40年以上のノウハウを積み上げたミズノのワークウェア
1906年創業の大手スポーツ用品メーカー ミズノ株式会社は、あまり知られていないが40年以上も前から企業のユニフォームを企画・生産している会社でもある。一例をあげれば、佐川急便スタッフが着る青白ボーダーのポロシャツはミズノ製だ。
そのほかにも約500社へ多様なウエアを提供してきた同社は、2018年にワークアパレル事業を一層本格化。スポーツで培った知見とノウハウを活かして、快適かつ作業のしやすいアパレル製品を上市している。
今回、取材したのはAIRY JACKET(エアリージャケット)。電動ファンを装着する作業ジャケットだ。ミズノは2018年に同ジャンルの製品を市場投入し、約1万着を販売しているが、2019年モデルはさらに大きな進化を遂げているという。
旧モデルからの進化をワークビジネス事業部の香山信哉次長と外処一記さんが説明してくれた。
ラグビージャージと同じ素材を採用
――旧モデルから何が変わった?
香山信哉 2018年モデルの素材はポリエステルと綿の混合でした。市場に多く出回っている作業着と同等のスペックです。
2019年モデルはここから見直しました。スポーツ用品メーカーならではの機能性とデザイン性を素材レベルから追求しようと考えたんです。また、荷物を担ぐ作業で擦れて「1シーズンで穴が開く・破れる」という現場の声を参考にして、生地の強度アップを図りました。
具体的にはラグビー練習用ジャージなどに使うタフブレーカー素材を採用しました。これによって耐摩耗性と引っ張り強度が飛躍的に高まっています。
――デザイン面では?
香山 初代のベーシックな作業服テイストからよりスポーティーな方向へシフトしました。トレーニングウエアで定評のあるアシンメトリーの切り替えデザインを採用し、カラーバリエーションも増やしました。グレー系・ネイビー系・バイカラー(2種)の計4モデルを展開し、デザイン性のきわめて高いジャケットが出来たと自負しています。
最新機能とデザイン性を備えたミズノのエアリージャケット / ミズノ
そして、ウエア設計にDynamotion Fit(ダイナモ―ションフィット)を採用しています。これはコンピュータグラフィックス解析と解剖学などをもとに動きやすさを追求した、ミズノ独自のノウハウです。
今回は、まず動きの大きい肩甲骨周りを立体的にパターン設計することで、ツッパリ感を軽減し、腕回りの可動域を広く取りました。また首周り部分を身体と離れる設計にして、空気の流れをコントロールし、ファンから流れてくる冷たい空気を身体の前後にバランス良く放出します。
発汗の多い背中上部・胸・脇の汗を効果的に気化させることで涼感をもたらし、またウエアが過度に膨らまないことも特徴です。
土木建設現場で働く皆さんへのモニター調査でも、「とても涼しい。そして必要以上にウエアが膨らまないので手や体を動かしやすい」「数時間ごとの下着交換が不要になった」と好評です。
「もう手放せない」という嬉しい反響もたくさんいただいています。ちなみにファンとバッテリーは株式会社サンエス社製を採用しています。
ワークウエアは労働環境の一部である
──ワークウエアのコンセプトは?
外処一記 ミズノでは『ワークウエアは「作業服」から「労働環境」へ』というスローガンを掲げて、製品を企画・生産しています。従来の「汚れてもいい頑丈な服」というイメージをガラッと変えて、ベストパフォーマンスを発揮するための「機能服」と「労働環境の一部」をつくりたいと考えているのです。
ですから、エアリージャケットのみならず通気性・放熱性に優れたインナーなども開発したり、ベルト・手袋をはじめとした小物類もつくっています。ミズノ製品をフルに使っていただくことで現場の作業性が高まり、働く人の負担も減る。それが私たちの目標です。
ワークビジネス事業部の外処一記さん
また製品開発に当たっては、ウエアを着たまま違和感なく、家と作業現場を移動できるデザイン性も重視しています。
このようにデザイン・機能面へスポーツウエアで培った知見とノウハウをフル注入し、ミズノならでのウエアをつくっていくことが事業部と会社の指針です。
そしてより多くの人に使ってほしいので、短納期・小ロットのオーダーに柔軟対応しています。スポーツウエアと同様のオーダーシステムを導入していて、たとえば企業ロゴ入りの作業着は最短90日で納品可能です。そして最小ロット10枚(追加は1枚)から注文を受け付けています。
3Mと共同で落下実験。 フルハーネス義務化にどう対応するか
──高所作業用・フルハーネス対応モデルも開発したそうですね?
外処 2019年2月に法令が変わり、これからフルハーネスと電動ファン付き作業ジャケットの併用が増えると予想しました。ところが開発したフルハーネス対応タイプは、高所から落ちるとずり上がったジャケットで首を絞める可能性があったんです。
そこで安全性を確認するため、スリーエム ジャパン(3M)と共同で落下実験を開始。身体にかかる負荷を調査したところ、適切にフルハーネスを着用すれば安全に併用できることが確認できました。
もちろんエアリージャケットは快適性も兼ね備えています。Dリングとランヤードを通すウエア背中側にあるゴム絞り口が空気を逃がしません。さらに前身頃にフックを掛けられるなど利便性も追求しました。作業現場で喜ばれるウエアが完成しています。
このように今後も安全性を厳格に確認しながら、安心して使用できる商品開発を行っていきたいと考えています。
2年後に年間売上100億円を目指す
──ミズノワークウエアのこれからは?
香山 2018年はエアリージャケット1タイプで1万枚の販売実績がありました。2019年は4タイプを上市しており、当製品で5万枚の販売を目指します。そしてエアリージャケット以外でも商品ラインナップを拡充します。
いまワークジャケット・パンツをはじめとしたアウターとインナーで45アイテムをラインナップし、キャップ、ベルト、ソックス、サポーター、手袋といった小物も含めると全体で90アイテムを販売しています。
今後は対応業種・職種を拡げて、2年後はワークウエア事業(ウエア・シューズ・小物など)全体で年間100億円を売り上げることが目標です。そして現場で働く皆さんをこれまで以上にサポートしたいと考えています。
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