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「昭和の受発注」をサブスクで終わらせる。仮設業界のプラットフォーマー・タカミヤが描く『足場経済圏』の全貌

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長井 雄一朗
公開日:2026.04.21
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インタビューに回答した、株式会社タカミヤ 執行役員 経営戦略本部 情報システム部長 中川幸彦氏 

インタビューに回答した、株式会社タカミヤ 執行役員 経営戦略本部 情報システム部長 中川幸彦氏 

目次
  1. 足場業界の「昭和的受発注」をどう打破するか
  2. 「小さく始めて育てる」DXが、足場レンタルの景色を変える
  3. 「OPE-MANE」との連動。足場業界横断の「経済圏」構築へ

建設現場に欠かせない足場。しかし、その裏側にある受発注業務は、いまだにFAXの束と鳴りやまない電話に支えられているのが実態だ。業界に深く根を張る「アナログの壁」に風穴を開けるべく、足場レンタルのリーディングカンパニーである株式会社タカミヤが動いた。同社は、システム投資やIT人材の確保に悩む中堅・中小の足場レンタル会社でも手軽に導入できる、サブスクリプション型WEB受注・EDIプラットフォーム「OPERA Cloud(オペラ クラウド)」を開発。2026年4月、満を持してサービス提供を開始した。

「OPERA Cloud」は、タカミヤが運用する高機能EDI(※)の「OPERA(オペラ)」の知見をパッケージ化したものだ。クラウド環境を速やかに提供することで紙伝票や電話、FAXでの確認作業といった従来業務のデジタル化を段階的に進めることができる。

また、大規模なシステム開発を必要とせず、月額課金で導入できる点も特長の一つだ。さらに、タカミヤが運用する強固な共通認証基盤に乗ることで、専任のIT担当者がいなくとも高水準のセキュリティ環境が手に入る。長年培われた受注ノウハウが標準搭載されているため、FAXや電話の波に忙殺される業務フローを段階的にデジタル化へ移行していく道筋が描けるのだ。

タカミヤは2026年初頭より複数社でテスト導入を開始。運用・改善フェーズを経て4月からサービス提供を開始した。同サービスを通じて、慢性的な人手不足や長時間労働の解消、デジタル格差の是正に貢献し、持続可能な施工環境の実現に向けた取り組みを業界横断で推進していく構えだ。

※EDI:異なる企業間で発注書や請求書などのビジネスデータを、通信回線を介してコンピュータ間で自動的に交換するシステム。

足場業界の「昭和的受発注」をどう打破するか

――まず、中堅・中小足場レンタル会社における受発注の現状について、解説をお願いします。

中川氏 今回、「OPERA Cloud」の開発にあたり、足場レンタル会社との商談やイベントでのヒアリングを重ねる中で、注文作業の多くが電話やFAXで行われており、メールの利用は限定的であるという実態が見えてきました。

建設業界は現場ごとに求められる対応が異なるため、従来の運用が多く残っています。実際に、電話やFAXで「いついつまでに、この現場に、この足場材を納入してほしい」という注文の仕方が多数を占めています。電話で一部聞き漏らしがあれば、その都度聞き返して確認するという作業が日常化しているんです。

――なぜ、そうした従来の受発注が根強く残っているのでしょうか。

中川氏 繰り返しになりますが、現場ごとに求められる対応が異なる業界構造が要因です。もちろん建設業界でもIT化は進んでおり、標準化を目指している会社もありますが、ITへの理解度には依然として「濃淡」があります。

たとえば、同じ会社内でも、電子化で対応する現場がある一方で、従来通り電話やFAXでのやり取りを求める現場も存在します。

――そうした業界のアナログな課題に対し、御社自身はどのように対応されてきたのでしょうか。

中川氏 当社では、先行して、WEBオーダーシステム「OPERA」を自社開発し、運用しています。これはアナログな受発注をスマートフォンやPCから行えるようにした仕組みで、ネットショッピングのように24時間いつでもスピーディーにレンタル機材の注文が可能です。事務作業を削減し、積み残しや誤配達といった配達のムダを無くすための実務的な解決策として、一つの「標準化」の流れに位置づけています。

OPERAイメージ画像

アナログな受発注をスマートフォンやPCで完結させるWebオーダーシステム「OPERA」

ただし、すべてをOPERAに移行したわけではなく、電話やFAXでの注文も残っています。どんなに良いシステムを開発しても、従来の方法を重視される現場への普及は容易ではありません。しかし、今後はデジタルに抵抗のない若い世代が次席や所長へと昇格していく中で、利用率は確実に上昇していくと見込んでいます。

