新しいことをやるには、ゼロベースで考える必要がある
これまでの仕事で印象深かったのは、バンコク事務所に駐在中、ある事業権入札案件に関わったことだ。現地政府関係者と入札条件を交渉したり、金融機関と金利などを交渉したりしながら、現地パートナー会社とは応札に向けた様々な検討をした。
日本ではまず経験する機会がない海外ならではの経験だった。結果的には、現地の鉄道会社グループが低価格で落札したが、「世界から様々な企業の参加する国際競争入札だったので、非常に勉強になった」と振り返る。
海外で日本との違いを痛感したのは、「徹底した合理主義」、「自分の足でしっかり立たないとやっていけない」ところだ。
例えば、大学の授業で意見を求められたときに、日本では他の学生と似た意見を言っても、なんとかなるが、アメリカでそれをやると、「あなたの存在価値はない」という烙印を押されてしまう。「常に人と異なる意見を求められるので、最初はツラい思いをしたが、結果的には非常に鍛えられた」と言う。
この点、「なにか新しいことを始める際には、物事をゼロベースで考える必要がある。ゼロベースで考えることで、新たな視点が生まれたり、新たなマーケットが見つかったりすることがある。」と指摘する。
「何か役に立つかな」でCPAを取得
黒川さんがユニークなのは、仕事のかたわらCPAを取得したこと。取得のきっかけは、首都高の民営化だった。財務を担当していたわけでもなかったが、「会計の知識があれば、仕事でなにかの役に立つかな」というのが動機だった。大学の先輩がCPAの取得を目指しているという話を聞いて、触発されたというのもあった。
最初は日本の公認会計士も考えたが、国際資格で筆記試験だけで取得できるCPAを選んだ。CPAの試験のユニークなのは、決まった日時に決まった会場で試験を受けるのではなく、オンラインで試験を受けられることで、日程も試験会場も比較的に自由に選ぶことができた。
試験科目は4科目だが、4科目すべて1回で合格する必要はなく、1科目ずつ合格すれば、1年半以内であれば、CPAの資格が取れた。
ジェックスウェイ出向時やバンコク駐在時に、PPP事業の入札案件や現地法人設立に向けた検討業務に携わったときは、CPAで勉強した知識が大いに役立った。「まさかCPAの知識が本当に仕事に役立つとは思わなかった」と振り返る。
「将来的には、インデジ部として国内事業のみならず、タイを中心にASEAN諸国などへ事業展開する機会があれば、ビジネスモデルの策定など資金面での検討も必要となってくる。技術だけでなくファイナンスという面からも、インデジ部のチャレンジを支えていきたい」と力を込める。
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