施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

「もう一つのYKK APを創る」堀会長が目指す“感動を伴う都市緑化構想”とは?

  • エトセトラ
公開日:2026.04.08
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 1 コメント
  • メールで共有

空間デザインと技術の最高峰。田主丸緑地建設が放つ圧倒的な「美」の世界

1955年の創業以来、70年の歳月を緑とともに歩んできた「小西緑地建設」は、2000年に「田主丸緑地建設」へと名を改め、2026年2月、YKK APグループとして新たな歴史を刻み始める。

田主丸緑地建設の強みは、民間市場で愛される繊細な植栽技法、そして時代を先取るデザインだ。そして、それらを支えるのは、独自に育成した熟練の職人たちであり、広大な提携農場で育まれる多種多様な樹木である。「私たちは、ただ『売れるもの』を生産する集団ではない。在来の樹種と新たな感性を融合させ、十年後の植栽のありようを見据えていきたい」と小西社長は語る。

同社が目指すのは、民間領域における「空間デザインと技術の最高峰」だ。売上高10億円超、32名の従業員を抱える同社は、大手ハウスメーカーや九州の有力ビルダーから絶大な信頼を寄せられる。特筆すべきは、小西社長が放つ圧倒的なデザインの熱量だ。YKK AP主催のコンテスト「エクステリア スタイル大賞」では、前人未到の4年連続大賞という快挙を成し遂げた。

「約2,000もの応募作の中でトップを走り続けるのは至難の業。彼はすでに殿堂入りの存在」。粟井社長もそう手放しで称賛する小西社長の設計は、単なる外構の枠を超え、周辺環境や将来性までをも緻密に計算し尽くしている。

エクステリア スタイル フォトコンテスト2017(※当時名称)のYKK AP大賞を受賞した田主丸緑地建設の作品

エクステリア スタイル フォトコンテスト2017(※当時名称)のYKK AP大賞を受賞した田主丸緑地建設の作品

拠点は九州だが、その手腕は東北から沖縄まで及ぶ。月間に首都圏で3~4件の物件を抱える多忙な日々の中、これまでは「プラン提示」に留まるケースもあったが、今後は違う。

「ありがたいことに依頼は絶えないが、自社だけでは限界があった。この提携こそが、私の求めていた形です」。小西社長はそう語り、3社連携による施工体制の強化に強い意欲を示す。

田主丸緑地建設の小西範揚社長

田主丸緑地建設の小西範揚社長

一方、YKK APが田主丸緑地建設をパートナーに選んだ背景には、都市緑化の勢力図を塗り替えるための「4つのコア・バリュー」が存在する。1点目は、商業施設や分譲住宅で空間全体を一つの物語として捉える提案力とそれを形にする確かな施工力の一貫性。

2点目は、業界内での圧倒的な知名度と、小西社長が築き上げたデザインブランド。富裕層やハイエンドな顧客層に深く浸透しているその社名は、信頼の証そのものだ。洗練された美意識を求める層に対し、強力な訴求力を発揮する。

3点目は、安定的な植栽の供給力と、高い価格競争力。提携農場という巨大なバックボーンを所有し、大規模な都市緑化にも即応できるネットワークを構築している。この「物量」と「品質」の安定こそが、事業拡大のエンジンとなる。

最後にYKK APが長年培ってきた住宅エクステリア事業との親和性だ。エクステリア商品の販売と、田主丸緑化建設が持つ緑化技術。この2つが高度に連携することで、住まいの外構は「製品」から「風景」へと昇華される。

小西社長は「私たちが目指す方向は、当初から重なり合っていた」と、YKK APとの2016年からの深い交流を静かに振り返る。建物と庭を一体で捉える設計思想や、開口部(窓)と緑の有機的なつながり。対話を重ねるほどに、両者が描く「住まいの理想」は、リンクしていった。

YKK APグループという強固な基盤を得たことで、そのシナジーは無限の可能性を秘める。「特に期待しているのが、次世代を担う人材の採用。この新しい体制であれば、未来を共につくる才能が集まると確信している。緑化ビジネスをグループ一丸となって日本中へ届けていきたい」

公園を激甚災害から街を守る砦に。テラヤマが挑むグリーンインフラ

一方、テラヤマは苗木の流通拠点として名高い埼玉県川口市に本社を置く。創業58年の歴史を背負い、2024年9月期には11億円超の売上を計上。来期は約17億円を見据える成長企業だ。地元の埼玉県、東京都や独立行政法人都市再生機構(UR)を主要顧客に持ち、施工部門が売上の85%を占める。「現場に強い」29名の精鋭集団だ。

そのテラヤマが今、伝統の「造園」を「グリーンインフラ」へと進化させようとしている。同社は15年前に東京中央区に東京支店を開設し、都心の公共工事を受注してきた。今回、渋谷サテライトオフィスを渋谷支店としても登録したが、これは単なる営業的な拠点増設ではない。「東京西部や神奈川エリアの優秀な人材を確保し、設計や運営・管理まで踏み込んだ提案型企業を目指す」と語るように、寺山社長が見据えるのは、造園の枠を超えた都市コンサルティングの領域だ。

