機メーカー。コマツの建設機械は、日本でシェア・ナンバーワンを誇ります。日本以外の国にも進出しており、アメリカやヨーロッパなどでも知名度は高く、ICT建機などで今後さらに成長すると言われている注目の重機メーカーです。
世界中の建設現場で比較されるコマツとキャタピラー
キャタピラーとコマツの建設機械については、日本の建設現場だけでなく、世界中の建設会社がよく比較しています。
例えば、キャタピラーとコマツのブルドーザが土を押しながら走る「対決動画」がユーチューブにアップされており、その結果について世界中からコメントが寄せられているのをみても、両社への注目度の高さが伺えます。
では、キャタピラーとコマツの建設機械は、現場目線ではどちらが勝っているのでしょうか?
「コマツとキャタピラー、どっちが好き?」というアンケートを実施し、この記事で白黒をハッキリつけたいと思います(言い過ぎ?)。
キャタピラーの建設機械の特徴
よく、こんな話を聞きます。キャタピラーの建設機械は、とにかくパワーが強く、足回りもしっかりしていて早い!
それもそのはず、キャタピラー社の製品は、アメリカを代表する戦車にも影響を与えたほどです。初期の戦車は、当時のキャタピラー社の代表的な製品である無限軌道トラクターを改良したものだといいます。戦闘用の車両にも影響を及ぼすくらいのパワーがキャタピラーの建設機械にはある、という事実が、建設機械に乗る業界人もうならせるパワーなのでしょう。
建設現場で機械のパワーは必要不可欠です。また、世界の建設業では、とにかくスピードを重視する傾向も強いため、アメリカのみならず、売り上げの半分以上は、アメリカ国外という事実もあります。
日本では、元は三菱株式会社のベンチャー企業として誕生し、現在はキャタピラージャパンとして日本でも人気を誇っています。
とにかく作業性を考えて作られた建設機械、というのがキャタの特徴でしょう。あのロゴマークもかっこいいですよね。
コマツの建設機械の特徴
コマツの建設機械で好評なのは、「操作性」というのが専らの現場の声です。コマツの建設機械は、キャタピラーに比べて操作が非常にしやすいように作られており、機械を使った細かい繊細な動きも可能にしています。
日本人は古くから繊細な技が世界から評価されているモノづくり大国です。そんな日本人のハートを強く掴んだのが、このコマツの操作性能でしょう。だからこそ、日本でトップシェア率を誇っているのだと思います。
そして、コマツの凄さはICT建機だと私は思っています。ICTとは情報通信技術のこと。今の建設現場では自動化が進んでおり、コマツはその自動化や無人化を実現するために次々に市場に新しい製品を投入してきています。
例を出すと、無人ダンプトラック運行システムである「AHS」というシステムがあります。AHSとは、道路と車が連結で情報を取り合い、様々な信号を送ることで交通事故を防ぐことを目的とした次世代のテクノロジーです。
こういった最先端技術をサービスや建設機械に取り入れてくるところが、コマツの凄さと言えると思います。実際、国土交通省が実施しているICT土工の講座でも、ほとんどコマツの建設機械が使われています。
コマツとキャタピラーのバックホーを操作した私の感想
私自身、現場でバックホーなど両メーカーの建設機械に乗って作業したことがありますが、まずキャタピラーのバックホーの感触は、足回りがしっかりしていて、とにかくタフだと感じました。
少しくらいの山道なら難なく上っていきます。そしてキャタピラーのバックホーで最も魅力的に感じたのは、重量のあるものを吊ったときに、普段あまりバックホーの乗らない私でも分かるほど、コマツの建設機械とは力の差があると感じました。また少々の重いものでも、吊り上げたまま走行することも可能です。
一方、コマツのバックホーは何といっても、操縦のしやすさが一番印象的です。あまりバックホーの操作が得意でない人も、あの操作性能ならば簡単に乗れると思います。パワーはキャタピラーのバックホーに比べて落ちますが、油圧による機械の揺れが少なく、コマツのバックホーは乗り心地が抜群に良いです。
私の率直な感想は、パワーのキャタピラー、安定性のコマツという印象です。
コマツとキャタピラーの対決の行方は?
現在、日本のシェア数でいえば、コマツが抜きんでているのが事実です。しかし、キャタピラーの建設機械も本当に素晴らしく、数々の世界的な出来事や開発に革命を与えている、いわば建設機械の礎のような存在です。
裏を返せば、キャタピラーのダイナミックでパワフルな重機と真っ向から対決しても勝負にならないと分かっていたからこそ、コマツは日本人向けの建設機械を開発し、先手を打って最先端のICT技術を貪欲に取り入れたサービスを提供したのかもしれません。
よく比較されるコマツとキャタピラーの両メーカーですが、両社とも今の建設現場にはいなくてはならない存在であることは確かです。仮にどちらかの製品が、建設現場に流通しなくなったら確実に業界全体が困ります。それだけコマツとキャタピラーの建設現場における存在は大きいということです。
日本の市場だけで見れば、コマツの勢いはすごいですが、キャタピラーの建機も、日本で十分に素晴らしい品質を証明しています。一概にどちらが凄いというのは非常にむずかしいですが、しいて言うなら、キャタピラーが全く新しいICT技術を取り入れてきたら、日本でもシェア率トップを勝ち取る日が来るかもしれません。
キャタピラーの追い上げをひそかに期待しているのは、私だけでしょうか?
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