工事初日に、図面が変わった
――その後はどのような現場を?
新山さん 道路工事をメインにやってきました。3年目に2級土木施工管理技士を取得して、現場代理人として現場に出るようになりました。5年目に1級土木施工管理技士を取得して、現場代理人、または監理技術者として現場に出ています。短い現場で1ヶ月ほど、長い現場だと1〜2年ほどです。
――周りとのコミュニケーションは大丈夫でしたか?
新山さん それも苦労しました。初めて一人で現場を任されたときは、とくに段取りが後手後手に回ってしまいました。今振り返ると、ムダが多い現場になってしまったと思いますが、それでもなんとか工期内に収められたので、良い経験になったと思っています。
――具体的に、これはムダだったなと思うことはありますか?
新山さん 現場に張りつきっぱなしだったことですね。ムダに現場にいたという気がします。下請けさんに任せるところは任せて、自分は次の段取りに回るとか、要所を押さえて必要なところだけを重点的にチェックするとか、もっと自由に動けば良かったなと思います。
――監理技術者として初めて入った現場はどうでした?
新山さん 調布のアンダーパスの道路新設の現場でしたが、現場は基本的に後輩に任せて、自分は発注者との協議、書類作成、原価管理をメインでやるというカタチになりました。
決められたモノをつくるという意味ではそれまでの現場と変わりはありませんが、設計通りにモノがつくれないことや、途中で設計が変わるといったことが何度かありました。そのたびに技術的な提案を練って、発注者と協議するということをやりました。これはそれまで経験したことがなかった仕事でした。

調布のアンダーパス現場(完成後)
――そんなに図面が変わったのですか?
新山さん はい。図面をもらって、さあ工事にかかろうとしたら、初日にいきなり図面が変わりました。かなりイレギュラーなことだと思います。あと、予定外の下水道工事も追加されました。下水工事着手の作業が加わるだけでなく、それに伴い本体工事の工程も調整しなければならず、いろいろ苦労しました。
――工期も伸びそうですけど。
新山さん ええ、丸1年伸びて、2年間になりました。
――まさに土木現場という感じがしますが。
新山さん そうですね(笑)。住民の方などから「いつになったら、開通するんだ」といった問い合わせをいただくこともありました。そのたびに丁寧に説明し、良好な関係の構築に努めました。
――こうしとけば良かったと思う点はありますか?
新山さん 初めて一人で任された現場の話と重複しますが、自分で抱え過ぎずに、もっと後輩に現場を任せておけば良かったかなとは思います。要所を押さえて必要なところだけを重点的にチェックする力が足りなかったなと思いますし、今でもまだまだ足りないと思っています。
ICT施工は、効率も上がるし、説明もしやすい

曙橋現場の現況
――今どのような現場を担当していますか?
新山さん 現在は、現場代理人 兼 監理技術者として、新宿の曙橋で街路築造工事を行っています。車道舗装、排水施設、歩道舗装、縁石設置などの施工がメインの現場で、片側2車線の道路の外回り部分を改修しています。
――ICT施工ですか?
新山さん そうです。今回の現場では、レーザースキャナで点群データを取ってモデルをつくりました。その上で技術提案し、実際に施工を行っているところです。ICT施工の良いところは、測量作業の作業効率が上がるということもありますが、ビューワを用いて打合せすることで、施工後のイメージを発注者や若手社員などにも説明しやすい、ということもあると思います。

曙橋現場の3Dモデル
公共工事の書類であっても決められた保管期間を過ぎると廃棄されます。
構造物が無くなるよりも遥かにはやく廃棄されます。
書類に時間をかけるぐらいなら、永年持続する構造物構築に時間をかけるほうが国民のためだと思います。
ぶっちゃけ、書類なんか、電子納品できるレベルで手書きでもよい。
全くその通りです。
書類も大事だか、現場を適正かつ適切に納めて一人前の管理者、職人です。
普通に進めれば書類作成は出来ているはずですが?
内勤が好き。書類は残り続ける。(実際は違うが)
そんな考えなら、設計コンサルに行けばよい。
そのような人に、インフラ構築されても安心して生活できない。
インフラ整備の本質は、きれいな書類作りではなく、安心・安全な構造物構築である。
なんでそんな考え方しかできないかな?内勤好きでも現場でも頑張ってるんだからいいと思うけど?