「こんなところで掘るのか」
――佐治さん自身は、排水トンネルの施工経験はあったのですか。
佐治さん この現場が初めてです。これまでは道路や鉄道のトンネルばかりです。なので、排水トンネルに関するノウハウを持ったシニアの方々がサポートとして入っています。
――工事内容もさることながら、すんごい山奥の現場なわけですが。
佐治さん 最初に現場に来たときは、「こんなところで掘るのか」と愕然としました(笑)。
限られたヤードでどれだけやるかが、勝負
――作業ヤードの確保は苦労したのではないですか。
佐治さん そうですね。限られたヤードでどれだけやるか、勝負でしたね。レール方式にしたこともあって、資材や機械などの配置にはだいぶ苦労しました。
――現場までの搬入路の確保はどうですか。
佐治さん 今回の工事の場合、大型車両で搬出入しないと工事が進まないのですが、大型車両が通れる道が1本だけあります。ただ、13kmほどある狭隘な山道で、対向車が来た場合、すれ違うことができません。
そのため、地元のご協力を得て、何箇所か退避する場所を設置しました。警察から道路許可も取りました。通勤時間や夜間は通らないようにしていました。多いときで、1日27~28台動いていましたが、ダンプ同士無線で連絡しながら行き来していました。
――この現場に来て、学んだことはありますか?
佐治さん ボーリング作業の際、施工順序を変えたというお話しをしましたが、砂防の仕事は、ただモノをつくるだけじゃないということを学びました。
年間115日は絶対休みを取るように言われている

宿舎兼作業所として借りている民家
――社員の寝泊まりはどうしていますか?
佐治さん 宿舎兼作業所として、現場近くの民家を2軒お借りしています。空調を入れたり、板張りにしたり、ケーブルテレビを入れたりして、できるだけ快適に暮らせるように努めています。
――食事はどうしていますか?
佐治さん 最初はしばらく冷凍食品などを食べていましたが、地元で炊事のできる方を紹介していただいてからは、夕食については、その方につくっていただいています。料理の上手な方なので、助かっています(笑)。昼食は、クルマで片道30分ほどかけて、大歩危駅前のスーパーまで行って弁当を買っています。
――いわゆる働き方改革への対応についてはどうですか?
佐治さん 最初のころは4週8休でしたが、その後は完全週休2日ということで、土日祝日は休みでやっています。掘削しているときは、工程的に連休を取りづらい状況がありましたが、作業が一段落した別の日に休みを取るというカタチでやりくりしていました。最近は普通に連休が取れるようになっています。会社からは、年間115日は絶対休みを取るように言われているので、これに沿ってやっています。
――休みの日に社員さんはなにをしているのですか?
佐治さん 高知のほうに出て行ったりしています。飲みに行くということができないので、私としては、できるだけ焼肉パーティなどを開いて、社員の親睦を深めるようにはしています(笑)。
――若い社員さんもいるのですか。
佐治さん います。経験を積ませるということで、半年ぐらいで入れ替わっています。
鉄道土木も一般土木も両方できるのが、会社の魅力
――話は変わりますが、鉄建建設に入社して長いのですか?
佐治さん 入社30年ですね。
――鉄建建設さんは鉄道のイメージが強いわけですが。
佐治さん 確かに、鉄建建設は鉄道のイメージが強いですが、私はトンネルをはじめとする一般土木を中心に仕事をしてきました。鉄道土木もできるし、一般土木もできるのが、会社の魅力だと思っています。私はたまたまトンネルが長いですが、それはそれで良かったなと思っています。
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