1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策 施工管理法その2「施工計画(届出・仮設)」
1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策の第28回目は 、施工管理法その2「施工計画(届出・仮設)」の出題傾向についてまとめます。
※施工管理法の出題傾向については、前の記事もご参考ください。
「道路使用許可」「道路占用許可」の出題ポイント
工事に伴って必要となる許可や届出に関しては、どのような許可を、どこに、いつ届け出る必要があるのかという「組み合わせ」の問題が多く出題されます。
道路上での工事を行う場合などに必要な届出には「道路使用許可」「道路占用許可」という2つの許可があります。
すでに「法規の道路法」でも勉強しましたが、この2つは似ているため非常によく出題されます。「道路使用許可」と「道路占用許可」の届出先は、それぞれ「道路管理者」と「警察署長」で違いますので、組み合わせをしっかり覚えておきましょう!
ここでキーになるのが「使用」と「占用」。どちらのほうが道路を使用している時間が長いかを考えるのがポイントです。
「使用」→ 一時的 →「警察署長」
「占用」→ 長期 →「道路管理者」
となります。
- 道路使用許可が必要な場合
→道路上の一時的な工事、ポンプ車を道路上に停車してのコンクリート打設作業 - 道路占用許可が必要な場合
→長期道路上に設置する足場・資材置き場、電柱、電線なども道路占用にあたる。「公共施設であるため道路占用許可が免除されている」との記述があると×となる。
届出に関しては、ここを押さえていれば、解ける問題が多いです!
【練習問題】次の記述は正しいでしょうか、誤っているでしょうか?
道路上に工事用板囲、足場、詰所その他の工事用施設を設置し、継続して道路を使用する場合は、所轄の警察署長に道路占用の許可を受けなければならない。 |
→解答×…「継続して道路を使用」→長期的な使用のため道路管理者へ道路占用許可の届出をする必要がある。
車両の構造又は車両に積載する貨物が特殊である車両を通行させる場合は、所轄の警察署長に許可を得なければならない。 |
→解答×…これは道路法のところで勉強しました。やむなく、車両制限令を超える車両を走らせる場合は、道路管理者から特殊車両通行許可を得ることで通行することができます。
仮設工事の出題ポイント
仮設工事で覚えてほしいポイントは大きく2つ!
「指定仮設と任意仮設の違い」、「仮設構造物の材料・安全率」です。
指定仮設と任意仮設の違い
- 任意仮設
足場や土留めなど一般的な仮設は任意仮設であることが多く、掛かる経費は一式形状され、どのように施工するかは施工業者にゆだねられている。そのため通常は設計変更の対象とならない。 - 指定仮設
大規模で重要な土留めなどが指定仮設とされ、発注者が設計仕様、数量、施工方法、配置等を指定するもので、設計変更の対象となる。
仮設構造物の材料・安全率
- 仮設工事計画は、本工事の工法・仕様などの変更にできるだけ追随可能な柔軟性のある計画とする。
→この文章は○の記述として平成20年以降3度出題されている定番の記述である。 - 任意仮設においては、材料は一般の市販品を使用し、可能な限り規格を統一して、転用できるように計画することで、他工事でも使用でき経費の削減となる。
- 仮設構造物は使用期間が短いため、安全率は本体構造物と比べると多少割り引いて設計する(過大、過小とならない)。×の記述は「本体構造物と同等の安全率で設計する」。
※使用期間が長期にわたるもの、重要度の大きい仮設においては、相応の安全率とする。
【練習問題】次の記述は正しいでしょうか、誤っているでしょうか?
仮設構造物は、使用期間が短いなどの要因から一般に安全率は多少割引いて設計することがあるが、使用期間が長期にわたるものや重要度の大きいものは、相応の安全率をとる。 |
→解答○…「仮設構造物の安全率は多少割り引いて設計する」と勉強しました。しかし、これは短期間で通常の場合であって、設問のように長期設置もしくは重要度の大きい場合は、記述通り相応の安全率をとるのでこの記述は○である。
仮設構造物は、設置期間の短い場合であっても一般に地震時を考慮して本体構造物と同一の設計条件で検討する。 |
→解答×…仮設構造物の使用期間が短い場合は、地震などの突発的な天災は考慮せず、安全率を多少割り引いて設計する。