MR技術の活用で、業務量を約30%削減
長谷工コーポレーションとアウトソーシングテクノロジー(東京都千代田区)は、日本マイクロソフトと連携して、マンション外壁タイル打診検査のためのMR(複合現実)ソリューション「AR匠RESIDENCE」を共同開発した。
マンションのタイル打診検査にMRを活用するのは、国内初。長谷工リフォームが建物診断を行う関東エリアから順次導入していく。今年6月に行われた実証実験の結果では、報告書作成業務がほぼ半減したことから、全体の業務量の約30%を削減できることが判明した。
従来のタイル打診検査では、作業員が2名1組になり、1名が打診検査を実施、もう1名が写真撮影と検査結果の記録を手書きで行っていた。しかし、「AR匠RESIDENCE」を使用すれば、作業員1名で対応可能となる。
打診検査の方法は、ヘッドマウントディスプレイを装着し、打診検査をしながら検査項目を入力するというもの。記録はクラウドプラットフォームに保存、報告書は自動生成される。
建物診断に先端技術MR導入の背景
マンションの外壁は、経年劣化などによる剥落リスクがあることから、定期的なメンテナンスが必要とされてきた。タイル貼りや石貼りなどの歩行者に危害を加える恐れのある部分の外壁については、建築基準法施行規則で、10年ごとに全面打診調査が義務付けられている。
建物維持やメンテナンスに対応できる労働者が不足していることやコロナ感染拡大防止の観点からも、「AR匠RESIDENCE」を導入することで、居住者に対して安心・安全に繋がるサービスの提供ができると考え、先端技術のMR導入に至ったという。
MRが有効なのは理解できるし、業務量の削減に大きく寄与するのはいいことだと思います。
ただし、過去の経験から申し上げる限りでは、点検員が同じ教育を受けていても点検結果が異なることが多々あるということです。
結局、人が点検することでその判断が変わってくることを考えると点検品質の維持管理はどこでなされるのか?ということを考える必要があると思います。