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優秀な施工管理は現場から消えます・・・

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武田 祐樹
公開日:2025.11.12
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優秀な施工管理は現場から消えます・・・
目次
  1. 優秀な施工管理を現場に出すな
  2. 「後方指揮型」の体制
  3. 現実に立ち向かうための有効な手段

優秀な施工管理を現場に出すな

今回は、近未来のゼネコンの働き方についてお話しします。これを聞いて、「そんなの無理だろう」と感じる方もいるかもしれません。しかし、冷静に時代の流れを見てください。他業界で何が起きているかを考えてください。それを踏まえると、これは必ず起こる変化だと断言できます。

これから先、優秀な施工管理は現場から姿を消します。これは、なにも絶滅してしまうという意味ではありません。現場の最前線からいなくなるという意味です。そして、この変化は誰かの意思で止められるものではなく、避けようのない必然なのです。

躍進する組織は、優秀な指揮官が複数の部隊に命令を出し、最前線では多くの兵隊たちが実働します。これはいつの時代も、どの業界でも当たり前のこと。なぜなら、これが最も効率的な戦い方だからです。

経営学の世界では「経営資源を最大活用する」ことが基本ですが、建設業界はこれまで、人的資源の活かし方において大きな制約を抱えていました。そもそも、優秀な人材はそう多く生まれません。だからこそ、その能力を可能な限り多くの人たちが享受できるような仕組みにすることが大切であり、最も効率の良い働き方と言えるのです。

「1人の天才に頼る」のではなく、「1人の天才の知見を、10人、20人が使えるようにする」──これが、これからの建設業界で求められる仕組みです。

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「後方指揮型」の体制

建設現場はどうでしょうか。

これまでは一現場に対し、一人の担当者を張り付けて運営するしかありませんでした。なぜなら、人間の目の届く範囲は限られており、現地でしか指示が出せず、書類でのやり取りしか方法がなかったからです。だから「優秀な人材は現場に張り付くもの」という常識が長年続いてきたのです。

ですが、インターネットの普及とIT技術の進歩が、それ以外の選択肢を生み出しました。今では同時に複数の現場をモニタリングでき、遠隔で指示を出し、書類はクラウドでリアルタイムに共有できます。現場に行かずとも、進捗確認や図面修正の指示が可能になり、意思決定のスピードも格段に上がっています。

仮に現地にいるスタッフがあまり優秀でなかったとしても、後方で優秀な指揮者が活躍していれば、現場は十分に機能します。この「後方指揮型」の体制が整えば、1人の優秀な管理者が、3件、5件、あるいはそれ以上の現場を同時に見ることが可能になるのです。

現実に立ち向かうための有効な手段

今までは優秀な指揮官が、現場の数だけ必要でしたが、これからは必ずしもそうではなくなるのです。事実、先進的な会社はすでに取り入れています。その代表例が「遠隔管理」です。

僕は数年前から、この概念に「コアエンジニアモデル」という名前を付け、中小規模の会社でも取り組めるような枠組みを提唱しています。簡単に言えば、「現場に出るのはサポートスタッフ、優秀な人材は後方で複数現場を指揮する」という形です。

「遠隔」と聞くと、「移動時間を削減するため」と思う人もいるかもしれません。でも、本質はそこではありません。これは、「数少ない優秀な人材が、できるだけ多くの現場で活躍できる仕組みを作ること」です。そして、それにより人材不足の解消、高齢化対策、品質・効率・利益の最大化という、業界が抱える課題を一気に解決できるのです。

これからの時代、人はますます減ります。その現実に立ち向かうための有効な手段は、このモデルしかありません。そして間もなく、「コア」になりうる数少ない優秀な人材を巡る、熾烈な奪い合いが始まるでしょう。

時代はすでに変わりました。法制度も変化し、テクノロジーは進化し続けています。その中で、「昔ながらのやり方」に固執することは、企業の成長を止めるどころか、淘汰を早めることにつながります。

そろそろ皆さんの会社も、次のフェーズへ進むタイミングが来ているのではないでしょうか。現場ラボでは、そんな変革を望む企業を、全力でサポートしていきます。

※この記事は、『 【インスタで学べる】1日たった3分で学べる建設コラム 』の記事を再編集したものです。


◆現場監督の働き方を、もっとスリムに。:【GENBA Lab.】現場ラボ

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この記事を書いた人

武田 祐樹
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【プロフィール】
武田 祐樹(たけだ ひろき)

総合建設業に17年在職し、所長歴は11年、官民問わず数多くの実績を積む。その後2020年に起業・独立。
「建設業をワクワクする業界へ」をスローガンに、DX化の推進や若手育成、魅力発信を行う。
「建設業効率化施策の仕掛け人」として、ABEMA Primeに出演。

◇保有資格◇
一級建築士
1級建築施工管理技士
1級土木施工管理技士

株式会社RaisePLAN 代表取締役

【運営・活動】
◆【現場ラボ】:建設業の変革をサポート
◆【現場ラボコンサルタント】:新人・若手の研修、教育
◆【Edu建(エデュケン)】:建築施工管理のeラーニング
◆【講師活動】:DX化、部下育成、建設業に関するセミナー・講演

【情報発信】
◆YouTubeチャンネル:【建設業を持ち上げるTV】1万人登録突破!
◆ポッドキャスト:【立入禁止の向こう側】毎日発信中!
◆メールマガジン:【建設業を持ち上げマガジン】

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コメント(2)

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  • - 2025/11/14 22:14

    ただし「本当に消える」のは違法
    話はあくまで 「姿が見えないくらい現場が安定している」という比喩的表現?
    監理技術者・主任技術者には専任義務があり、長時間の不在は法律違反(建設業法26条違反) になります。優秀な人でも「丸一日いない」「別現場に行く」は原則アウトでは?ここで言う施工管理者は監理主任技術者以外の者を指すのですか?

    返信する 通報する
    • 2025/11/14 23:11

      ( ´_>`)

      主任技術者に関しては同意

      監理技術者はそうではないかと…。

      貴方は監理技術者の立場?

      この記事は良い記事ですね

      武田氏最近ぶれ気味っすねw
      やっぱコンサルだと口当たりの良いこと発信しないと金にならないですからね

      貴方が悪いわけでは無いんですよ

      時代に会わせれない会社の上層のせいですねw
      気付かないうちに会社が焼け野原なっても知りませんよw

      後任を育て優退する事が出来ない人いませんか?

      会社の弱みを握られてるんですかね?

      通報する

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