「察知する能力」がないと、良いモノはつくれない
石川さんは施工指導員としての仕事をこう総括する。「施工管理する人間と作業員。その真ん中にいるのが今の私。管理する人間は、現場作業のすべてを知らないので、作業員の立場でそれを伝える。作業員に対しては、その逆のことを伝えるという感じで、両方の橋渡しをするという仕事を30年間やってきた」
石川さんには、仕事をするうえでの四か条がある。
- 仕事を覚え、興味を持ち、前向きな行動をして、見本となること
- 経験を積み、察知能力を高め、良い判断をすること
- 段取り良く、うまく人を使い、良い仕事をすること
- 研究熱心で創意工夫をして省力化・省人化を追求すること
石川さんがとくに重視するのが2の「察知能力」だ。「例えば、現場を歩いているときに、作業員の様子などで『なにか問題が起きているな』と気づくことが大事だ。このチカラを身につけるには、それなりの経験が必要だが、これがないと本当に良い仕事はできない」と指摘する。
良い悪いは、本人の『心構え』一つで決まる
石川さんにとって、仕事の喜びは、大きく2つある。1つは先に触れた人が成長すること、もう1つが自分が手掛けた仕事が世の中の役に立っていると実感することだ。
「自分が関わった現場から高性能な新車が生まれることをいつも楽しみにしている。日本の自動車産業の発展とともに、舗装業界も技術革新して発展してきたと思っている」と言う。
最後に、石川さんに若い人へのメッセージをお願いすると、「建設業界は、世間で言われているほど、悪い業界ではない。良い悪いは、本人の『心構え』一つで決まる。しっかりとした心構えを持って、建設業界に入ってきてほしい」という言葉が返ってきた。
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どの工種でも優れた職人がいる中でICTと技術の継承のバランスをどのように取っていくのかが喫緊の課題のように思います。