【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞
耐火被覆吹付作業の作業効率を30%向上可能に
――ロボットによってどの程度の作業効率の向上が期待できる?
野村 同機はタブレット端末を活用しての遠隔操作ができます。また、現場の図面情報があれば自動で吹付作業を行うことも可能です。
これにより、耐火被覆吹付作業の作業効率を30%向上させることができます。人による作業では1日あたり150~160m2の作業量が通常ですが、ロボットを導入した場合の耐火被覆吹付作業では1日あたり200m2以上の施工スピードを実現します。将来的には人が休憩している時間にも動作させることで、さらなる作業量のアップを見込んでいます。

ロボットを活用することで、作業効率30%向上
プラント操作や清掃、コテ押さえは高度な技能を必要とせず、入職された方がすぐに携われる職種ですが、吹付作業は熟練技能を必要とするため、これをロボットで代替できるようになることで熟練工の減少という問題解決にも寄与することになります。
さらなる小型化、軽量化でホテルや介護施設への導入も
――ロボット施工での手順は?
野村 建設現場にロボットを搬入したのち、ロックウールプラントとホースを繋げます。そして、タブレット端末で現場情報データや位置情報を認識させてから、稼働させます。
位置認識には、株式会社トプコンの3次元計測機「LN‐100」と計測時に使用する「プリズム」を併用することで、数cmの誤差で吹付位置の調整ができるようにしています。
――ロボットのサイズ感は?
野村 長手方向で2,300mm、横方向が1,200mm、高さ2,100mmで、重量は1.4tでトラックでの運搬やクレーンで吊り上げて現場に搬入することもできます。計算上では、大型のエレベータに載せることも可能です。
――今後の改良ポイントは。
野村 吹付作業自体の施工スピードは早くなりますが、ロボットの移動時間も含めたトータルで見ると、まだ職人作業よりも施工時間が掛かるため、ここを同程度にできればと考えています。
また、小規模な物件だと、現場に搬入する労力に対して効果も小さいため、現在導入を想定している現場は物流施設などの大型現場ですが、より小型化することで介護施設やホテル等の小規模現場にも適用できるようにしていきたいと思います。
――BIMとの連動も進んでいく?
野村 はい。現在も図面データにある柱と梁などの部材の大きさや柱の距離等の情報から、吹付作業に必要な経路計画を自動で作成できます。また、ロボットが作業を行う上で必要なデータ入力項目を削減するため、BIMと連動させることを想定した仕様で開発しています。
――今後の展開については。
野村 まずは社内での実例を増やしていくことが先決です。社内から「これは使える」という意見を増やさなければなりません。その上で、他社などから「外販してほしい」「リースしたい」というお声があれば、その期待に応えるレベルに向上していければと思います。
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