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「5年後、10年後に気づく時が来る」 ダム建設の現場所長が語る”大規模な現場での心得”

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大石 恭正
公開日:2021.02.18
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中井 利幸さん(西松・安藤ハザマ・青木あすなろ特定建設工事共同企業体所長)

目次
  1. 2023年3月の完成を目指し、工事も佳境
  2. 立野ダムコンクリート打設を開始
  3. ケーブルクレーン自動化で作業効率向上へ
  4. 指示を伝えるためには、相手に納得してもらうことが必要

2023年3月の完成を目指し、工事も佳境

熊本市内を流れる白川流域の治水対策として、2018年から建設が進む流水型ダム(穴あきダム)の立野ダム(曲線重力式コンクリートダム)。2020年10月には堤体コンクリート打設がスタート。

2023年3月の完成を目指し、工事も佳境を迎えつつある。熊本地震の影響により、工事の着工が遅れ、タイトな工期のもとで工事が行われているが、進捗は順調だろうか。そんな思いをもちながら、現場所長を訪ね、いろいろ話を聞いてきた。

立野ダムコンクリート打設を開始

――工事の進捗はどうですか?

中井さん 2020年10月1日に、本体コンクリート打設開始を開始しました。これは当初予定していたスケジュール通りで、第一段階としてクリアできたと考えています。これまでのところ順調にきています。

――これまでの工事でポイントだったところは?

中井さん 現在進行中ですが、掘削して堤体が乗る基礎岩盤工事ですね。ダム工事全体で見ても、最も大事な部分です。ダムとしては中規模とは言え、高さ87mの構造物が上に乗るわけですので、堅固なものでないと、大変なことになります。掘削する際には、岩盤が緩まないように細心の注意を払い施工します。特に立野ダムは節理が発達した柱状節理がありますので、柱状節理が緩まないよう、いかに掘削するかに主眼を置いて掘削しました。

コンクリートを打つ前に必ず基礎岩盤の検査を受けます。基礎岩盤の上に残る、建設機械で取り去ることができなかった小さな岩塊や汚れを水洗いしながらキレイに除去します。その上で、岩の割れ目の状況や岩質などをしっかり見極めます。この見極める作業はとても大切です。もし計画との相違がある場合は、その部分を取り除く必要があります。そして検査を受けて合格してからコンクリートを打設します。これらを繰り返しながらダムをつくります。ダムが完成すると、当然人目に触れることはない部分ですが、ダムの一番大切な部分です。

堤体の作業状況(12月上旬時点)

――今後の工事のポイントは?

中井さん 今後は堤体部のコンクリートを打設し上げていくことになりますが、それに合わせて、引き続き同じように基礎岩盤面の処理も行っていく作業があります。品質の高いコンクリートを打設していくとともに、堅固な岩盤も確実に出していく。これがこれから一番重要なポイントになってきます。私もいくつかのダム工事を手掛けてきましたが、その中でも、立野ダムは難易度の高いダムだと思っています。

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