女性AutoCADオペレーターは活躍できる?女性ならではの「建設CADオペの苦労」とは?
―― ところで、加藤さんが建設業に入った理由は何ですか?
加藤 私が初めて就職したのは大手電機メーカーで、その後、派遣社員としてOAオペレーターや一般事務として仕事をしていました。派遣先が偶然、建設会社になったのをキッカケに、建設業界に身を置くことになりました。
―― 建設業界でAutoCADオペレーターとして働くようになった時、建設業界に抵抗はありませんでしたか?
加藤 オフィス勤務から急にプレハブの現場事務所で働くことになったので、正直なところ不安もありました。土木の工事現場では、ほとんど女性は私一人だったので、それも不安材料でした。しかし、建設現場はオフィスより少人数体制で、建築物や構造物を一致団結して作り上げて行く雰囲気があって、そんな雰囲気が大好きになりました。
実際の建設現場を見学して、図面づくりに役立てたり、請求書や施工計画書を作成・ファイリングしたり、お弁当の手配、備品管理などなど、少しでも施工管理技士の皆さんのお役に立てる仕事ができると嬉しいものです。
―― 建設業界におけるAutoCADオペレーターのお仕事で、特に苦労したことはありますか?
加藤 最初のほうは土木用語の読み方や意味、業者の名前などを覚えるのに苦労したので、正しい読み方や意味をノートに書いて、間違えないように注意しました。一番苦労したのは、工事がなかなか設計図通りには進まず、たびたび設計・計画に変更があるため、修正が必要になることです。しかし、それは現場の実際の動きを感じながら図面を描いていく、ということを意味します。現場にもよりますが、建設現場を実際に見た上で、現場サイドと息を合わせながら、具体的なイメージを持って、図面を描くことができる点は、建設のCADオペレーターならではの醍醐味だと思っています。
―― 建設のAutoCADオペレーターのお仕事で、気を遣っていることは何ですか?
加藤 当然のことなのですが、AutoCADオペレーターは、期限を守って指示通りに、正確な図を仕上げることが求められます。そのためには指揮命令者や周囲の施工管理技士や職人の方とのコミュニケーションが不可欠ですので、AutoCADスキルの上達もさることながら、現場では上手くコミュニケーションを図るように心掛けています。「NLPマスタープラクテショナー(米国NLP TM協会認定)」という心理学に基づいたコミュニケーションに関する資格も取得しました。
―― コミュニケーションの資格ですか、現場ではコミュニケーションがとても重要なので役立ちそうですね。他にもAutoCADオペレーターのお仕事で、役立っている資格はありますか?
加藤 CAD利用検定1級の資格ですかね。現場での実務経験も大切ですが、やはり資格があると、働く現場の選択肢も拡がりますし、転職にも有利になると思います。