材料費を予算内に収める発注方法とは?
ケーブルを発注している、電気施工管理者の皆さん!
その発注方法で材料費は予算内に収まりますか?
オリンピックも終わり、コロナ禍で建築需要も落ち込み、銅価格も上昇を続けている中で、厳しい契約金額のもと現場を収めていかなければならない。
予算が低いのは百も承知です。でも、まずできることをやる!これが大事だと思います。そのできることとは、ズバリ・・・ムダを減らすこと!!
ということで、この記事ではムダを減らしていくケーブル管理術(CVT特化)を紹介します。実践していくことによって、
- ケーブルのムダ発注を防ぐ
- 発注時期に予算との残額調整も把握できるため、増減への早期対応が可能
- 代理店への発注、作業員への指示、原価管理をひとつの書式で対応
と、このようにムダを減らす動きができるようになります!
ムダを減らす「ケーブル管理術(CVT特化)」
手順は大きく3つです。
- 施工に必要な情報を落とし込んだ表の作成
- 幹線計算書と原価管理表は別物とする
- 見積数量と現場の発注数量がリアルタイムで確認できる原価管理表の作成
では、1つずつ詳しく解説していきます。
1.施工に必要な情報を落とし込んだ表の作成
幹線延線時に必要な情報をまとめていきます。
幹線番号、盤名称、キュービクル盤名称(バンク)、幹線サイズ、注文数。これが分かれば、とりあえず発注もできますし、現場サイドでも延線作業ができると思いますが、もう少し注文数の部分を細かくしていきます。
現場情報として、屋上階にキュービクル、建物は4階建。幹線は基本4階で展開して、各所EPS縦ラックにて各階に延線していくとしましょう。
ケーブル数量を拾う際には、キュービクルで何m、縦で何m、4階で何m、2階で何m、つなぎ込みで何m。それらを合算、プラス余長をみて、注文数をはじき出しますよね。
その各所ではじいた長さを表に落とし込んで残していきましょう。それによって、計算ミスによる誤発注を防げるとともに、後々の見直しも分かりやすくなります。
延線時に必要な情報として、搬入日も追加しておきましょう。工程打ち合わせ時の資料にも使用できますし、作業員さんに渡せる資料にもなります。搬入日を変更したい時も表で指示できるので楽ちんです。
また、商業施設とかですと幹線分岐がたくさん出てくるよという場合もあると思います。その場合は、分岐材や端子関係などを必要情報として追加しておくと、必要な分だけ一緒に発注もできます。
2.幹線計算書と原価管理表は別物とする
幹線計算書は、あくまでも電圧降下などを調整したうえでの幹線サイズの決定に必要な書式です。発注管理表と混ぜると分かりづらくなるので別で考えましょう。
3.見積数量と現場の発注数量がリアルタイムで確認できる原価管理表の作成
ここまで表を完成出来たら、後はエクセルを駆使して、原価管理表に進化させていくだけです。エクセルの改ページプレビューで枠の外に数式をまとめていきましょう。
仮に、U・V・W・Xの4列を使用して作成していくとします。
- Uには、幹線サイズ名称。CVT8~325まで表記していきます。
- Vには、全体数量。SUMIFの数式を使用して、幹線サイズが書いてあるセル列の、指定のサイズが表記されている注文数のセル列の合算を表記します。仮に、幹線サイズ表記がF3~F100のセルで、注文数表記がM3~M100のセルだとします。CVT8の全体数量を表記させたいVの数式は、=SUMIF(F3:F100,”CVT8”,M3:M100)となります。
続けて、各サイズを表記させていきます。
- Wには、単価。メーカーや代理店と契約している、各サイズの金額を表記しましょう。
- Xには、合計金額。数量と単価をかけ算した金額が表記される数式をあてはめます。そして、各サイズのXセルを合計すれば、現場で発注するケーブル数量と金額が一目瞭然となるわけです。
追加発注が予想される場合は、全体数量の数式を30列ぐらい多くしておきましょう。エクセルがその都度計算してくれます。CVTに限らずFPTやIV等、使用頻度が多いケーブルはどんどん管理表に追加してみてください。
――現場監督は、突発的な現場での対応ばかり求められて、本来の管理者の仕事がおろそかになってしまいがちな環境が少なからずあります。
ムダを減らすだけでなく、常に頭の中をスッキリさせておくアイテムとしても、管理表は大いに役立つのではないでしょうか。
もし皆さんが実践されている管理術があれば、ぜひ教えていただきたいです!コメント欄にてお待ちしています!