点検口の確保は大変
点検口用の開口は、天井・壁・床に設けるため、ランナー・スタッドなどの軽量鉄骨を切り欠くことになります。
当然、補強が必要となるため、設備工事業者は、建築工事業者に対して「開口をあけてくださいね!ここは要補強!」という意味で、墨出し・木枠付けを行います。業者間の連携が取れると、点検口の墨と仕上げが綺麗で、一つの芸術作品のようになりますが、すべての現場がそう上手くいくわけではありません。
短工期の現場や予算に余裕がない現場、雰囲気が悪い現場では、われ先に仕事を終わらせようと、次のようなことが発生します。
- 開口部を塞いで施工されている!
- せっかく書いた墨を消される!
- そもそも墨出しに気付かなかったと言われる!
- せっかく作った木枠を壊される!
- 木枠につまづいてケガをした!邪魔だ!などとトラブル発生!
仕方なしに、夜な夜な設備工事業者で、軽鉄を切断・補強をして、最悪の場合は、鉄筋など関わらずコア抜きをすることもあります。工程管理・品質管理など何もあったものではありません。
アマゾンや100円ショップのメッシュカゴを活用
施工現場において、建築工事業者と設備工事業者の関係は、多くの場合、発注・受注関係であるため、工事や作業を要求する際、依頼しづらかったり、伝達の齟齬が生じたりして、トラブルの原因や工程調整が煩雑になる傾向があります。
そこで、私はこのアイディアを思いつき、実践することにしました。
墨出し・木枠がダメならば、これはどうだ!
「折りたたみ式洗濯メッシュカゴ」です。
似たような洗濯メッシュカゴは、100円ショップでも手に入ります。
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この洗濯メッシュカゴを、点検口となる開口部に、はめ込みます。これなら、他の建築工事業者も「気付かなかった」とは言えません。ケガの心配もなく、もし壊された場合も、安価なので何度でも取り付け可能です。
しかも、現場がカラフルになって、少しは雰囲気も明るく、コミュニケーションも楽しくなるはず(笑)
実際、洗濯メッシュカゴを設置した施工現場では、メッシュカゴを避けるように、軽量鉄骨の配置・切り欠きがきちんと行われ、軽量鉄骨の品質・適切な点検口が確保されました。現場でのちょっとした話題提供にもなります。
……以上、施工現場での責任区分を明示することに、メッシュカゴが役立つというアイディアでした。
みなさまの現場が少しでも安全かつ、楽しくなることを願っております!
実践するか、しないかは、あなた次第です!