総評
全体の試験の難易度としては、中程度(例年に比べるとやや易しい内容)だったように思います。では、各問題の難易度を3段階(高・中・低)で評価していきます。
問題1
施工経験記述は、3年連続の品質でちょっと裏をかかれた感じはしますが、1級の施工経験記述に関してはこれがあるので、絞らず3テーマ(工程・品質・安全)について準備をしておく必要があると再認識させられました。
問題2(難易度・中)
(5)以外は過去に学科試験・実地試験で出題された文章からの問題でした。
(ロ)の[勾配]、(ニ)の[透水性]は比較的答えが導きやすかった想像されます。
(ホ)の[沈下]これも前後の文章から十分答えが推測できたのではないでしょうか。
この3問が書ければボーダーの6割になります。ここから(イ)(ハ)が書けたかが、点数を伸ばせたかのポイントになりますが、(ハ)は語句を推測するにはヒントが少なく色んな語句があてはまりそうなので、非常に難問だったかと思われます。
※ここでいうボーダーとは、合格判定基準の6割という意味で、2問以下だと不合格とか足切りという意味ではありません。1級土木実地試験に足切り点はなく、0点の問題があっても他の点数でリカバーできれば合格は可能です。ただし、施工経験記述が不適当な場合は、その時点で不合格となる場合があります。
問題3(難易度・中)
(ロ)[ひび割れ](ニ)[スランプ](ホ)[AE減水剤] この3つは前後の文章から、比較的簡単に解くことができたのではないでしょうか。(イ)(ハ)が書けたかが点数を伸ばせたかのポイントになります。
(イ)の[フライアッシュ]と(ハ)[鉱物質(高炉スラグ)]が、過去にあまりみたことの無い出題方法で難問でした。「混和剤」ではなく「混和材」について問われているというところに気づけたかがポイントになります。
問題4(難易度・低)
(イ)[2.5](ハ)[沈下](ニ)[50](ホ)[湿潤] この4問は、しっかり過去問や学科の知識が残っていれば比較的簡単に答えがでてきたのではないでしょうか。ただ打重ね時間間隔に関しては、暑中の2時間の方が多く過去に出題されていたため、2時間と書いてしまった受験生が多かったかもしれません。
(ロ)はとても難問で私もものすごく悩みました。最初は[単位水量]だと思ったのですが、単位水量の場合は「多い」ではなく「大きい」というのが一般的です。では、[細骨材]なのか?と、なりましたが…砂すじの原因は材料分離(ブリーディング)に伴うモルタルの流出なので、水の量がキーポイントなんです。…あ、答え[ブリーディング]か…ってなりました(笑)。
問題5(難易度・中)
(ロ)[中震](ニ)[手すり](ホ)[40] この3問は、しっかり過去問や学科の知識が残っていれば比較的簡単に答えがでてきたのではないでしょうか。ちょっと難問だったのが、(イ)[脱落] (ハ)[変形]ですね。(イ)(ハ)が書けたかが点数を伸ばせたかのポイントになります。
問題6(難易度・高)
施工計画は記述では良く出題される問題なのですが、穴埋め問題での過去問は少なくちょっと戸惑った受験生の方も多かったのではないでしょうか。サラッと答えが出せたのは(ハ)[第三者]ぐらいかなと。後は、前後の文章から如何に推測できたか…という感じですね。
問題7(難易度・中)
切土の排水は、出題頻度は高くはないですが、過去問10年ぐらいしっかりされていれば、過去にも同じ問題の出題があったので、十分対応できるレベルの問題かなと思います。
問題8(難易度・中)
特別な配慮の必要なコンクリート・ひび割れ対策で、これも定番の問題でした。
問題9(難易度・低)
これは、ここ数年の過去問やってても何度もでてきた、最近の土工事の品質管理のトレンド問題。ちょっと解答欄が狭かったようで端的にまとめれたかがポイント。
問題10(難易度・低)
例年なら、絵があって解答するタイプの出題方法ですが、絵が無いため答えられる幅がものすごい広がるので、安全衛生規則から逸脱していなければ、何を書いても○になるという点数の取り易い問題でした。
問題11(難易度・低)
約10年ぶりぐらいの出題で、副産物からの出題を予測していた人はびっくりしたかもしれませんが、これも過去問でみたことがあれば、当たり前に現場で行ってる対策を書けばいいので比較的イージーだったのではないでしょうか。
・・・いかがでしたでしょうか。トータルで見ると、難易度は低~中かなという感じの問題も多く、記述以外では6割以上解けた受験生は多かったのではないでしょうか。後は、きっちり施工経験記述が書けていれば合格の可能性は高いと思います。いい結果が出ることを祈りましょう!
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