ミズノがワークシューズをつくる理由
1906年創業の歴史あるスポーツ用品メーカー「ミズノ株式会社」。
スポーツのイメージが強い同社だが、土木建設業・運送業をはじめとした、多様な業種向けのワークシューズ(作業靴)もつくっており、いま急速にそのマーケットシェアを拡大している。
ミズノはなぜワークシューズ市場に参入したのか。その開発背景とプロジェクトについて、ミズノ株式会社ワークビジネス事業部の井上寿仁さんに話を聞いてきた。
スポーツシューズをベースに開発も耐久性に課題
――ワークシューズ市場へ参入した理由は?
井上寿仁 スポーツ分野だけでなく一般向けカテゴリーを増やそうという会社の方針がありました。そしてミズノの知見が活かせるジャンルとして、最初に注目したのがワークシューズだったのです。
軽く・履きやすいシューズへのニーズはこれから間違いなく大きくなっていく。また、必ず現場で働く人の役に立てる。その確信をもって、2014年にプロジェクトをスタートさせました。
とはいえ、実際にワークシューズをつくるのは初めて。そこで、現場のニーズと声を汲み上げようとリサーチを始めました。具体的には、土木建設業・運送業・自動車製造業の現場でヒヤリングを実施しました。
そこから、〈軽い〉〈長く使える〉〈安全性が高い〉というワークシューズに求められる声を把握したんです。
また、従来型のワークシューズに対する「1日履いていると疲れる」「壊れやすい」「蒸れやすい」という課題も理解できました。
――集まった現場の声から、どのようなワークシューズづくりを目指した?
井上 スポーツシューズをベースに、〈強く〉〈軽く〉〈蒸れにくく〉〈動きやすい〉ワークシューズづくりを開始しました。
まず、樹脂で先芯をつくり、アッパー部にメッシュ構造を採用。軽いシューズのノウハウは十分あったので、『これでいける』というモデルタイプが出来ました。
ところがモニターをお願いした現場の皆さんから、予想に反する声があがってきたのです。
モニター期間はおおよそ3カ月。その短い使用で「履き口が破けた」「つま先の表面が擦れる」などの問題が起こっていました。
そこからはまさにトライ&エラーの連続でした。
わいもミズノさんお世話になっとる。他のメーカーは履かなくなったわ。
ミズノ良いですよね!
ディアドラも!