まだ仮想通貨持ってないんか?
職人仲間との会話といえば、仕事の話を除けば酒、パチンコ、いかがわしいお店、そんなたわいもないものばかりです。
ゴルフや子供の話をしていても、いつのまにか「飲む打つ買う」の話題になっています。
しかし、去年の年末頃から少し事情が変わってきました。仮想通貨なるキーワードが会話の中心になってきたのです。
「お前まだ仮想通貨持ってないんか?」
「うーん上がり過ぎて今さら大丈夫かなと思って…」
「アホやなぁ、今からでも100倍はいけるわ」
「ほんまか!どうやって買うねん」
こんな感じで仮想通貨職人は建設現場でどんどん増えていきました。
手堅い職人はビットコイン。
ネットの買い煽り情報に便乗した職人はリップル。
ギャンブラーは海外取引所の無名のいわゆる草コイン。
私は貧乏ギャンブラーなので、草コインを少額でいくつか買いました。
最初の方は多少増えて皆でワイワイ喜んでいました。車やバイクを買おうとする者もいれば、税金の心配をする者もいたりと気の早い連中です。
今思い出すと1番楽しい時期でした。
職場でも仮想通貨の値動きをチェック
年が明け2018年、地獄が始まりました。あらゆるコインの値が下がり始めたのです。
仮想通貨の辛いところは24時間365日、値動きがあるところです。
夜中も目が覚めて価格チェック、朝起きてすぐに価格チェック、現場仕事の休憩中も価格チェック、その都度下落し続けて気持ちが暗くなりました。
職人同士で励まし合いながら毎日仕事をしていました。
「もうそろそろ上がるやろ」
「春頃には今の5倍は固いな」
「今売ったら負け」
売っておくべきでした。後悔しても遅いのですが。