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“ねこ検定監修の一級建築士”が設計する「猫が幸せになれる家」ってどんな家?

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公開日:2020.12.24
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ファッションデザイナーを目指すもインテリアデザイナーに

――主にどのようなお仕事を?

清水さん 基本的には設計事務所なので、猫と共に暮らす住宅のほか、保護猫カフェや動物病院、ペットショップなどペットに関わる設計をしています。加えて猫専用賃貸物件や猫用品のコンサルティング、猫展などイベントのサポートなども手掛けています。

猫に関わる仕事を始めて10年ほどになるのですが、近年の猫ブームの影響か、コラムの執筆、TV出演、雑誌などメディアからの取材、セミナー・講演の依頼などは最近増えました。猫に関連する方々との繋がりも増えたので、猫をテーマに作品を創る作家のためのギャラリーなどの設計も行うこともあります。今では、猫専用住宅の設計と猫に関わる相談などが6対4くらいの割合でしょうか。

「ねこ検定」をはじめとした本の監修も行う

――そもそも、設計の道を歩んだきっかけは?

清水さん 元々はファッションデザイナーに憧れていたのです。モテるかと思って(笑)。札幌の大学時代はブティックによく足を運びました。Y’s(ワイズ)やISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)などが好きで、DCブームで沸いていました。あるときそのブティックが、インテリアデザイナーによってデザインされたものであることを知ったんです。斬新で尖ったデザインが多く「こういう仕事もあるのか。目指してみよう」と思い行動に移しました。

大学時代にアルバイトでためたお金で都内の専門学校に入学、学生時代から先生の建築士事務所でアルバイトさせていただき、卒業後も同じ事務所に残り学ばせてもらいました。徒弟制度に近いものが残っている時代だったので、生活できるような給料は貰えません。でも、設計に関われるだけで楽しかったし覚えることも多かったです。

住環境で愛猫のストレスをどう解消するか

――独立開業はどのように?

清水さん 「どうせ、ここままじゃ食べれないのだし」と30歳で独立開業することを目標に、仕事をしながら二級建築士の資格勉強に励みました。資格を取って開業しましたが、今考えると無謀だったかもしれません。バブル経済の絶頂期で浮かれていたと思います。

独立後すぐにバブル崩壊、決して滑り出しが順調な経営ではありませんでしたが、一級建築士の資格も取り、いくつか大型商業建築のデザインも手掛ける事ができました。中でも、スウェーデンの自動車メーカーVOLVO(ボルボ)のショールームは、約2000通の応募があった商業店舗のデザインコンテストで金賞を受賞しました。ほかにもブティックやレストラン、美容室、大型マンションの企画などにも携わりました。

トステム(現LIXIL)フロントコンテストで金賞を受賞したVOLVO倉敷店のデザイン

――猫関連の仕事をするようになった経緯は?

清水さん 独立して15年くらいの頃でしょうか、自宅から最寄駅まで歩いていたら生後2〜3ヶ月くらいの猫に出会ったんです。やせっぽちでノミがたかった子猫で、足にしがみついてきました。結婚後もペット不可の住宅に住んでいたので、ある程度ケアしたのちに譲渡先を探そうとしました。しかし妻も私も、可愛らしさで手放せなくなりました。それが上京後はじめての飼い猫、一休(いっきゅう)との出会いです。一級建築士に受かった時に出会ったので一休と名付けました。

5年後にペット可のマンションに引っ越した途端、今度は妻が勤めていた会社の前で子猫と出会い、愛猫の海(かい)と暮らす事になりました。引っ越しのストレスと元気な海からの”遊んで攻撃”のストレスで、先住猫の一休が病気になり、引っ越し先の近くにある動物病院に何度も通いました。

動物病院の先生と親しい間柄になったある日、「病気や怪我については飼い主にアドバイスできるけど、病気になる前のストレス対策や住環境の改善方法については、どうしたらいいかわからない」と言われたことがありました。「だったら自分が建築士だから、調べてみよう」と行動することにしたんです。

猫関連の仕事をするきっかけとなった一休くん(左)と海くん(右)

大型商業建築の設計で賞を取り、これからの仕事についても考えていた時だったので、設計・デザインとともに、大好きな猫も絡めて仕事ができれば楽しいのではないかという考えが浮かびました。

といってもペット住宅設計の実績も無いですし、他に活動しているような人もほとんどいませんでした。何をしていいかもわからないので、ペット業界の重鎮と思われる方にメールや電話をして、直接会いに行って、ペットについて教えてもらったりしていました。

また、建築士だけどドッグトリマーとしても活動してる設計事務所の後輩がいたので、ペット業界の方たちとのつながりを広げられる幸運もありました。こうしたリレーションの中で「猫のために、こういうものを作りたい」という依頼が増えはじめ、経験を積んでいきました。

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この記事を書いた人

藤田 陽司
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