【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞
さまざまな人たちが働く工事現場をまとめ、指揮を取る役割を担うのが施工管理です。特に、施工管理を専門にする国家資格である施工管理技士はニーズが高く、貴重な人材といえます。
そのため、企業によっては、施工管理技士の資格を保有すると給料アップも見込めるでしょう。この記事では、施工管理とは何か、施工管理技士の必要性などを解説します。
施工管理とは?施工管理技士との違い、資格の種類
施工管理とは、施工自体をおこなうわけでなく、施工現場を含む工事全体をまとめて管理することです。近年、労働者の人口減少にともない人手不足が問題である建設業界では、特に施工管理技士という資格保有者が不足していると言われています。
では、施工管理技士とはどのような役割なのでしょうか。業務内容と種類を見ていきましょう。
施工管理技士とは国家資格
施工管理技士とは、建設業法に定めてある国家資格の「施工管理技術検定」の1級または2級合格者です。
国土交通省は、建設工事に従事する技術者の技術の向上を図ることを目的として、建設業法第27条の規定に基づき技術検定をおこなっています。技術検定試験に合格すると、「技士」または「技士補」の称号を得ることが可能です。
施工管理技士には1級と2級があり、どちらも所定の実務経験年数を満たさないと受験できません。つまり、施工管理技士の資格を取得するには、技術者として建設工事の経験を積む必要があります。
新設された「技士補」
「技士補」とは、令和3年に施工管理技術検定の制度が大きく変り、その際に新設された資格です。
導入前までは、何か称号を得るには学科試験と実地試験の両方に合格しなくてはなりませんでした。しかし、技士補は第一次検定の合格のみで取得できます。
1級技士補の資格者は、主任技術者の資格(2級施工管理技士など)保有で、管理技術者(1級施工管理技士)の補佐業務が可能です。そのため、技術者不足が深刻な建設業界において、技士補の資格は施工管理技士の資格と同様に重宝されます。
また、2級の第一次検定は17歳以上なら誰でも受験できるため、2級技士補の資格取得には施工管理の実務経験が必要ありません。
施工管理技士は7種類
施工管理技士は、全部で以下の7種類あります。
- 建築施工管理技士:一般財団法人 建設業振興基金
- 土木施工管理技士:一般財団法人 全国建設研修センター
- 電気工事施工管理技士:一般財団法人 建設業振興基金
- 管工事施工管理技士:一般財団法人 全国建設研修センター
- 造園施工管理技士:一般財団法人 全国建設研修センター
- 建設機械施工管理技士:一般社団法人 日本建設機械施工協会
- 電気通信工事施工管理技士:一般財団法人 全国建設研修センター
電気通信工事施工管理技士は、令和元年度から国土交通省が新しく定めた資格です。各資格は、指定試験機関が異なります。
施工管理の資格を取る必要性
施工管理技士の資格を取ると、仕事の幅が広がり会社からも大事な人材として重宝されます。そのため、資格保有者に対して特別手当を出す企業も少なくないのです。
大事な仕事を任されるだけでなく、転職時にも資格が活きるでしょう。では、施工管理技士の資格を取得することで得られるメリットを3つ紹介します。
「専任の技術者」として認知される
「専任の技術者」とは、国家資格保有者または一定年数以上の実務経験がある人です。施工管理技士は国家資格のため、専任の技術者として業界内で高く評価されます。
また、軽微な工事以外の建築業を営むには建設業許可が必要です。建設業法で「建設業許可証を受けるために、専任技術者を配置すること」が義務付けてあります。
「監理技術者・主任技術者」として活動できる
建設業法では、建設工事の現場に「監理技術者」または「主任技術者」の配置が義務付けてあります。施工管理資格の1級保有者は監理技術者・主任技術者、2級保有者は主任技術者として活動が可能です。
各役職の違いは、配置が義務付けられている工事の規模です。監理技術者は、元請が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の下請契約を結んだ工事に配置。主任技術者は、元請と下請どちらも全ての工事現場に配置が必要となります。
