「何m3くらいか」をあっという間に導ける
前段で理解しておいて欲しいことは、この方法は「正確な数字はわからない」ということです。
大きく方向がずれていないか、根本的なミスを犯していないかという部分をチェックするためのものであり、○.○○m3まで正確にチェックするというような意図はありませんので、ご了承ください。
例えば、基礎ベース。大きさが2.0m×2.0m×H1.2mだったり、1.2m×1.5m×H0.7mだったり、様々な大きさが存在します。そのバラバラな規格のものが、規模によっては数十台に及ぶこともあります。
このベースのコンクリート数量が「ざっくり何m3くらいなのか」を、あっという間に導く方法があります。
それは、【平均くらいのベース×台数】です。
いくらバラバラの規格とはいえ、平均値があるはずです。大きさ的な中間くらいのベースを見つけ、台数の多いベース側に少し寄せる。この辺は勘でしかありませんが、それでいいんです。正直、大勢に影響はありません。
梁も平均くらいの大きさを抜き出すところは同じです。その後に掛けるものは、台数ではなく「全部の長さ」です。土間やスラブは開口をざっくり加味して計算します。
この時に抜き出す平均値は、詳細な数字じゃなくて問題ありません。ある程度計算しやすいもので良いと思います。なんせ、ざっくりの数量を見つけ出したいだけなのですから。
この方法でいくと、延床2,000m2程度の施設の新築工事だったとしても、4~5分あれば答えが出てしまいます。
「ざっくり検算」は意味があるのか?
例えば、後輩の積算結果が「253.88m3」だったとしましょう。
そしてざっくり数量が「240m3」だったとします。この場合のジャッジとしては、「OK」です。大きく方向性がそれているわけではないと判断していいと思います。
『13m3も違うじゃないか!』とお思いですか?そこが気になるなら、最初から一つ一つチェックする方法しかありません。
実例としてお話しするなら、僕の後輩が丸1日かけて「350m3です!」と計算をしたものがありました。それに対し、僕が「ザッと見てあげる」と言って、この方法でチャチャっと検算をしました。その答えは620m3でした。
おわかりでしょうか。「絶対に」どこか間違えていますよね?左右対称な形状で、片方は計算したが、最後に×2をし忘れたとか、全く違う建物の図面を見ているとか。
あり得ない話ではありません。でもこのざっくり検算により、大きな危機は回避できたことになりますよね。その後に「もう一回自分で見直せ」と言えばよいのです。
この計算方法は、かなり万能です。掘削などの他の数字にも応用可能ですし、お客さんの前でざっくりの数字をはじく時にも使えます。
現場でも業務でも、どこでも使えるこの「ざっくり検算」という方法。ぜひマスターし、いろんな場面で活用してみて下さいね。
※この記事は、『 【インスタで学べる】1日たった3分で学べる建設コラム 』の記事を再編集したものです。
ざっくり計算法はどこに?