溶接スタッド鉄筋工法(CASシステム)とはCASシステム研究会によって共同開発された既存SRC造建物向けの耐震補強工法のことで、原理的には、躯体に(ダイヤモンドコアドリルで)穿孔した後、孔内にスタッド鉄筋を(鉄骨へ)溶接/専用モルタル充填することで、セメフォースアンカー(無機系注入式アンカー)の定着性能を確保するものである。尚、溶接スタッド鉄筋工法(CASシステム)を適用する際の、既存RC造におけるコンクリート強度は13.5(N/mm2)以上、種別は普通/軽量1種/軽量2種とされる。ちなみに、従来型のSRC造におけるあと施工アンカーは、躯体内の鉄骨による干渉が課題とされたが、溶接スタッド鉄筋工法(CASシステム)は埋め込み長さが十分でない場合でも施工が可能とされる上、必要な定着性能を確保できる点が特筆される。