「小さく始めて育てる」DXが、足場レンタルの景色を変える

――他社も巻き込んだDXが必要だ、と。そこで今回リリースされたのが「OPERA Cloud」ですね。

中川氏 これまでも他社から「OPERAを活用したい」という要望をいただくことはあったのですが、情報システムの立場からは「そのままでは難しいです」と申し上げざるを得ませんでした。基幹システムの条件を整え、データを集約し、セキュリティを担保してお客様に開示する体制を一から構築するには、専任の人員や相応の投資が必要になるためです。

こうした障壁を解消するために開発したのが、サブスクリプション型の「OPERA Cloud」です。導入される各社がそれぞれの基幹システムを使いつつ、「OPERA Cloud」を導入することで、「OPERA」のレンタル受注機能を活用できるようになります。

「OPERA Cloud」の概念図 

「OPERA Cloud」の概念図

――グループ会社での反応はいかがですか。

中川氏 私どもはグループ各社の基幹システムを熟知しており、「基本的な機能でよいので導入したい」との声もあったため、4月1日のサービス提供開始以降、順次打ち合わせを進めているところです。

足場レンタル会社にヒアリングすると、やはり電話とFAXが多いのですが、FAXの注文シート自体はきれいに作成されている。そこで、まずはそのシートをWEB上に再現し、デジタルの状態で注文を受けるシステムを提案しました。現場ごとに注文者へデジタル化を要請する形になりますので、一気に進めるよりは「徐々に浸透させていくべき」とお話ししています。

――その「OPERA Cloud」ですが、具体的にどういった仕組みでアナログ業務をデジタル化していくのでしょうか。

中川氏 一言でいえば、レンタル業務に必要な機能を凝縮したクラウドサービスです。強みは、足場レンタル会社が直面する「投資負担」と「運用の複雑さ」の解決にあります。最大の特徴は、現場に合わせて無理なく段階的にデジタル化を進められることに加え、パラメータのON/OFFによって各社の業務に合わせた運用に柔軟に対応できる点にあります。最初はFAX受注から始め、段階的に機能を有効化しながら活用レベルを向上させていく「スモールスタート」が可能です。

また、大手のECモールをイメージしていただきたいのですが、アカウントは共通です。「OPERA」のIDを持っていれば、他のテナントの「OPERA Cloud」でも受発注が可能です。完全招待制を採用しており、管理者が信頼できるユーザーのみを招待することでセキュリティとガバナンスを担保します。仕組みとしては、各社の基幹システムとデータを連携させ、その情報を画面上で分かりやすく表示し、お客様がそこから注文を行うフローとなっています。

――最初から完璧を求めず、「走りながら育てる」スタンスですね。

中川氏 従来の基幹システムは安定稼働優先のため、ルール変更には多大な時間とコストがかかりました。しかし「OPERA Cloud」はクラウドの特性を活かし、システムに業務を合わせるのではなく、業務の変化に合わせてシステムを育てていきます。「いつか使うかもしれない機能」を作り込むのではなく、「今、必要な機能」から始めるアプローチです。

導入にあたっては段階的な活用を前提とし、有償での初期設定・運用立ち上げ支援サポートもご用意しています。まずは「紙・FAXのデジタル化」から始め、次に「リアルタイム共有」、さらには「経営判断に使える数字の整理」へと展開していく。現場の習熟度に合わせて運用レベルを上げる。この「現場を混乱させない視点」こそが、導入される会社にとっての大きなメリットです。

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この記事を書いた人

長井 雄一朗
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建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
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コメント(1)

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  • - 2026/04/21 18:41

    良い記事だと思うのですが…。
    中小がITに強い人材を確保できるようにしなければ
    こう言った物は流行らないでしょう…。

    どんなに良い物でも使いこなせる人材がいなければただの置物です

    この業界はそう言ったことを判別できる人が少ないですね…。
    コンサルの良いカモになっていると感じます。

    理解している人が社内いてもタスクの集中で教える時間もない状態
    少しずつでも後任に教える体制を構築する事を勧めますね

    仕事を教えれない新しい事に対応できない老害を排除した方が良いですね。

    これは特定の業種や機関に対して言っているわけではありませんw
    コンサルに関してはその限りではありませんw

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