超高層ビルの杭基礎に対応可能
昨今、都市部で建設計画されている大規模物件は、高層化や柱間隔の長大化が進み、建物を支える杭は従来に増して大きな支持力が求められている。
これまでは、杭本数を増やすことで支持力を高めてきたが、掘削土量の削減や施工性の向上が求められていた。
そこで、清水建設は丸五基礎工業(大阪市中央区)と協力し、400メートルクラスの超高層ビルの建設に対応できる、非常に高い支持力を備えた場所打ちコンクリート拡底杭「花びら拡底杭」を開発した。
従来の杭よりも、排土量33%、施工期間20%削減
「花びら拡底杭」は、従来の拡底杭の2倍近い底面積を確保することで、1本あたり100メガニュートン(約1万トン)という非常に高い支持力を発揮する。
地下20~40メートルに支持層が広がる東京都心部で、支持力100メガニュートンの杭を構築する場合、試算では、従来の杭より排土量が20~33%、施工期間が10~20%削減できるという。
花びら杭底杭の底面積は、1本あたり最大33.5平方メートル(直径 約6.7メートル)。高強度コンクリートを使用することで、最大約1万トンもの支持力を得ることができる。
施工方法は、従来通り拡底掘削機で杭底部中心を1回拡底掘削する。その後、拡底掘削機を杭底部中心から水平方向かつ同心円上に移動させ、拡底掘削を2~8回繰り返す。
この方法で、花びらのような底面形状の拡底杭を構築する。一連の作業には、従来の拡底掘削機の先端に突起(スタビライザー)を装備するだけで対応可能だ。
また、建築物の地下躯体を上から下に造る「逆打工法」で超高層ビルを建設する場合、ビルの地下躯体が完成するまでの間、杭だけで施工中のビルの全荷重を支える必要があるが、今回の「花びら拡底杭」を適用することで、大幅な工期短縮も期待できるという。
排土量が減ると言う事はコンクリートの中に土が残るという事
杭の中に67%は土。杭の中に土が無いとなれば地中の横方向に変位はしないのか?排土量が減るメカニズムがよくわからない
最深部の地下径の大きさのママで杭を作るのでは無く、円錐状に作るということ。これから考えれば掘削土量は削減できるということですね。
底版の幅が大きいので安定性も抜群であるから本数も必要なく、結果的に速く安くなると言うことか。
たしか、20年位前に 大口径拡底杭の施工記事が有ったと思います。
施工実験で掘り起こして、吊るした写真を見ました。
説明内容も同じ様でした。