3次元の映像にARマーカーによる2次元データも投影
ARマーカーとは、現実の世界(この場合はトンネル)に2次元データを浮かび上がらせることができるマーカー。

ARマーカー
HDMを頭部に装着してトンネル坑内に入ると、地質展開図による地層が、現実のトンネル壁面に重なるように画面に浮かび上がり、さらに覆工のひび割れ部分も赤い線で表示される。これによって、ひび割れ部分に関しては、設計・施工との因果関係も画像から推測することができる。
また、トンネル坑内の「データ登録ポイント」に行くと、登録しておいた各種データが2次元で自動表示される。例えば、赤のデータ登録ポイントでは「切羽観察記録」を、黄色の登録ポイントでは「内空変位計測結果」を表示。ハンズフリーなので、逐一紙の資料を手でめくって探す手間が省ける。
その他にも、設計断面図を浮かび上がらせたり、トンネル設計寸法を見たり、床版や排水構など地下にあって見えない部分についても容易に知ることができる。
HDMについているセンサーは、トンネルと人の位置を認識。それに合わせて3次元データとトンネル坑内の位置をマッチングする。移動とともに画像が追随し、30m移動してもわずか10cm以内の表示誤差で済むという精度の高さだ。