※本原稿は、メルマガ「三橋貴明の「新」経世済民新聞」(7月11日)として配信された内容をもとに、著者の了解・加筆を得て、編集したものです。
大きな被害をもたらした球磨川決壊
梅雨前線の日本列島での停滞による「令和2年7月豪雨」は、全国に様々な被害をもたらしています。その中でも特に大きな被害を受けたのが熊本。当記事では熊本県の死者は55人、行方不明が9人と報道されています(編集部注:7/9時点)。熊本でここまで被害が拡大したのは、球磨川で多数の氾濫と2カ所の決壊があったからです。
球磨川は、多数の支流から多くの水が流れ込む一方で、川幅が狭く、「日本三大急流」の一つにも位置づけられる河川です。それだけ流れが速ければ当然、豪雨時には、氾濫が生じる「暴れ川」となります。したがって河川の技術者達は皆、今回のような大水害が生ずるリスクが極めて高いという事実を、残念ながらよく認識していたのです。
だから技術者達は、この球磨川の「洪水対策=治水対策」のために様々に議論を重ね、行政に迅速な対策を図ることを進言し続けて参りました。その中で技術者達が、ほぼ唯一の現実的な対策としてずっと進言してきたのが、「川辺川ダムの建設」でした。
球磨川決壊を防ぐために、川辺川ダム事業が40年をかけて進められてきた
技術的な事前検討によれば、そもそも今回決壊した「人吉」エリアは球磨川で最も脆弱な地点だという事が分かっており、そこでの氾濫を防ぐ為には、少なくとも川の流量を「七分の三」つまり、43%もカットしなければならないと計算されていました。
そのための最も効果的、かつ、現実的な解決策が、「川辺川ダム」の建設だったのです。それ以外にも「放水路を作る」(つまり、新しい川をもう一本掘って、水を分散させる)、「遊水池を作る」(ダムの代わりに、大きな池を作る)などの対策も検討はされたのですが、建設時間も、建設費用も、余分にかかってしまうことが示されており、現実的な解決策としてダム建設が得策となろうと判断されたのです。
こうした経緯で川辺川ダム事業は、1966年から始められ、2008年時点ではおおよそ7割程度の進捗状況にまで至っていました。
リスクマネジメントの難しさを痛感します。
国民の血税を投入することの意味は「国民の生命と財産」を守るためのはずです。
未来を見通すことの難しさはわかりますが基本的な理念を政治家の方には忘れてほしくないです。
流域の大雨による急激な水位を事前に予期できなかったのに、ダムがあったら決壊回避できた、には疑問がある。
十分な事前放流ができただろうか?結局、満水で緊急放流により同じことになっていた可能性もある。
八ツ場ダムは試験中でほぼ空だったのであって、ある程度の水位のある供用中ではなかった。
ダムを否定しないが、全てダムで解決できるわけではない。
「はずだ」と言い切るのは技術より、主張に聞こえる。
>>2
そりゃ実際にダムが出来ていないんだから[はすだ]としか言えないだろ。
あなたのコメント読むと揚げ足を取る事しか考えてなくこの記事の本質を理解していないような気がする。