1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策 施工管理法その1「施工計画の作成」「施工体制台帳」「原価管理」
1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策の第27回目は、施工管理法その1「施工管理計画の作成」「施工体制台帳」「原価管理」の出題傾向について勉強ポイントをまとめます。
施工管理法からは全部で31問が出題されますが、その31問すべてに解答しなければいけない必須問題となります。
わざわざ資格試験のために勉強しなくても、いつもの現場での経験のみで解答できる問題も多いので、しっかり点数をとれるようポイントを押さえていきましょう!
施工計画からは5問出題。施工計画の作成(留意事項・事前調査)、届出・許可、仮設工事、建設機械の施工計画などが出題されます。
施工計画作成の出題傾向
施工計画作成の問題では毎年、「留意事項」と「事前確認」のどちらかから1問出題されます。「留意事項」と「事前確認」の問題を織り交ぜた形で出題される場合もあります。
留意事項
よく出題される「留意事項」の記述をピックアップ!
- 施工計画の作成は、社内組織の活用、過去の経験を活用し、実際に施工する下請け企業の現場担当者の意見も取り入れ作成する。
→×の記述「監理技術者(施工担当者)のみで作成」「社内組織の活用は避ける」 - 工期は発注者が示した工期が最適とは限らない、示された工期内で経済的な工程になるよう検討する。
→×の記述「発注者から示された工期は、最適である」 - 品質、工程、原価、安全の3要素をみたすバランスのよいものとする。特に安全が最優先である。
→×の記述「工期が最優先である」 - 施工手順や、人員の配置、建設機械の配置はバランスよく配置する。
→×の記述「工期に影響を及ぼす重要な工種を選定し、その工種に作業を集中させる」
事前調査
よく出題される「事前確認」の記述をピックアップ!
- 事前調査は、既往の資料を活用するだけでなく、過去の災害や、気象データなどの近隣地域の情報、地元の古老などの意見を聞くこともある。また、資材の搬入に必要となる運搬経路の車幅や架空線、渋滞なども工事をスムーズに進めるためには大事な情報である。工事着手前に現地調査を行う。
→×の記述「既往の資料を活用し、近隣情報などは考慮する必要はない」「工事着手後に現地調査を行う」
- 行動上で掘削を行う場合は、施工計画段階で試掘を行い、当該管理者立ち合いの上、埋設物の位置・深さ確認する。
→×の記述「試掘の際は、労働基準監督署の立会いを求める」
施工体制台帳の出題傾向
「施工体制台帳」の問題は、2~3年に1度出題されます。法規(建設業法)の問題と重複する内容もありますが、ややこしい保存期間について説明していきます。
- 施工体制台帳は5年間保存しなければならない。
→×の記述「工事完了後、速やかに廃棄する」
- 施工体系図は、引渡しから10年間保存しなければならない。
…上記の説明だと【5年間保存】という説明だったので【10年間保存】は誤りだと思いがちなのですが、施工体系図などの営業に関する図書(完成図・発注者との協議記録・施工体系図)は10年間保存しなければならないとされている。
原価管理の出題傾向
「原価管理」も、2~3年に1度出題される問題です。
原価管理とは、「実際原価」<「実行予算」となるよう管理するものである。
- 実際原価…施工にあたり実際にかかった原価の集計により、算出される施工にかかる原価
- 実行予算…施工に先立ち、工事を実際に施工するのにいくらの費用がかかるかを算出したもの
現場で仕事されている方には、普段聞きなれないワードがたくさん出てくるため、少しとっつきにくい項目ですが、ポイントは施工計画の作成と同じで、現場と本社が協力して構築します。「切り離して権限を明確にする」などの記述があると×となります。
- 原価管理上、考慮する必要のない項目
→天候・不可抗力による損害、物価・賃金の変動は設計変更の対象となり、発注者との協議事項のため、原価管理上(実行予算)では考慮する必要はない。