送気乾燥システムとは、本州四国連絡橋公団によって実用化された吊橋(レインボーブリッジ)の補修工事における標準工法の1つで、メーンケーブルの塗膜劣化/腐食防止のための乾燥空気生成/送風技術を指すものである。原理的には、アンカレイジに設置された送気ユニットで、除塵/除塩/除湿した乾燥空気を生成してメーンケーブル内部に送り込むことで、結果的にケーブル内の相対湿度を40%を維持し、ケーブル交換が困難な現状においても安全率(60%以下)を保つことで劣化防止に寄与するものである。尚、従来型では素線のペースト/ラッピングワイヤ/塗装を施すことで腐食しないと考えられていたが、実際は温度伸縮により塗膜割裂/水滴付着などが発生し課題となっていた開発経緯がある。ちなみに、今後は送気乾燥システムのよりリーズナブルな運用を目指し、送気圧の調整/運転一時停止などモニタリング技術の更なる向上が期待される。