テラヤマの寺山 樹生社長

テラヤマの寺山 樹生社長

その実力は、すでに証明されている。川口市立グリーンセンターの設計・施工では、2023年の都市公園等コンクールで「国土交通省都市局長賞」を受賞。さらに注目すべきは、気候変動への即応力だ。公園や街路樹の下に雨水貯留槽を設置し、道路の冠水を防ぐ。国交省が推進する「災害対策としての緑地活用」を、テラヤマはコンサルティングから施工まで一貫して担う。

テラヤマが第39回都市公園等コンクールで、国土交通省都市局長賞を受賞した埼玉県川口市立グリーンセンターの再整備工事

テラヤマが第39回都市公園等コンクールで、国土交通省都市局長賞を受賞した埼玉県川口市立グリーンセンターの再整備工事

テラヤマが今、心血を注ぐのは「エコロジカルネットワーク(生態系ネットワーク)」の構築だ。単なる緑化ではなく、地域の自然環境を点から線へ、線から面へと繋ぐ都市づくり。地方自治体の要請に応え、蓄積された知見を次々と実装している。

寺山社長は、「YKK APの窓と緑。そのトータルな提案こそが、新たな付加価値を生む。香港やシンガポールの高層建築が標準とする垂直緑化や屋上緑化。その先進事例を日本の空に描き出す、未知なる開拓事業に挑みたい」と決意を語る。

質疑応答の席では、寺山社長は「協力体制」と「採用」の劇的な変化についても言及した。建設業界全体を襲う深刻な人手不足。その中で、YKK APグループの一員となった事実は、強力な追い風となっている。

「協力会社の皆様が、取引に対して絶大な安心感を抱いてくださるようになった。また、面接に来る方々からも『グループ入りしたことが志望理由の一つ』という声を直接耳にするようになった。採用活動がこれほど有利に運ぶ。この一点だけでも、緑化事業において他社を圧倒し、一歩も二歩も先んじていけると確信している」とグループ入りした意義を改めて述べた。

改正都市緑地法を追い風に、3,800億円市場の「旗手」を目指す

LANDSCAPE社の粟井社長の分析によれば、日本の緑化関連需要は、今や約3,800億円という巨大な市場を形成。その内訳は公共と民間でほぼ二分される。もはや単なる「景観」の時代は終わった。国家戦略としてのGX(グリーントランスフォーメーション)、そして自然を回復させるネイチャーポジティブ。この二つの巨大な波が、市場をさらなる高みへと押し上げている。

2024年の改正都市緑地法施行により、風向きは決定的に変わった。緑地を整える民間企業への容積率緩和や金融支援。都市再開発において、緑化は「付加価値」ではなく「必須要件」へと昇華した。地方自治体レベルでも、防災・減災と一体化した「まちづくりGX」が加速。堀会長が掲げる「もう一つのYKK AP」というビジョンは、時代の必然から生まれたと言える。

国土交通省は2026年1月、「グリーンインフラ推進戦略2030」を策定。「自然との共生が当たり前の社会」を目指し、官民連携のプラットフォームが動き出す。多様な主体が結びつき、緑が都市のインフラとして機能する未来。「緑が人間にどのような効果をもたらすか、定量的に調査したい」。粟井社長はそう結び、デベロッパーとの共同戦線を見据えながら、都市の未来を鮮やかに描き出そうとしている。

建設業界で働くなら「施工管理求人ナビ」にご相談ください!
「施工管理求人ナビ」では施工管理の求人を広く扱っています。転職活動もサポートしていますので、気になる方はぜひ一度ご相談ください。
⇒転職アドバイザーに相談してみる
«12
  • この記事をシェアする0
  • この記事をツイートする0
この記事のコメントを見る1
こちらも合わせてどうぞ!
建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!
建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!
"異業種への人材流出"を"異工種へのキャリアチェンジ"へ 造園とは「石・砂・木・草などを適当に配置して庭園をつくること。また、庭園公園・動植物園などをつくること」(『精選版 日本国語大辞典』より抜粋)とあるが、その造園技...

この記事を書いた人

長井 雄一朗
この著者の他の記事を見る
建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
「もう一つのYKK APを創る」堀会長が目指す“感動を伴う都市緑化構想”とは? 「もう一つのYKK APを創る」堀会長が目指す“感動を伴う都市緑化構想”とは?

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • エトセトラ
  • 「もう一つのYKK APを創る」堀会長が目指す“感動を伴う都市緑化構想”とは?

コメント(1)

コメントフォームへ
  • - 2026/04/08 19:57

    民間で必要とする人に提供する事は良いと思います

    公共事業の場合は市民の意見を聞いてからにした方が良いですね

    今の世界情勢を見ると防衛施設や避難所に
    お金をかけたほうが良いと思います

    地方のインフラなんかも良いですね
    無理に人口を同じ場所に集中させた場合戦争になった時怖くないですか?

    返信する 通報する

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2026 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様