「知らずに購入した」では済まされない
中古の物件を購入したとのことで、受電する前に精密点検を行いました。設備の銘板を確認している時、検査員があることに気づきました。
「このコンデンサ!もしかして、PCBが入ってる可能性があるな!キュービクル自体は割と新しいんだけど、コンデンサだけが中古品使ってるわ」
設備自体は全く問題なく、今からでも受電できる状態であることは確認ができましたが、コンデンサだけがPCBが入っている可能性があると判明。急いでD社長に説明をしました。
D社長は、状態が良さそうだから購入したのに、まさかこんなところで大金がかかる可能性が出るとは夢にも思っていなかったようで、最初は「購入したばかりなのに、なんでお金がかかるんだよ!」と激怒。
もちろんその気持ちにも理解を示しつつ、「このコンデンサだけが中古品を使用しているため、受電する前にコンデンサを更新してください。費用がかかってしまいますが、トランスとコンデンサのPCB検査をしましょう」と辛抱強くD社長を説得しました。
検査結果は・・・
どうにかD社長にご納得いただき、コンデンサだけ新しいものに更新(トランスなどはオイルを抜くことはできるのですが、コンデンサだけは密閉されているため、一度穴をあけて検体を取ると使えなくなる)し、問題のコンデンサも含めた絶縁油を検査機関に送って調べてもらいました。
結果は、やはり黒。コンデンサだけがPCBを含んでいました。しかし、不幸中の幸い、低濃度だったため処理するにも(高濃度と比較して)あまり費用がかからないことが分かりました。
低濃度と高濃度の違い
低濃度と高濃度の違いは、0.5超~5,000mg/kgまでが低濃度PCB、5,000mg/kgを超えると高濃度PCBとなります。
低濃度の場合は、全国で33社が処理を受け付けていますが、高濃度となると、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)でしか処理ができないため、輸送費を含めるとものすごい高額になります。
今回は低濃度だったため、弊社の協力業者に搬出から処理までお願いをしました。
最近、PCB含有コンデンサ関係の調査・処分業務が増えてきていますね・・・特に地方自治体さんで・・・。
コメントありがとうございます 保安業務従事者です
地方自治体で増えているとのことでしたが、やはり予算どりするのに苦労されている自治体も多いようですね
自治体だからと言っても予算には限りがございますし、また処分するには相当な費用がかかると思います
でも、ここで緩めることなく期限を守らせないといつまで経ってもpcbの問題は解決しないと思っております
貴重なコメにただきましてありがとうございました
引き続き宜しくお願いします
低濃度の方が高濃度よりも処理費用が安いのは間違いです
高濃度は補助金が出て中小企業なら70%の補助金が出ます
運搬費用も処分費用も補助の対象になるため高濃度の方が圧倒的に安いです
コメントありがとうございます。
また指摘していただきましてありがとうございます。
たしかに補助金の部分は抜けており、誤解を招く記事だったなと思いました。
コメントいただきましてありがとうございます。
引き続きよろしくお願いいたします。