どんな所長でも必ず良いところがある
とあるゼネコンA社の現場所長さん(Bさん)と雑談してきた。匿名を条件に、話を聞いてきた。
――これまでどのような現場をやっていたのですか?
Bさん 最初は、災害復旧の現場でした。急きょ出た仕事で、新入社員だった私に声がかかったわけです。いろいろ教えてもらいました。
――なかなかレアな経験をされたんですね。
Bさん 誰よりも朝早く来て、毎日トイレ掃除をやって、先輩たちの机の上をピカピカにしていました(笑)。
――当時はそんな感じだったんですか。
Bさん まあ、人によりますね。現場叩き上げの人はキビシかったです。ただ、人間的に魅力のある方が多かったですね。自分が失敗したときにはかばってくれたりとか。いろいろな所長さんと仕事をしていく中で、「どんな所長でも必ず良いところがあるから、良いところだけを盗むようにしよう」と心がけながら、仕事してきました。
土木は長靴履いてなんぼなんじゃないの?
――印象に残っている所長さんはいますか?
Bさん ある所長さんに呼ばれて行ったら、「現場で安全長靴を履くのやめにしよう。普通の靴で現場を歩けるようにしたいと思わないかい?」と言われたのです。
それを聞いて「え〜!土木は長靴を履いてなんぼじゃないの?」と思ったのですが、この発言は、今でも私の頭の中に残っていて、「お客さんが普通の靴で歩ける安全な現場にしよう」という意図だったと理解し、常に心がけています。実際には、なかなか難しいですけどね。
――手間もかかるし、大変でしょう。
Bさん 長靴を履かないで良い現場は、それだけ安全な現場である証拠だし、土木の現場がすべてそうなると素晴らしいのになと思っています。
若い社員の得意なことをつくってやる
――現場のモチベーションを上げるために工夫していることはありますか?
Bさん 新しいことにチャレンジすることだと考えています。例えば、スマホを活用した新しいシステムを入れると、とくに若い社員なんかはすぐに使いこなせるようになります。
ただ単にモノをつくるだけではなく、もう少し先のことをみすえながら、若い社員たちが得意なことをつくってやれるようなカタチで、指導するよう心がけています。
昔は、若い社員が作業員さん休憩所のところに行って、いろいろな話をしながら、仕事の仕方を学んでいた時代もあったのですが、今それをやると、労働時間に引っかかってきちゃうことがあります。まあ、悩みどころですね。
やりがいは「現場が動いていること」
――工種は問わず、現場が変わるたびに、一から勉強してきた感じですか?
Bさん そうですね。でも、「私は○○が専門なので、○○はできません」と言うのは簡単ですが、「それを言い訳にしたくない」と思っているので。
――それが「楽しい」と言う所長さんもいらっしゃいましたが。
Bさん 私は「楽しい」と思ったことはないですけどね。
――(笑)。
Bさん ただ、自分で気づいていないだけで、新しいことを調べながら、モノをつくっていくのが好きなのかもしれません。
――仕事の魅力、やりがいは?
Bさん やはり、現場が動いていることですね。現場は24時間動いているので、近隣住民からの苦情対応のため、夜中に現場に来ることもあるのですが、そういう対応でもやりがいを感じていますね。
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