最新の施工データを反映し、施工や維持管理を効率
MR技術は、トンネルの維持管理が容易になるだけでなく、施工時には完成イメージがつかみやすくなるため、トンネル施工時に問題点を洗い出すことも可能にする。
また、施工データは小型コンピュータに蓄積することができるので、施工後に地山崩落や変状、突発湧き水など不測の事態があっても、たちまちのうちに発生原因を突き止め、迅速に対応することができる。
施工中のデータや維持管理データはクラウドに保存するが、いずれも現場で取得した最新データを反映することで、MR技術を活用した施工や維持管理の効率を上げることが可能だ。
CIMとMR技術の連携、今後の展望
国土交通省は2016年からi-constructionを推進し、現場の生産性向上を一人当たり5割増しにすることを目標にしているが、その一環として3次元モデルを使用した設計・施工を行うCIMを取り入れることを推奨している。
鴻池組では、このMR技術を利用したトンネル維持管理システムについて、すでに鳥取西道路気高第2トンネル工事で実証実験に成功しており、受注者が設計・施工時に作成したCIMとMR技術の連携を図ることで、施工管理や品質管理のさらなる効率化を目指している。さらに、それらのデータを発注者が共有することで、トンネルの維持管理に役立てるよう展開する方針だ。