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Google、Appleを超える? 土木測量を変革する「テラドローン」COO関鉄平氏にインタビュー

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『施工の神様』編集部
公開日:2017.02.23 / 最終更新日:2019.06.26
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テラドローンCOO関鉄平氏

目次
  1. 建設業の生産性向上を加速するテラドローン
  2. テラドローンが日本で事業スタートした3つの理由
  3. 大手よりも中小企業で加速するテラドローンの導入
  4. UTM事業にも参入するテラドローン社
  5. 大手ゼネコンからテラドローン社に転職も

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建設業の生産性向上を加速するテラドローン

建設系メディアでは、連日のように「i-Construction」という言葉が飛び交っている。2015年11月に石井啓一国土交通大臣がi-Constructionという概念を打ち出して以降、土工事におけるICT(情報通信技術)の活用は急速に広まり、測量・点検分野ではドローン(小型無人航空機、UAV)の普及がひときわ顕著だ。

新たにドローン事業に乗り出す企業も多く、各社とも技術開発や市場開拓でしのぎを削っている。どの企業が土木測量分野のドローン事業で“主役”を張るのか目を離せない状況だが、その筆頭と目されている1社が、テラドローン株式会社だ。

テラドローンのCOO関鉄平氏に話を伺った。

テラドローンが日本で事業スタートした3つの理由

近藤 テラドローンは、日本国内におけるドローンを利用した土木測量で売上№1となり、建設専門紙の中にはテラドローン専属の記者を置くところもあるなど、建設業界でかなり注目されています。ただ会社設立から約1年ということもあって、現場で働く施工管理技士たち全員に、その社名が浸透しているかといえば、まだこれからだと思います。

先日、テラドローンを知らない施工管理技士に対して、テラモーターズのグループ会社ですよと伝えたら、目を輝かせてすぐに社名を覚えた人がいました。テラモーターズのブランドイメージはとても強力ですが、なぜ土木測量のドローン事業に参入することになったのでしょう?

関 テラモーターズはEV(電気自動車)事業を主軸としながらも、次の事業展開を模索していました。ドローンの他にもIoT、AI、VR、新エネルギー、プラント工場など候補は多岐にわたり、テラモーターズのネットワークとノウハウを生かして、世界各地におけるニーズを調査しました。

その結果、ドローン事業で世界シェア№1を取れると判断し、2016年3月にテラドローン株式会社を設立しました。ドローンは機械構造的にもモーター、コントローラー、バッテリーなどEVとの類似点が多く、空を飛ぶEVとも言えます。今後、ドローンはスマートフォンのように世界を席巻していくと確信しています。

テラドローン株式会社 COO 関鉄平氏

近藤 土木測量のドローン事業を展開するにあたって、なぜ国土が広いアメリカや中国ではなく、日本からスタートしたのでしょう?

関 主な理由は3つあります。1つ目は日本の国土交通省がi-Constructionの音頭を取り始めたのを受け、この大きな波に乗れば急速なスピードで事業拡大が可能だという点。

もう1つは、ドローンを飛ばすにあたっての法規制。中国などは国防意識が高く、ドローンを飛ばすのは非常に難しい国ですが、日本はそれほど規制が厳しくありません。当社はオーストラリアのクイーンズランドにも先月(2017年1月)現地法人を設立しましたが、オーストラリアは規制が緩く、国土も広大であるためドローンによる土木測量のニーズが多いと考えています。

3つ目は現地の人件費が高いこと。日本とオーストラリアは人件費が高く、例えばTS(トータルステーション)を使って人間が測量するよりも、ドローンを利用したほうがコスト削減につながります。TS で3~4日かかるような測量は、ドローンであれば半日で済み、圧倒的なコスト削減を実現します。

C4株式会社 Webマーケター 近藤ちひろ

近藤 土工やコンクリート工の生産性はここ30年間ほとんど向上しておらず(※)、土木測量の分野でもドローンによる効率化がトピックになっています。ドローンの将来性から当然、技術開発や機体リース、操縦スクールなど新規参入する企業も増えていますが、テラドローン社が提供しているサービスの特長を教えてください。
※国土交通省「建設現場の生産性に関する現状」(平成27年12月) 参照

関 当社では設計・施工現場におけるドローンによる測量だけでなく、事前計画から測量後の2次元データあるいは3次元データの作成、MCデータやMGデータの作成、CIMモデリングマネジメント、CIM導入サポートまでワンストップのコンサルティングサービスを提供しています。単に機体を開発・販売・リースするのではなく、土木に精通したコンサルタントがオペレーターとしてドローンを操作し、データを納品するまで一気通貫に行います。

測量サービスには、3次元写真測量と、3次元レーザー測量とがあります。前者の3次元写真測量は、従来の地上光波測量や地上3Dレーザー測量よりも大幅に、所要時間と必要人工を削減することが実証されています。たとえば、測定面積2hを対象とした測量では、光波測量の場合、測定日数3日、データ作成日数5日(10人工)かかるところを、テラドローンの3次元写真測量を用いると、測定時間1時間、データ作成日数1日(1人工)に削減することができます。誤差は5cm以下を実現しており高精度な測量が可能です。

もう一方の、3次元レーザー測量は、写真測量では計測が難しかった森林の地形を、伐木せずに測量することが可能で、災害現場、河川地形調査、砂防調査などにも活用できます。現時点では、山岳地に太陽光発電施設を建設する工事で3次元レーザー測量の需要が多いです。ドローンに搭載するレーザーは、地形や要求精度によってVelodyne社製、Riegl社製の2種類を使い分けているほか、国内で唯一、固定翼のドローンにレーザーを搭載しており、広範囲の測量を1日で完了することができます。

近藤 固定翼とマルチコプターのドローンでは、飛行時間にどれほど差がありますか?

関 マルチコプターのドローンは飛行時間約20分、固定翼のドローンでは約2時間飛び続けることが可能です。テラドローンの固定翼はイギリスのQuest UAV社と戦略的提携を結んでおり、積載量も大きく、風に対する安定性も高いため、高精度な測定を実現できます。

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