給料アップや転職時に有利
需要の高い施工管理技士の資格を保有すると、基本給が上がったり特別手当が支給される企業もあります。また、企業によっては、資格取得に必要な費用を負担する支援制度が設けられていることもあるでしょう。
施工管理技士の資格保有者が企業にとってメリットである理由は、経営事項審査の技術力評価で資格者1人に対して5点が加算されるからです。この得点は、公共工事受注の際に技術力として評価されるため、取得することで経営規模評価に大きく貢献できます。
施工管理技士の1級と2級の違い
施工管理技士は、施工計画を作成したり安全性や予算を管理したりと、仕事内容は多岐にわたります。そのため、施工全般の知識が多く必要です。
施工管理技士の資格は1級と2級に分かれており、扱える仕事内容が異なります。では、1級と2級の建設工事の規模や実務年数の違いを見ていきましょう。
建設工事の規模
前述した通り、1級施工管理技士は監理技術者・主任技術者、2級施工管理技士は主任技術者として工事現場で活動することが可能です。
下請に出す請負代金が4,500万円以上(建築一式の場合は7,000万円以上)の工事をおこなうには監理技術者が必要です。
1級施工管理技士が扱える工事規模には制限がありません。そのため、工事現場の規模が大きくなるほど1級施工管理技士のニーズが高いです。
実務経験年数
施工管理技士の資格を取得するには、一定以上の実務経験が必要です。実務経験年数は、試験日の前日までで計算してください。
1級施工管理技士の受講資格は以下です。
学歴と資格 | 実務経験年数 | ||
指定学科 | 指定学科以外 | ||
大学卒業者 専門学校卒業者 ※高度専門士に限る |
卒業後3年以上 | 卒業後4年6ヶ月以上 | |
短期大学卒業者 高等専門学校卒業者 専門学校卒業者 ※専門士に限る |
卒業後5年以上 | 卒業後7年6ヶ月以上 | |
高等学校 中等教育学校卒業者 専門学校卒業者 ※高度専門士・専門士を除く |
卒業後10年以上 | 卒業後11年6ヶ月以上 | |
その他 | 15年以上 | ||
2級合格者 | 合格後5年以上 | ||
2級合格後5年未満 | 短期大学卒業者 5年制高等専門学校卒業者 専門学校卒業者 ※専門士に限る |
卒業後9年以上 | |
高等学校卒業者 中等教育学校卒業者 専門学校卒業者 ※高度専門士・専門士を除く |
卒業後9年以上 | 卒業後10年6ヶ月以上 | |
その他 | 14年以上 |
2級施工管理技士の受講資格は以下です。
学歴と資格 | 実務経験年数 | ||
指定学科 | 指定学科以外 | ||
大学卒業者 専門学校卒業者 ※高度専門士に限る |
卒業後1年以上 | 卒業後1年6ヶ月以上 | |
短期大学卒業者 高等専門学校卒業者 専門学校卒業者 ※専門士に限る |
卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 | |
高等学校卒業者 中等教育学校卒業者 専門学校卒業者 ※高度専門士・専門士を除く |
卒業後3年以上 | 卒業4年6ヶ月以上 | |
その他 | 8年以上 |
上記の通り、1級の実務経験は2級より厳しく設定してあります。資格取得を考えている人は、まず自分の実務経験年数を確認し、受験資格があるかどうかを確認しましょう。
また、資格の種類によって条件が違ったり、その他「一次検定免除者」の詳細や細かい注意点等もありますので、必ず事前に一般財団法人 全国建設研修センターのHPを確認してください。
昇給・昇格には施工管理の資格取得がおすすめ
この記事では、施工管理とは何か、また施工管理技士の必要性を解説しました。施工管理とは、施工現場を含む、工事全体をまとめて管理する役割を担っている仕事です。
国家試験である施工管理技士はニーズが高く、特に1級を取ると仕事の幅が広がったり、特別手当がもらえたりします。現在の企業で昇給や昇格を目指している人や、転職を考えている人は、ぜひ施工管理の資格を取ることをオススメします。