【土佐国シリーズ最終回】吉田さん、浜田さん
土佐国シリーズ最終回は、ドボジョならぬジムジョのお二人、吉田玲奈さんと浜田美紀さんだ。
以前、国交省の事務系キャリアの女性に取材したことはあるが、その時同様、何を聞いて良いかわからないまま、取材に臨んだことを白状しておこう。
なぜ四国地方整備局を選んだのか。事務系職員の仕事に対するモチベーションはどのようなものなのか。リアルなところを聞いてきた。
国交省は「どういう組織がわかりやすい」
――それぞれ今どのようなお仕事を?
吉田さん 総務課職員係として、職員のお給料の関係や、保険、勤怠管理等などを担当しています。
浜田さん 経理係として、契約書や支払い書類などのチェック、事務所の予算管理などを主に担当しています。
――四国地方整備局を選んだ理由は?
吉田さん もともとダムとか橋とか、大きな構造物が好きだったんです。事務職員なので、構造物に直接的に関わるわけではないのですが、「どういうことをやっている組織か一番わかりやすい」と感じ、四国地方整備局を希望しました。
――県庁とか市役所とかは考えなかった?
吉田さん 公務員志望だったので、一応選択肢にはありましたが、当時は、県庁や市役所だと、「組織としての仕事の成果が見えにくいかな」と思っていたので、選択肢から外れました。どちらかと言うと、いろいろな方面から取り組む「ゼネラリスト」的な仕事よりも社会の中での役割がはっきりしている「スペシャリスト」的な仕事に憧れがあったというのもありましたね。
――同じ質問ですけど。
浜田さん 四国地方整備局が行っている高知県内のトンネル工事の現場見学に行って、興味を持ちました。大学では文系でしたが、研究室の先生が国土交通省出身で、四国地方整備局を勧められたというのもありました。私はずっと高知にいたので、「就職したら高知を出たい」という思いがあったので、地元の県庁とか市役所は考えていませんでした。
同じ組織の一員として「誇らしい気持ち」になる
――これまでどのようなお仕事を?
吉田さん 最初の配属先は本局でした。香川出身なので、自宅から通っていました。本局には3年間おり、最初の2年は人事課で、残りの1年は会計課でした。そのあとは、徳島河川国道事務所総務課で2年勤務し、今年の4月に土佐国に来ました。
――引っ越しを伴う転勤は苦にならなかったですか?
吉田さん 引っ越しはたしかに面倒ですが、県が変わると、職場の雰囲気も違っていたり、新しい人と知り合えたりするので、転勤自体はけっこう楽しいです。
――思い出に残る仕事とかありますか?
吉田さん 徳島にいるときに、新町川橋を架ける工事を行っており、橋ゲタを架けるために日本最大級の有名なサルベージ船が来ていました。その様子を見に行った時に、「このスゴい工事のオオモトはウチなんだ」と思い、自分がつくっている側にいることが嬉しかったです。もちろん、私が直接工事に関わっているわけではないのですが、同じ組織の一員として「誇らしい気持ち」になりました。
――同じく、これまでのお仕事は?
浜田さん 最初の2年は本局の会計課で、支払い書類などの審査や事業関連の予算に関する仕事をやっていて、今年の4月から土佐国道事務所に配属されました。
――念願の高知脱出を果たして、また戻ってきたわけですが、どうですか?
浜田さん 2年離れていると、まちの雰囲気とかも変わっていたので、戻ってきたこと、それはそれで良かったと思っています。また、高知南国道路の開通など、事業の効果を間近で感じられるのは良い機会だと思いました。
――仕事で楽しかったこととかは?
浜田さん 1年目は審査係で書類のチェックが主な業務になっていましたが、2年目は予算係になって、技術の方と関わるようになり道路や河川に関する知識が増え、仕事の幅が拡がりました。それに伴い、自分が携わっている事業をより身近に感じられたので、良かったと思いました。
――本局と土佐国で仕事に違いはありますか?
浜田さん 本局では、各事務所のとりまとめをすることが多く、全体を俯瞰して見ることができました。事務所では、技術の方とより密接に関わったり現場見学が出来る機会も増え、仕事を通じて現場をより身近に感じるようになりました。
用地系の仕事には「スゴいカベがある」
――キャリアアップとかスキルアップについて、どう考えていますか?
吉田さん 事務系の中でもジャンルがあって、大きく分けると、総務系と用地系があるんです。私はまだ用地系の仕事を経験したことがないので、もし用地系の部署に異動になったら、きっと「スゴいカベにぶつかるだろうな」と思っています(笑)。総務系と用地系とは、やっていることが全然違うので。
――用地系ってどういう仕事をやるのですか?
吉田さん 用地買収とかですね。補償金額を算定したり、地権者に説明したり。
――けっこう精神を削られるヤツですね。
吉田さん なので、「カベ」にぶつかるだろうなと感じています(笑)。総務系と用地系の人材交流みたいな仕組みもありますが、「慣れるのは大変だろうなあ」と。ただ、事業との関わりが深い、ここでしかできない仕事ですので、貴重な経験になると思っています。
――浜田さんはどうですか?
浜田さん 同じ課でも、係が違うと、仕事の内容が全然違っていたりするので、スペシャリストになるのはけっこう難しいかなと思っています。キャリアアップやスキルアップに関しては、「一生勉強」という姿勢で何事にも取り組んでいくことが必要だと感じています。
整備局のしごとは「一生続けられる仕事」
――ワークライフバランスについてどうお考えですか?
吉田さん 転勤のある仕事ではありますが、人事異動については、ある程度本人の希望を聞いてもらえると思っているので、それほど心配していません。私はつい最近結婚したのですが、実際、今同じ職場で働くことができています。もちろんすべての希望が通るわけではないですが、家庭の状況など考慮してくれている部分は大きいんじゃないかなと思います。
浜田さん 上司などを見ていると、たしかに家庭の事情などかなり配慮してくれていると感じています。私自身、結婚して子供ができたとしても、一生続けられる仕事だと思っています。また、フレックスや休暇なども柔軟に使えるので、ワークライフバランスを充実させることができると感じています。
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