フリマサイトの市場規模はいまや1兆円を超え、急速に拡大が続いているが、ついに“足場材専門”のフリマサービスまでローンチされた。
足場材に特化したフリマサービス「LLINK(リンク)」は、くさび式足場などを自由に売買できるサービスとして、ウェブだけでなくiOS、Androidの両アプリにも配信されており、会員登録者が拡大している。一般的に二束三文で売買されることの多い足場材を、適正価格で中間業者を挟むことなく取引できることから、足場会社を中心に支持されている。
運営会社は株式会社エルライン(本社・東京都品川区)。自社でも足場工事を請け負う傍ら、日本最大級の足場・仮設資材の販売・買取サイト「足場JAPAN」の運営で培ったノウハウを活用し、自動で数量や送料を算出し、配送まで対応しているので、スマホ1台で気楽に出品・購入ができる。LLINKの責任者である株式会社エルライン 執行役員の尾形友樹氏に話を聞いた。
足場材の売買が一番難しい
くさび式足場、クランプ、単管パイプ…。足場材といっても様々だが、一様にして言えることは、「売買単位が単品ではなく、複数項目である」ことだ。「必要な分だけ購入したい」、「要らない分だけ売りたい」という双方の希望があっても、足場材はそうはいかない。尾形友樹執行役員は「大量明細となる足場材の売買が、一番難しい」と語る。
中古足場材はリサイクルショップでも広く行われているが、どうしても買い手の“言い値”で売るしかならず、販売額も二束三文となることも多い。手間を掛けて見積りしても、買い手の査定額が低いと、持って帰るくらいであるなら“処分”するしかないのが現状だ。
「即現金化できる点では、リサイクルショップにメリットがないとは言えないが、そもそも足場材を運ぶ労力も時間も掛かる。配送料も販売額に上乗せしたくても、なかなかできない」と尾形氏は語る。
最近では、オークションサイトでの出品も増えているが、段ボールで梱包できるようなサイズならまだしも、重量物で送料を算出するだけでも難儀する。その上、積み込みをして、自ら配送の手配までするとなると、それだけで1日仕事となってしまう。
これらの課題を解決するのが、「LLINK(リンク)」だ。足場JAPANで蓄積した知見で、売りたい足場材の数量や発送先が自動計算されるため、余計な数量拾いの手間が一切なくなるのだ。そのうえ、荷積みから配送まではLLINK側が行う。購入数と発送元と発送先の住所を入力すると、LLINKからユニック車が引き取りに向かい、積み込みも行う。購入者の受け取り可能日に配送し、取引が完了となるため、販売者は「ユニック車で吊れるようにパッキングだけでしていただくだけでいい」という。配送先が狭小地であった場合も、入車可能なサイズの車両で複数台で配送を行うため、「持って行ったはいいが、荷下ろしができない」というリスクも少ない。
出品も無料で、スマホで撮影してそのまま出品できるため、「何よりこれまで“鉄くず”のような値段で仕方なく売っていた足場材が、自ら値付けして、しかも手間なく売れることが、足場会社にとって一番大きい」と尾形氏は語る。
重量物の足場材が自由に取引できる場所を
一方、購入者にとっても、メリットは大きい。前述した通り、発送はLLINK側が行い、送料なども明瞭だ。万が一、出品者がサイズや重量の記載をミスしていても、常時LLINKが修正を行うため安心して購入ができるほか、必要な個数だけを指定することができるため、余計な出費も掛からない。
購入者としても「どうしても動かない資材はある。保管スペースにも限界がある。そうなると、一般的な相場よりも安く売り出されている掘り出し物があるのもメリットで、何より見ていて楽しいのでは」(尾形氏)
足場材は、保管状態にもよるが、30~40年間は使えるものだ。だが、一般的に現場で自社のものであると分かるように塗装されていることが多く、状態に一切問題がなくても、その時点で中古になってしまう。
「一度、中古の足場材を使ったら、まったく問題ないことを分かっていただける方が多い。新品と中古品での使用感と性能に違いがない」(尾形氏)。
また、足場材は盗難品が流通されることもあるが、出品者は事前の本人確認が必要となるほか、出品物は常にLLINKがパトロールを行うことで、購入者のリスクを排除している。
エルラインも長らく足場工事を手掛けてきた。尾形氏は「我々のような専門工事会社が、LLINKをはじめエルラインによるDXによって専門工事会社を支えたい」と最後に語った。
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